地球と似た星ー消えた日常
これからみんなに、この僕らが住んでいる地球ととっても似ている、この宇宙のどこかにある星の話をしよう。わかりやすいようにそこにあるものの名前は地球のとリンクさせて言い換えておくことにしよう。みんな是非読んでいってくれ。
––––そこは地球と酷似した星だった。
そこは地球と地形が同じだった。
そこにはラノベでいうとこの魔法も、それを使うための魔力というものも亜人も魔族も魔物も存在しなかった。
そこにはただ、物理があり、科学があり、森や海、火山など自然界があり、地球とほぼ変わらない自然法則があり、僕らと同じ人類があり、動物たちがあった。
そこには文明があった。
それは現代の地球とほぼ同じだった。
道路が整備されてあった、交通手段も同じだった、スマホもあった、宇宙衛星もあった、ネットもテレビもあった。
大陸もあり、国もあった、島国もあった、人間同士での争いもあった。
、、、、文明があった。
これらはとても栄えていた上に人間同士の争いも終わり、和解し、世界規模の文化交流、技術交流、ワールドツアーが日常になった星だった。
地球の文明を少し越してきていた。
世界中の人々が手を取り合い、どんどん発展していく時代に突入した。
この時代がいく世紀にもわたって続いていくはずだった。
この星の文明がまた飛躍的に進歩していこうという時にそれは起きた。
全世界を自然災害が襲った。世界規模だった。
この星では地球ほど温室効果ガスが出なかった。
それを除いても、地球のような大きな自然災害は起きたことがなかった。
この星には雨も降るし、雪も降る、台風も竜巻も地震も起こる。
地球と違う点は、いくつかある。それは、波も高潮もあるが、津波だけは起きたことがなかった。
ここでは自然災害は地球と同じように定期的に起きるものだが、それらで死者はほとんどでない。
自然災害で死者が出たら、それは歴史的大災害と次の世代の教科書に載るだろう。
震度5弱がそこの星史上最大の地震だった。
そのときに死者が数百人規模だったので、そこからますます建物の地震などの自然災害に対する規制の壁が厳しく高くなったことで、それ以来死者の出る自然災害は起きていなかった。
全世界は自然災害を脅威ともはや見ていなかった。
地震の発生源は必ず陸の地下だった。
海の地下で起きることはなかった。
だから世界は自然災害の、全世界を巻き込むその自然災害の発生への対応ができなかった。
この星の人々はそれを知らなかったのだから、想定すらされていなかった。
電力はなくなり、地上の建造物はその自然災害への耐性の高さから骨組みが残っているものはたまにあるものの倒壊、半壊していないものはなかった。
それはそれらの瓦礫すら飲み込んで、引きずりさった。
そこに残った建物はまるで、優れた文明などなくすでに廃れて何世紀も経ったようだった。
それでも生存者はいた。
それがきた時、運良く高い山の上か上空にいる人だけ生き残った。
そのなかの彼ら二人はとても運が良かった。
巻き込まれなかっただけではなく、生を手放さなかった。
この生を手放さなかったことがどれほど難しかったことか。
どれほど絶望は大きかっただろうか。
これは前例の一切ない史上最大の誰も知らない自然災害で自分達以外の命の灯が消え、先の見えない中、助けなど求められない中、生にしがみつき、人生を突き進んでいく二人の話––––––
.....ザッ, ......カロンッ......ボゥッ......パンッ.....ボゥ...ボボッ..
今は冬が去る3週間ほど前だとおもう、俺は今俺のバディと二人で寄り添いながら焚き火を囲っている。
俺のバディは、海の水全てが襲いかかってきたあの時に絶望していた僕を生きろと励ましてくれた。
だが、俺も彼女も互いに名前はまだ知らない。
俺もバディも今は生きるのに必死だし、こんなことがあって、距離を縮めようとしない。
俺はあの日の光景を反芻する。
全てを飲み込んだあの恐怖の光景を。
されど心の底から震せられた自然の壮大さを感じたあの光景を。
日本を、人々を、文明を、世界を、全てを飲み込み文明を白紙に戻したあの災害を、俺は今、思い返す……
––––––その日、その時俺は幸か不幸か富士山に登っていた。大学の友達との賭けに勝つためだ。そのせいで俺は事の一部始終をこの目に収めることができてしまった。
生き残ることができてしまった、、、、、、
9月13日A.m.4:53—俺はこの前の日の23:00ごろに富士山を登り始めた。俺が富士山を登るのはこれで5度目だった。—0:13—登っていると足元がふらついた。俺は富士山に登るのは実に1年ぶりだった。だからそれでふらついたのだと納得した。—2:38—膝ががくがくと揺れた。俺はこれは自分の問題でふらついているのではないと気づいた。もしや富士山の噴火の兆しかと考えたがすでに半分以上登ったので登山を継続することに決めた。ここで下山しなかったことが俺を世界でも数少ない生存者にするとは思いもしなかった。そしてあの光景が、世界で初めての大災害を、人類を滅亡させたかもしれないあの光景が目に飛び込んでくる13分前—4:40—それのきっかけが起こった。空はこの日を嘆くかのような不吉な雲で覆われていた。突然、富士山でスマホがいきなり鳴り出す。「キュゥイ、キュゥイ、キュゥイ、地震です!キュゥイ、キュゥイ、キュゥイ、地震です!」慌ててスマホを取り出し確認するとそこにはマグニチュードは6.8、震度測定不可だった。それを見て俺は視力を疑った。俺は疲れているのだと思った。もしかしたらやっぱり体調が悪いのかもしれない、と思いたかった。