喋る猫とスパイシーマンの話
珍しく短編(*´∀`*)
寂れた街だ。人口5000万人の街だかなんだか知らないが、高層ビルばかりが並んでいて、ビルの中にはたくさんの人がいるみたいだ。しかし、外には誰もいない。外国人の私から見ればただの寂れた街だ。
2022年にアメリカとメキシコが合併し、そのことが原因で大きな紛争が起きた。
名前をアメシコにするかメキリカにするかの争いだった。そんな些細なことでも争いが起こるのだ。
結局、アメリコになった。つまり、この戦いは無意味だったのだ。戦死者もたくさん出た。言っちゃあ悪いが無駄死にだったわけだ。
さてと、こんな過去の話なんかしてないで、今の話!
私は今、インドに来ている! そして私は今、猛烈に感動している! なんと、インドにも猫がいたのだ! かわいい! 抱っこしたい!
「よちよち、いい子でちゅよ〜」
なぜか赤ちゃん言葉になってしまう。
恥ずかしいよー! 抱っこ! ぎゅ!!
猫が鳴いた。
「にゃーにゃーにゃー! (人間風情がこの私に何をするか!)」
鳴き声もかわいいー! ぎゅー!
「にゃーぁ! にゃあ! (こんなことをしてただで済むと思うなよ虫ケラがぁ! くらえ!)」バリッ!
ぎゃー! 引っ掻かれた! 私の美しい顔になんてことをするんだ 私は思わず叫んだ。
「このクソ猫がー!」
「クソ猫だと? 人間風情が、笑わせるな! (にゃ! にゃにゃ! にゃー!)」
え? こいつ今⋯⋯
「あっ、間違えた」
また喋った! なんで!
なんで日本語喋れるんだこいつ!
「なんでインドの猫が日本語喋るの!」
「にゃ、にゃ〜」
むかっ! 腹立つ! こいつ猫のフリしてるよ!
「おい! 猫のフリしても無駄だぞ! 殴るぞ?」
「猫のフリって、猫なんですけど」
やっぱり喋るやん! しかも日本語!
「お前なんで日本語喋れるんだよ」
「にゃー」
まあいいや。
はぁ、さっき引っ掻かれたところが腫れてきちゃったよ。
いつの間にか目の前にサングラスの男が立っていた。インド人には見えないが⋯⋯。
「探したぞ。お前が伝説の「カレーマスター」スパイシー松田だな。我々と来い、永遠の命を与えてやる。」
スパイシー松田? なんだそれ、ていうか伝説のカレーマスターって日本人なのか。確かにそうだな。日本のカレーのチェーン店の店舗数がギネスに載ってるぐらいだもんな。って! 私はスパイシーでも松田でもない!
「来ないのか? スパイダーマン」
スパイダーマン! スパイシー松田じゃないのか?
「今、ここで返事をしろ。スパイシーマン」
こいつ、挑発してるな! なんだよスパイシーマンって! 辛い男か! 読み方間違えると寅さんみたいになるやん!
こいつらはなんで私をスパイシーマンだと思ってるんだろう。もしかしたら私はスパイシーマンなのか? 知らないうちにカレーマスターになってたのか?
「なぜ返事をしない! スパイダーマン!」
スパイダーマンに戻るのかよ!
「私はカレーマスターなんかじゃない!」
ヤツは驚いていた。
「おかしいな。俺の情報だと、左目に4本の傷を持っている銀髪なんだが⋯⋯。」
「これは、今しがた猫に引っ掻かれた傷なんです! それと、私銀髪じゃないですよ! 見れば分かるでしょ!」
「ぐはぁ!」バタッ
男はあまりの恥ずかしさに死んでしまった。
「にゃー、にゃにゃ! (やはり人間は脆すぎる!)」
そうだ、元はといえばこの猫のせいで顔を怪我して、変な人に絡まれて。
もういい! 帰る!
ーーーーー飛行機の中ーーーーー
「私何のためにインド行ったんだ!」
感想待ってますヽ(*´∀`)ノ