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永遠の力を持つ救世主の誕生 1


 前世の時、小さい頃は親が中流階級に属していたが戦争によって厳しい生活を強いられていた、だが、中年になってくると経済的に豊かになり比較的裕福な生活を送った。小さい時に大きな戦争があり苦しい思いもしたが、小・中・高の学生時代を無事に過ごし20年のサラリーマン時代をへて受け継いだ親の土地を有効活用して一財産を築いた、65歳になると若い時に働き過ぎたのが祟ってか体が一気に衰えもう長くないと感じ40歳の時に引き取った今では成人し立派に育った姉弟の子供たちに土地と半分以上の財産を引き渡した後に6年間の隠居生活を迎えて老衰で死んだ。死ぬ瞬間に後悔したことと言えば孫を見れなかったことだろうか。死ぬ前に見た、体の自由が利かずに寝たきりの時、細胞が徐々に死んでいくのを感じ。そして最後の力を振り絞っり小さく瞼を開いた時に黄金の光を見てまるで自分が光に包まれるかのような感覚が我が身を襲った瞬間に肉体ののあらゆる臓器、器官が停止するのを感じたのだった。


 ーー前世に思い残した事が無いにもかかわらず今の自分は、今世ではどうだ?ーー


 木の幹の太さが1mもあり樹高が数十mもありそうな大樹からのびる太い枝にできた、2m程に縦に伸び一人の成人男性がすっぽり入りそうな桃色をした巨大な木の実が落ちる、地面に「ぐちゃ」という水っぽい音と共に桃色の実の衝突面が砕けると実は溶ける氷のようにどんどん崩れていき、あらゆるところから桃の果汁のような香ばしい匂いの果汁が流れる。そのままで終わると思われたが実が溶けていくと共にその中から透明なピンク色の薄い膜が現れていき、膜の中には人間の体をした何かが存在していた。その存在は桃の果汁のような羊水が詰まった膜の中でぱっと目覚めると膜を破こうと、元々体育座りで体を丸めていた姿勢から手足を思い切り伸ばして膜を破こうとする。膜を破く行為は一見困難にも見えたが伸ばした両手の爪が意外と鋭かったのか膜に穴を開け、破きそこから脱出することに成功した。そして余りもの果汁がまき散らされた影響か地面の土に果汁が吸収されつくされず小さな水面が出来ていた。


 人間の男の姿をした者はその小さな水面から反射される自分を見て唖然とした。


 ”前世”の時に空想の生き物でしかなかった”エルフ”のような長い耳を持ち、自分が桃太郎の如く桃に類している果物のような物から生れ出たことに恐怖した。


 --俺はアレから生まれ、創作でしか見たことが無かったエルフになっている.....しかも性別は前世と同じ男だ.....ーー


 小さな水面の前で暫く驚き思考が停止している男エルフは咄嗟にひどい空腹感を覚える。そして見た先には自分が抜け出した巨大な木の実の残骸だった。そして余りの空腹のせいか本能なのかわからないが男エルフは”それ”に手を伸ばし、食してしまったのだった。


 世界に”救世主”が誕生した瞬間だった。


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