番外編 「胸は、あっても無くてもロマンの塊。」
今回は番外編という事で、直接ストーリーには全く関係ないので、某人気少年誌の銀髪の人が主人公の漫画のパチモンを見るような感じで見てもらえれば幸いです。
『やーす、まさっ!映画デートしよ!』
仕事のノルマを達成し、だらだらと惰眠を貪っていた俺を叩き起こしたのは、理沙からの一本の電話だった。
日曜の真昼間に電話してきて、あいつは暇なのか?それとも、かまちょさんなのだろうか。
『映画?何だよ突然。』
『泰正!久しぶりに映画なんてどうかな?イラストの勉強にもなるかもよ。』
イラストの勉強になるかならないかは別として、映画なんて、ここ一年ほど行ってないな。DVD借りて来て、可憐と一緒に観たりするが。
[この兄妹の趣味は結構あう。]
『で、ジャンルは?アニメ系か?それとも、恋愛?もしかして、ホラーか?』
『ポルノ映画!』
プツッー
理沙が話し終えると直ぐ、俺の親指は通話終了ボタンを押していた。条件反射と言うものだろうか。
ってか、ポルノ映画って今もやってるのか?てっきり都市伝説かと思っていた。
と、そんな事を考えていると、右手のスマホが振動する。無論、理沙からの着信だった。
『はい、もしもし。天宮時です。』
『あっ、泰正っ!ちょっと〜、いきなり切らないでよ〜。』
『あっ、僕、貴女みたいな人と面識無いんで、そう言う詐欺しても無駄ですよ?では、貴女が自首なさる事を願っています。』
プツッー
俺は再び通話終了ボタン押す。
すると、理沙からのまたまた着信がくる。
『うぐっ、意地悪しないでよぉ…っ!』
おっと、しまった。泣かせてしまったか。
だが、これは理沙の自業自得。悪いのは理沙であって、俺では無い。
と、無慈悲な事を言っているように見えるが、俺も心の奥底では、ほんのすこし悪いと思っていなくも無い。今度なんか奢ってやろう。
『分かったよ。映画、行くんだろ?付き合ってやるよ。』
『えっ?やったー!じゃ、一時に現地集合で!』
◇
てな訳で、俺が来るは最寄りの映画館。
久しぶりで、ワクワクする気持ちを抑えつつ、集合時刻まで30分程あるので、ソーシャルゲームで時間を潰し、理沙を待つことにした。
ー30分後
「泰正!ごめん、まった?」
理沙は一時ぴったりに待ち合わせ場所に到着した。昔から、そういう所はしっかりしている。
「おう。結構待った。」
「えぇ…、そこは今来たところって、言うところじゃ無い?」
「30分待ったのは事実だし、そして、それはデートの時のテンプレ台詞だろ?」
「えぇ!デートでしょ!いや、デートなの!デートしかないでしょ!」
デートね…、まぁ、普通に考えたらこんな巨乳美女とデート出来るなんて、願っても無いというか、最高なのだが、理沙は幼馴染で小中高大とずーっと、一緒だったので、遊びなれたと言うか何というか…。もし、理沙と二人で遊びに行ったのがすべてデートになるんだったら、俺は何百回デートしているのだろうか。
「デートなら、手でも繋ぐか?昔みたいに。なーんて、冗談だけど。」
と、茶化すように言う。勿論、本気では無い。第一、人前で手を繋ぐなんて、カップルだとか、誤解され兼ねないからな。
「うん。手、繋ぐ。」
理沙は、頬を桃色に染め、俺から目線を外しながら言う。
「え、えっと…、理沙さん?冗談だったんですけど…。」
「私と手を繋ぐのは嫌?」
「まぁ、いいけどさ。お前、直ぐ逸れるし。」
さっきは、恥ずかしいだの、何だのって思ってたが、いざ手を繋いでみると、俺は親のような心境になっていた。これが、無の境地。賢者タイムという奴なのだろうか。
「ええ…、いつの頃の話し?まぁ、いいや。取り敢えず、中入ろうよ!」
◇
「おぉ、久し振りに来たけど、全然変わってねぇな〜。」
「だね、1年そこらじゃそう変わらないよね〜。あっ、でもさ、新しいバイトさんが超かわいいって友達が……。」
そこまで言いかけた所で、理沙の顔が濁る…、と言うか、ゲッみたいな顔になる。
ゲッと言う顔がどう言う顔かと言うと、彼氏と映画館デートしに来たら、自分と仲が悪い妹さんがいたー、みたいな顔…、だろうか。
中々分かりやすい例えだと自負するが、どうだろうか。
てな事を考えながら、理沙の視線の先を見ると、俺も理沙同じような顔になった。
何故なのかと言うと、俺達の視線の先には、俺の妹である、可憐がいたからである。
「り、理沙。引き返そう。映画館は他にもある。」
「嫌だよ。あんな貧乳怖くて、泰正の彼女が務まるわけ無いし、折角の映画デートも邪魔されたく無い。第一、あんな貧乳のせいでデートプランが崩壊とか気に食わない。」
えぇ…、この人、完全に私怨入っちゃってるんですけど?今絶対、俺本人よりデートプランの方が優先順位上だよね!?それに……。
「俺はお前の彼氏ではねぇだろうよ。」
「いいの!似たようなもんなんだから。取り敢えず、行くよ!」
俺は腕を組まれ、可憐の元に強制連行される。
胸がガッツリ当たっているが、そんな事を考える暇も無く、俺の元へは修羅場が訪れる。
「貧乳店員さぁ〜ん。ポップコーンと、カップル専用らぶらぶあまあまイチゴミルクくださ〜い!」
「メスブタと…、おにぃ!?どうして?」
可憐は驚愕の眼差しでこちらを見る。
俺と可憐が出掛けるのがそんなに珍しいか?確かに、出先で会ったのは初めてだが、何もそんなに驚く事は無いだろうに。
だが、ここは無駄に挑発すると大惨事が起こりそうだ。可憐を刺激しないようにせねば。
「えっと、面白い映画館あるからって……。」
「デートなの。だから、邪魔しないでね。」
オィィ!!なぁに、刺激してくれちゃってんのォ!?
