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RAY ANGEL SPACE REMIX  作者: 迫田啓伸
53/71

5-1

 コネクターとヘイルはレーダーを覗き込んでいた。

「敵の数が多くなってきてるな」

 レーダーに映るエデンは小惑星群に入っていった。

 それから、宇宙生物の包囲が厳しくなったのだ。

 コネクターはレーダーに人差し指を向けた。

「レイ・エンジェルがエデンから出ました。この赤と白の点滅している丸がそうです」

 ヘイルは息をするのも忘れ、レーダーを食い入るように覗き込み、うなずいた。

 レーダーには敵を示す赤丸が増えていき、エデンの周囲の青い空間を広く占めていった。

「何かあったら言ってください。私からセリナに連絡します」

「あぁ」

 コネクターの話を聞いていなかったのか、どこか上の空の返事だった。

 ヘイルは瞬きもせず、レーダー内のレイAを見つめていた。

 レイAは敵を次々と倒しているようだった。

 その根拠として、赤丸が次から次へと消えていく。

「僕が、乗れたらなぁ」

 イラだち、声が震えていた。

「代わって、やれるのに……」

「セリナより弱くても、ですか?」

 レーダーから目を離し、コネクターを上目使いで見上げた。

「確かにそうかもしれないが、でも、僕は少しでもいいから、力になりたい。あの子、一人でいるのが苦手だから。一人で戦っているんじゃないってこと、わかってほしいんだ」

「愛しているのですね、セリナのこと」

「ま、まぁ」

 ヘイルは愛想笑いを見せ、再びレーダーに顔を近づけた。それを見ていたコネクターも微笑んだ。

「で、でも、これじゃよくわからないな」

 コネクターはレーダーの下部にある金属部分に手を触れた。

 レーダーから放射状に光が放たれた。

 部屋の中の一本の柱の前に光が集まり、もうひとつの壁を作った。

「エデンの外装に組み込まれたカメラで撮影しています。めったに使わないのですけど」

 コネクターが指を鳴らすと、照明が一気に落ちた。

 新たにできた壁には、戦っているレイAの姿が鮮明に映し出された。

 グロテスクな宇宙生物に囲まれた赤い体のロボットが見えた。

 翼があり、赤を基調とした鎧を連想させる造型の装甲に、細身の体。それが宇宙空間を機敏に動き回り、槍か杖かわからない武器で、レイAよりも大きな宇宙生物を次々と倒していく。

「あ、また一匹!」

 レイAは常に多くの敵に囲まれていたが、まったく動じることなく対処していた。その動きは華麗で、翼を羽ばたかせるごとに強い光の粒子がふりまかれ、レイAの優美さを演出しているように思えた。


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