第二話 冒険者になる:前編
Gがほんの一瞬出てくるのでお気をつけを。
15歳で解放されるのはステータスの他にもう一個ある。
それは
「ここか、冒険者ギルドは」
そう冒険者である。
冒険者とは主に魔物や薬草集めなどをする職業でG〜EXランクまである。
といっても才あるものでも40年かかってDランクとからしいけど。
ちなみに剣の色で判断される。
茶色はG、EXは本物のオリハルコンでできた短刀という具合だ。
ちなみに貴族はそれらとは別に虹色の剣を持っている。
上には上がいるもので、。英雄レスベルト=インドロは23歳でEXらしい
それは1000年に一度とかいう奇跡とかなので比較対象にならないが、これでも毎日母さんに真似をして特訓をしていただけあって少しは自信はある。
夢を見たっていいだろう。
当面はレスベルトの達成した10日でEランクが目標だな。
「なんだ、この香りは?」
少し高級そうな見た目をしている冒険者ギルドに入るとフルーティーなお酒の香りが漂っていた。
普通はむさくりかえるような酒の匂いが漂っているのが定石じゃないのか…
「シャンパン?」
ここに漂うお酒の匂いはそれだった。
シャンパンとはレーベル帝国で最近発明されたお酒で、金貨100枚とかするものだったはずだ。
とにかく冒険者ギルドにおいそれと置けるものではない。
それも、その匂いが充満している。
不思議に思いながらも冒険者登録をしに受付に向かった。
1番の受付や2番の受付を通り過ぎる。
今日行くのは母さんに指定された5番の受付なのだ。
母さんには…
「結構な美人さんだから色目を使わないようにね!」とか、
「変人さんだから」
一体どんな人なのだろう?
というより何心配してんだ母さん。
「ここか?」
5番の受付は隅にあり見つけるのには苦労した。
確かに美人とは言い難いが、微妙な美人の受付嬢がいる。
そこではなくって…
「汚ない」
カウンターの上には蜘蛛の巣が張っており、窓はくすみ、地面には何やらカサカサと這い回っている。
受付嬢自信も顔が汚れている。
もう帰ろうかな?
でも…
「なんで帰ってきたの!くすぐり地獄よ!ニコッ」
言われるしやれるな。絶対嫌だ。
今日俺は、母さんが書いた推薦状を持ってきている。
母さんは字を書くのが苦手だ。
なんでも昔、剣ダコがあたって痛かったらしい。
それ以来トラウマだとか。
そんな母さんが書いたのだ。
殺されるに決まってる。
俺がその受付嬢に足を向けると、たじろいていたのが災いして先客が来てしまった。
高そうな鎧を着込んだ20歳後半ぐらいの男だ。
首から下げている剣を見る限り、Dランクらしい。
(あの歳であれか…強いみたいだな)
それに貴族である印の虹色の剣を首から下げている。
関わらないほうがよさそうだ。
そう思い近くの椅子に座りながら待つ。
「一緒にシャンパンはどうですか?美味しいですよ」
「いっいえ、仕事中ですので…」
「じゃあ、仕事の後は?」
「すっすみません無理です。」
10mそこらの距離なので丸聞こえだ。
シャンパンの犯人はお前か!
どうやら彼は、彼女を口説こうとしているらしい。
しかし、物好きな奴もいたもんだ。
「ねぇ、ストさん、いつもそれじゃん。僕のこと嫌いってこと?」
「いっいえ、そんなことは…。」
「じゃあ、来てくれてもいいよね?まさか今貴族の僕に嘘ついた?」
「っ!いっいえ…」
全言撤回、脅しでした。
あれでは彼女が可愛いそうなので助けたいがどうしたものか?
やっぱり見捨てるか?
そうえば!
俺はズンズンと受付嬢、ストさんに近寄る。
「すみません、冒険者登録お願いできますか?」
「なっなんだお前!俺が今話しているだろ!」
「あれどうしましたか?お願いしてるんですけど…」
俺は無視してストさんに話しかける。
貴族の男の顔が真っ赤になる。
狙い通りだ。
このまま、暴力を振ってくれると100点満点んなんだがっ
「オマエ!」
男が右フックを放ってきた。
よしお前100点満点だ。
だけど、俺のステータスオール『ー』だし、死んじゃわないかな。
一応はDランクなわけだし。
って遅!
俺が冒険者にもなってないからって、手加減してるのか!
俺は容易く相手をひっくり返す。
「俺は貴族なんだぞ!」
「貴族がなんだ、お前。冒険者ギルドに規則があっただろう。」
「そんっ」
「1!暴力を振るわれた場合自己防衛してもよし」
「2!ただし殺すな!」
「3!依頼受注の列の順番は守ること!」
「4!これには、貴族も庶民も関係なしに当てはまりギルドランクが1下がる。」
「僕はしっかり並んでたぞ!お前こそ3に当てはまるじゃないか!」
それがだ。
「お前、ちゃんと聞いてたか?3は言い換えると…『依頼受注以外だったら抜かしていい』ってことだ。証人もいるしな。」
「そんな…」
「というわけだ。ちょっと待ってろ。」
俺が背を向けると、貴族の男は逃げ出した。
毎度アリー
楽しんでくれたら嬉しいです。