俺が折角刺激しないような言葉選びを心掛けたのに!!あぁあ、もう知らないよ。俺。この映画館がボロボロになろうとも、俺は一切の責任を取らないよ?
「はい。承りました!」
可憐は以外にも、満遍の笑顔でそう言った。
ふぅ…、やはりバイトは大切らしい。いっときの感情に流されて暴走なんてしないって事か。
成長したな可憐。お兄ちゃん嬉しいよ。
「ミミズコーンと豚限定バリバリカサカサゴキブリミルクですっ!」
いやぁぁぁぁ!俺の褒めの言葉返して!ね!返して!てか、なんで映画館にミミズとかゴキブリとかいるの!蛇でも飼ってんの!?看板スネークですかこのヤロー!
「そんなもん食えるわけねぇだろうがコラァ!?沈めんぞワレェ!」
エェ、何処に!?てか、完全にキャラ壊れてますよ!!大丈夫ですか!?読者さん付いて来れなくないですか!?
「黙って食えや!この駄肉ババァ!」
「貧乳が負け惜しみを申しておりますがー。」
「お、おいお前らやめろ!!他の客にも迷惑だろ!?」
「おにぃ、既に客いない。」
可憐の言葉で、辺りを見渡すと、本当に人っ子ひとりいなかった。ただいるのは、ミミズとゴキブリだけだった。
「まぁ、とにかくだな。喧嘩は辞めろ。」
「えー、だってこの駄肉が喧嘩売って来たから。」
「貧乳がナイチチぶら下げて平気でそこに存在してるから。」
いや、理沙さんそれは流石に酷くないかい。
「お前ら!さっきから胸の話題ばっかじゃないか!他に貶すところもないんだろう!」
「だって、おっぱい大事じゃん!」
「貧乳の言うとうり!泰正は私のおっきなおっぱいとトレッシングペーパーみたいな胸!どっちがいいの?」
人生に一度あるか無いかの究極の決断。
俺は今、そんな決断を迫られていた。
貧乳か巨乳ッ!!俺はどちらを愛せば良いのだ!!
俺は…、俺は…。
俺は一歩前進する。二人に一歩近づく。
一歩近づき、可憐と理沙の胸を鷲掴みにし言う。
「可憐の胸は、膨らみかけで、今のままでもいいが、今後に期待が持て、楽しみがある。逆に理沙は胸は成熟仕切っている。いわば、食べ頃の果実って奴だ。まぁ、何が言いたいかと言うと、おっぱいには夢と希望が詰まっている!!だから、大きいだの小さいだので、おっぱいの価値を決めてんじゃねぇぇぇ!!」
「「おめぇは、変な夢見てんじゃねぇぇぇ!!」」
二人の右ストレートが俺の両頬を直撃する。
その瞬間、俺の背中に激痛が走る。
何故、頬を殴られたのに背中に痛みがくるのかと言うと、俺がただ単に、ベットから落ちたからだった。途中から気づいた人が大半だと思うが、これは夢だったからである。
「あぁあ…、酷い夢だったな。なんだよ…、おっぱいの価値って……。」
プルルルー
俺が床に寝そべっていると、俺の携帯の着信音がなった。
立ち上がって確認すると、理沙の電話だった。
『もしもし。理沙?何の用だ?』
『やーす、まさっ!映画デートしよ!』
プツッー
この度は、ジャン○の○知先生原作の○玉をパクる様な小説を遊び半分で書いてしまい申し訳ありませんでした。つきましては、謝罪としてこれから、○ンター×ハ○ターの○樫先生を見習い、しっかりと毎週書いていきたいと思います。