過去にも大地震はあった。その時は震度5弱で、指標は震度7まである。だが、今回の警報には測定不可と出ている。俺は信じれなかった。信じたくなかった。放心しそうになった次の瞬間、俺は膝から崩れ落ちた。大地が揺れている。大地が人を拒み振り落とそうとするかのように激しく揺れる。揺れるたびに俺ははね上げられ、落ち、はね上げられる。うずくまることもできず、進むことも身を守ることもできない。富士山にある岩々も踊っている。俺は結構開けたところにいたおかげで岩々の死の舞踏会に参加することはなかったが、それでもはね上げられ、落とされる衝撃でボロボロだ。つかまるものもなかったから最悪富士山を転げ落ちて死ぬところだった。俺は今こんなにも落ち着いて思い返しているが、実際にはパニックだった。いいや、パニックという言葉では言い表せないだろう。死の恐怖を感じた。気の遠くなるような時間が経ち、ようやく揺れがおさまった時、僕の体に打撲していないところはなかった。骨折していないのが奇跡だった。僕はパニックの中スマホで今の状況をSNSで確認することだけなんとかできた。震度測定不可だから、7以上だろうから、すべての建物がなすすべなく倒壊しているだろうという考えが頭に浮かびつつSNSのライブを確認した。いろんな人々が配信をつけていたから、被害状況を見るのは容易だった。民間の人の配信では、家が倒壊していた。飛んでいたヘリからの中継では、意外にもビルはほとんどが建っていた。これに僕は安心したが、同時に疑問も生じた。そこには日本だけではなく海外の人もちょうど配信をしている人があり得ないほど多かったのだ。それで俺は政府のサイトを確認した。そこには全世界に震度5以上の地震が同時に起こったと書かれていた。震源は太平洋の中心だった。海の真ん中で、陸の地下じゃなく、しかも結構遠かったから最大の震度がおそったわけではないと安心した。すべて倒壊したわけではないのなら復興は思ったよりも楽だろう。昔の大地震の対策で建築の耐震基準値が異常に高くしたことが功を奏したのだろう。ただ、海外は日本よりも被害が大きいらしい。僕は友達にライソを送った。死ぬほどの恐怖が去ったことをSNSで確認し終わったからスマホから目を上げ、なんとなく遠くをぼんやりと眺めようとした.........
––––––私は
––––––俺はなんとなく遠くをぼんやりと眺めようとした。
そして俺は「それ」を見つけた。
「それ」は俺の人生で初めて見るものだった。
「それ」はなんでものっているあのSNSでも見たことがなかった、歴史でも科学でも地理でもどの授業でも習ったことはなかった。
水平線の上から海がもう一層できてきているように見えた。
はじめ見つけた時、「それ」は遠くだからとても薄かった。遠くの水平線の海の色が普通の青から黒みがかってきたと思った。
一回瞬きするとそれはこちらに向かって進んできているのだとわかった。そして「それ」は海面から上がってきていた。
次瞬きしたら、「それ」は完璧に海面と差ができて、層になっていた。普通の海の青の上に
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俺はこの報道を見てホッとし、富士山から下を見下ろした。俺の手からスマホが滑り落ちた。俺はこの瞬間、言葉の発し方を忘れた。膝から崩れ落ちた。自然の脅威に恐怖した。自然の雄大さに感動を覚えた。家族に、友達に、知り合いに、日本中のみんなに知らせようとスマホを急いで拾った。伝えようと急いで打ち込んだ。急に冷静になった。そして、気づいた。それはどんどん大きくなり富士山の上から見ても「かべ」が迫っているように見えた。ゆうに100mはあるそれを見て、俺は体の力が全て抜けたことを感じた。これから起きることが想像出来てしまう。みんなに知らせたとして一体どこに逃げろというのか。一体どこに逃げ場所があるというのか。俺にできることはない。ただカメラを開き、録画ボタンを押し、それを最後まで見届けることしか、俺にできることはなかった。100m以上ある「かべ」が海岸にせまってきた。—TV「ただいま緊急でまわしております。皆さん一刻も早くお逃げください。災害が!日本史上最大のいや、世界最大の大災害、大津波が日本列島に襲いかかってきます。」— 海岸に「かべ」がたどり着いた。海岸などなかった。海岸にある堤防に「かべ」がたどり着いた。堤防が消えた、まるで初めからなかったかのように。海岸沿いの道路に達した。道路は「かべ」に呑まれ、ここからはもう、「かべ」の下は見えない。道路も消えた。—TV「みなさん。ヘリでも車でも飛行機でもなんでも良いからどうか日本から逃げて!」— その5秒後、「かべ」は東海道新幹線の新富士駅を飲み込んだ。東海道新幹線が走っている、、彼らは海岸を沿って走っている。いくらスピードを出そうが、逃れることは叶わない。東海道新幹線が走っている。こんなに遠いのにとても早いと感じる速度で走っている。普通ならありえない速度だ。、、、それでも、新幹線はレールが引かれてある。逃れることは出来ない。俺は目をつぶった。一瞬だけ固くつぶった。すぐに目を開けて、全てをこの目に焼き付ける覚悟を新たにし、探すと、そこには「かべ」があった。「かべ」が全てを飲み込みながら内陸へと進んできている。波から逃れようとしていた東海道新幹線は、その線路ごとまるで元より存在してないかのように一瞬のうちに消えていた。もう一度見回すと、「かべ」は富士山から1番近いここから15km程離れたイオンモールを飲み込む瞬間だった。