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プロローグ1

「朝だよー!起きてお兄ちゃん!」


「ん?もう朝か?」


窓の外を見ると真っ暗だ。

急いで着替えて朝の日課を始める…前に、体に押しかかる華奢な体重を押しのけてベッドに座る。

まずは説教だ!


「へへへへへ…」


なんとか活路を見出そうと前で笑っているのは妹のアイカだ。

ピンクの髪に、つぶらな瞳と我が妹ながらいい容姿をしていると思うが、性格がダメなのだ。

そう猪突猛進の4文字塾語がぴったりなのだ。しかも…


「ッチ!話が元に戻っちまった。」


捻くれ者でもある。


それよりも、今こいつ舌打ちしたよな?したよな?いや、絶対した。

僕の顔色を見て悟ったのだろう焦り始めるアイカ。


もう遅い。

僕は妹の顔に鉄拳をお見舞いした。


「アアアァァァァァァァー!」


朝っぱらといっても夜中なのだが、ひと騒動起こした僕は朝の日課の腕立て伏せ5万回をやるために近所の森に来た。

この森には魔物がいるのだが、もう大丈夫だろう。


シャツを脱ぎ上半身裸になる。

こっちの方がやりやすい。


「ふん、ふん、ふん」

そして、1秒間に20回約計42分を終わらせる。


「ふぅ、やっぱり朝は気持ちいいな。」

まだあたりは真っ暗だ。

常時気配を探っているが、


「いるのはうさぎだけか。」


流石に無益に殺傷をする程冷たい男ではない。


パンッ


頰を叩いて気合いを入れる。

よし!あとは腹筋と背筋とスクワット5万回やって1セット終了だ!


えっ? 何セットやるかって?もちろん3セット


気づけば暗かった空には太陽が高々と上がっていた。


8年後


俺は、15歳になっていた。

身長も結構伸びて容姿も…。ニヒニヒ


「鼻の下伸びてるよお兄ちゃん。」


おっと危ない。


そう言っているのは次男のカイトだ。


「いやアウトだよお兄ちゃん…」

俺とは反対にダンディーな顔をしている。


「何か言ったか?」

「なんでもない…」

そうか、なんでもないのか…


ちなみにアイカは…


「お兄ちゃーん!」


変わっていない。

今も俺に抱きいて押し倒してきた。

13歳になり、すっかり見た目も女の子から少女に変わったのだがいかんせんこの性格が邪魔している。

「「はぁ〜」」


ん?

どうやらカイトにもそう思われているらしい。

アイカ、カイトは5歳だぞ。


当の本人は気にせず俺の上にのかっているのだが。

どんなブラコンだ!


呆れて外を見ると、太陽はとっくのとうに上がっていて、気持ちの良い朝だ。

アイカのことなんかすっかり忘れて景色に浸る。

実は、毎日トレーニングは強化して続けているのだが、今日はお休みだ。


なので久々にゆっくりできる。


外に出た。

今日はお母さんとお父さんも一緒だ。



さて日課を休んでまで、やることを説明しよう。


まず、この世界では強さが全てだ。

その強さというのを単純に比べるのが《ステータス》だ。


《ステータス》は、体力、魔力、力、器用さ、運の五つと、レベルのことを指していて、

基本レベルが高くなると、5つも高くなる。


《ステータス》の入手方法だが、

この世界では、15歳になるとステータスが信託として下る。

なので神殿に行って神託を待つそれだけだ。


ただ、初期値は個人個人で、弱いと奴隷として売られたりする。

反対に高いと王宮へ行ったりもする。

高いやつが見つかるように基本ステータスは国が把握している。


話が逸れたが、俺も15歳なので神殿に行ってご神託が下るのを待つというわけだ。


ちなみに奴隷はこの世界では一般的でうちにも一人いる。

本で読んだが、街には奴隷商がたくさんいるみたいだ。

いつか見てみたい。


《ステータス》低くて売られる側だったらやだなぁ。


とはいえ…


「うちの息子のご神託♪」


「幸せ、幸せ♪」


この親バカのことだからそんなことにはならないだろう。


堂々とそびえ立つ神殿ではなく、ここにあるのは小さい神殿。

支部は支部ってことだな。


その神殿の周りには沢山の同年代の子がいる。

喜んでいるものもいれば、暗い顔をしているものもいる。


そんな風に周りを見回していた時のこと。


ドスン

「おい、そこに突っ立てるんじゃねぇ」


今しがた神殿から出てきた男とぶつかった。

この男の名前はエド。

巷で有名な悪ガキだ。


「すまん、お前がいるのに気づいてなかった。」


怯えないけどな!


「っ!?なんだとテ…」


そこでエドは周りから向けられている冷ややかな目線に気づいた。

流石に部が悪いと思ったらしく、


「あとで、覚えておけよ」


そう言って立ち去った。








長らくお付き合いいただけると嬉しいです。

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