プロローグ2
立ち去った彼を後ろめにみながら神殿へ向かう。
ってかエドってあんなやつだったけ?
なんかもうちょっとビクビクしていたような…
まぁあたりステータスでも当たったんだろう。
そこらへんに検討をつける。
「兄ちゃん、お兄ちゃん!」
「ん?」
「ん?じゃないわ!ついたよー。」
そんなことを考えていたらもう神殿に着いたらしい。
ちなみに今日は家族全員で来ている。
別に一人でも大丈夫なんだけどなぁ。
特にアイカには来て欲しくなかった。
何しでかすかわからないし。
神殿の中は外と同じくどこか貧相さを感じる豪華さだ。
シャンデリアやステンドガラスはない。
だけど、光の魔道具で華やかに照らされている女神ロゼリエ様の像はある。
その上、大理石ときた。
前の子、ん?あれは近所で見る女の子…のステータスが発現し、いよいよ俺の番となった。
神殿長の100字歴書文が読み上げられる。
これはきっちり100文字で描かれている古文書なのだが、レプリカでも魔力を持つ。
通常はレプリカでも、贋作認証スキルを持っていないと魔力は持たないのだが。
不思議だ。
神殿長がこちらをみている。
振り返ると家族もこちらをみている。
言葉が終わったのか?
再び前を向くと神殿長がどうだ?といわんばかりにこちらをみてくる。
齢103と噂されるお顔なのであまり好き好んで見たくはないのだが…
それよりも、なぜステータスが発現しない?
普通はパッと出るようなものなのだが。
聞いてみる。
「あの神殿長ステータスが出ないのですが…」
「!?」
神殿内が静まり返る。
後列までもだ。
へ?なんかまずかったか?
「どういううことじゃ…、とっとりあえずもう一度行ってみよう。」
神殿長は早口でまくり立てるともう一度100字歴書文を読み上げ始めた。
後列からの視線が痛い。
『ピコン』
おっ、次は発現したようだ。
「・・・・・・」
「出ました。ありがとうございます。」
「そうか、よかったの〜。」
神殿長が額を拭う。
家族と帰路につく最中。
俺の頭は自分のステータスのことでいっぱいだった。
「あんなステータス見たことない。」
小声で呟いたのが聞こえたのかお母さんがこっちを見てくる。
「アレク?どうしたの?」
「なんでもない」
「そう。」
だってこんなステータス言えるわけないじゃん。
《ステータス》
名前:エイス
年齢:15歳(男)
体力:ー
魔力ー
攻撃力:ー
器用さ:ー
運:ー
称号:神の不良品
なんじゃこりゃーーーーーーーーーーー!
楽しんでいただけたら幸いです。
明日、第1章!