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一話

 短いし、つまらないかもしれません。

 それでも読んでいただけるよう頑張っていきます。

<1日目>


 晴れて専門学校を卒業し戦闘員たる資格を得た。

 悪の組織的には戦闘員という立場は三流。

 とはいえ就職難のこの時代、手に職を得られたと思えば悪くはない。

 なにより結果さえ出せば出世できる社会。

 これからの頑張り次第だろう。

 さてまずは就職活動だ。


<2日目>


 就職活動は予想以上に厳しい。

 戦闘員は売り手市場とはいえ、大手はどこも人気がある。

 死霊秘宝団、屍食教典、ナコト連隊など有名どころは脅威の倍率だ。

 エントリーシートと履歴書は一応送ったが、高学歴に勝つには自己PRが微妙かもしれん。

 もっともいまさら気にしても仕方ないがな。

 ひとまず大手はあきらめて中堅どころに的をしぼることにする。

 大手が終われば次は中堅に人がなだれ込んでくることは想像に難くない。

 その前に情報を得て一歩リードせねばならん。

 やっぱり零細だといろいろ福祉の点で問題があるからなんとか中堅で内定をもらいたいところだ。

 まずはホームページを参考に志望動機を練るとするかな。

 今夜は、徹夜か。


<5日目>


 当然というべきか記念としてエントリーした大手はすべて落ちた。

 奇跡的にナコト連隊はエントリーシートと筆記試験を通過し、一次面接まで進んだのだがそこでお祈りメール(不採用通知)がとどいた。

 まぁ不満はない。

 自分の言いたいことは言えたし、低学歴な俺にもしっかりと対応してくれた。

 落ちてしまったのは残念だが丁寧な不採用通知の文章と迅速な連絡は好感を抱いたほどだ。

 一次試験である集団面接でどういうやつらが受けているのかわかったし、とてもじゃないが適うとは思えなかったから納得の結果といえるだろう。

 学生時代にインターンシップで正義の組織と戦ってた奴や、ボランティアで海外活動していた奴、はてはサークルの会長をやってて、みんなと協力して住民を不安に陥れた奴までいたからな。

 ただ座学を必死こいてやってた俺じゃ話にならなかったんだろう。

 やっぱ一流どころは違う。


<12日目>


 メールを確認しガッツポーズ。

 なんとか最終面接まで駒を進めることができた。

 無名祭祀という最近伸びてきた悪の組織だ。

 社員数200名と数だけで言えば1000を超える大手に比べるまでもないがこの組織は大手同様、独自の怪人を製作できる企画力をもっている。

 大体の中堅どころは業者から購入しているが生産一括方式とでもいうのか自社で製造から戦闘までこなすことができ、それにより独自の作戦をより柔軟に展開できるようになっているのだ。

 業者から買う怪人ももちろん能力的には問題ないのだがどうしても画一的な作戦になりがちだからな……。

 その点自社で生産できる無名祭祀なら個性的な作戦がとれるんだ。

 この組織を有名にした『蛙大作戦』は今でも語り草になっているくらいだからな。

 試験も他の組織に比べると少し変わっていた。

 普通は人事部から面接官が用意されているのだがここは幹部、隊長という具合に現場に近い人が面接していた。

 なんでも自分達の下につく以上自分たちの目で確かめたいとのこと。

 最終面接は首領だが、あの人たちを束ねるなんてどういう人なんだろうな。


<30日目>


 俺の手には一枚の紙が握られている。


 『内定通知書』


 嬉しさを静かに噛みしめる。

 組織名は当たり前というべきか、奇跡というべきか無名祭祀。

 自分の行きたい組織に行けるのだ。

 久方ぶりの達成感に打ち震える。

 これで俺も一人前の社会人。

 草葉の陰で母ちゃんたちも喜んでいてくれるはず。

 そう思うといてもたってもいられず、唯一の肉親である姉に連絡することにした。

 嬉しそうだが声が微妙にひきつっていたのは気のせいだろうか。

 

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