混乱と陰謀と……③
王女アンリの言葉に、俺は本日何度目になるか分からない衝撃に襲われてしまう。
(お、俺が魔獣事件の首謀者ぁっ!? し、しかも冤罪を着せてでも投獄って……な、なんだそれっ!?)
ただでさえ今の状況に困惑している俺の頭を、その情報はさらに掻き回していく。
おかげで何も言えなくなった俺の代わりに、アイダが憤慨した様子で叫び出した。
「な、何でっ!? どーして魔獣を倒してるレイドがそんな……め、めちゃくちゃだよぉっ!?」
「そ、そうだともっ!? ここの町長とかから報告は上がってるはずだぞっ!? それに冒険者ギルドや白馬新聞からだってレイドがどれだけこの事件の矢面に立って貢献してるか情報は行ってるはずだろっ!?」
「そ、そうですよっ!! どうしてそんな話になるんですかっ!?」
「うむ……妾もそう思う……そう主張もしたのだ……だが……」
他の面々も驚きを露わにしながら訊ね始めて、声を出せないアリシアもありありと不満そうにアンリを見つめている。
そんな彼らの言葉にアンリは同意するように呟きながらも、申し訳なさそうに俯き言葉を続ける。
「あ奴らは……特に現国王であられる我が父上は逆にこう言いだしたのだ……レイドという無名だった者がどうしてこれほどの手柄を立てられるのかと……魔獣事件に関わり過ぎている、とな」
「えっ!? だ、だってそれはたまたまあいつらが暴れてる現場に出くわしちゃっただけで……」
「その上で生き残ってるのが……いや討伐して切り抜けれたのがレイドだけってことじゃねぇかっ!!」
「全く持ってその通りだ……しかし正規兵や、それこそAランクの冒険者ですら未だに正式な討伐報告がない中でどうしてレイド殿だけが魔獣を倒すことができたのか……そしてその一件を発端にレイド殿の名前は、それこそ白馬新聞に載るほど一躍有名になった……偶然にしては余りに出来過ぎている成り上がり方だというのだ……それこそ、裏で糸を引いてでもいなければあり得ないほどだと……」
自分で語りながらも心底疲れたようにため息をつくアンリ……恐らく本人も信じていないのだろう。
尤も理屈としてはその主張自体は理解できなくもない。
(確かに何の実績も無い奴が正規兵の集団でも敵わない魔獣をたった一人で討伐したなんて……しかも今までずっとそれだけの実力がありながら全く無名でいて、そのくせ魔獣を倒すなりすぐに新聞に載って有名になるだなんて出来過ぎているって思われるのも無理はないけど……)
「い、いやレイドさんが有名になったのは特薬草の納品が始まりですよっ!! 魔獣を倒したのが始まりじゃありませんっ!!」
「そ、そうだよっ!! 白馬新聞のエメラさんだって元々は特薬草の納品について取材しに来たんだよぉっ!! 魔獣退治はその際の昇格試験で出会っちゃっただけだし……」
即座に否定してくれたフローラとアイダの言葉を肯定するように俺は頷いて見せる。
彼女らの言う通り、俺が有名になるきっかけは厳密には魔獣退治ではなく特薬草を見分けられることだった。
だからもし魔獣退治をしなかったとしても、多分白馬新聞の片隅ぐらいには載っていたはずだ。
「そのようであるな……私もエメラ殿から少しは聞いておるからそれは知っておる……だが父上を始めとした上層部の奴らは魔獣が全てのきっかけだと思い込んで居るようなのだ……さらに言えば危険な魔物や魔獣達の現れた時期すらもレイド殿が活動しだした時期と被っているとまで主張し始めておるのだよ……」
『流石にこじつけが過ぎる レイドが国を出た頃には既に未開拓地帯では危険な魔物は活動していた それこそ小さい集落を襲っても居たようだから既に報告も上がっていたはずだ』
「そ、そうだぞっ!! 冒険者ギルドでも危険な魔物が増えていることは確認済みだったっ!! それにこの国の正規兵だってレイドが来る前からそう言う危険な魔物を討伐するためにあちこち駆けずり回ってたじゃねぇかっ!!」
「サーレイ殿の言う通りだ……実際に王国の一員として妾も報告を聞いておったし、正規兵の派遣も父上の許可を得て行っておった……だからそれは間違っているとわかっているはずなのだが、むしろ同意して魔獣事件の全てはレイド殿の企てだと断言してしまったのだ……そして先ほど申した通り……レイド殿を罪人として捕縛するようにとの指令が正式に……」
「そ、そんなぁ……」
アンリの言葉を聞いたアイダが泣きそうな顔で俺を見つめてくる。
他の皆も似たようなもので、ただ一人アンリだけが疲れ切った顔に罪悪感をにじませながらこちらへ頭を下げてくる。
「本当に申し訳ないレイド殿……止めようとはしたのだが妾の力ではどうにもならなかった……それどころか、この決定に従わぬものは誰であれ国家への反逆者と見なし投獄するとも言われてしまい……実際に妾も捕まりそうになったところを、同じくレイド殿を信じている護衛兵であるあの二人に助けられて何とかこの町までたどり着くことができたのだ……代わりにあの二人は捕まってしまったがな……」
「そ、その二人ってあの時魔獣から助けた正規兵の生き残りの方ですよねっ!? そ、そんな事態になっているのですかっ!?」
「た、大変ですよそれは……あっ!? じゃ、じゃあ今頃王都ではアンリ様やレイドさんを捕まえようと役人が準備を始めてるじゃ……い、いやむしりもうこっちに向かってたりしてっ!?」
「そ、そりゃああり得るが……ま、不味いぞそりゃあっ!?」
フローラとマスターが悲鳴じみた声を上げるが、俺も内心焦りが混じり始める。
(ただでさえこの町じゃ俺が隣国で指名手配を受けているって噂が広まってる……皆俺を信じてくれてるみたいだけど、そこへこの国の首都から来た奴らが罪状を突き付けたりしたら流石にどうなるか……また居場所を失うのか……)
少しだけ不安になるが、そんな俺を心配そうに見つめるアイダとアリシアの視線に気づいて……すぐにそんな気持ちは吹き飛んだ。
(いや、そんなことでこの二人が……このギルドにいる人たちから嫌われたりしないって……大丈夫、俺を信じてくれてる皆はそんな愚かな人達じゃない……俺もそんなみんなの信頼を裏切るような真似はしてないだろ? 周りの人達も、それに自分のことも信じようって決めたじゃないかっ!! そうだ、今はそれよりも皆に迷惑をかけないためにどうするかを……そしてアンリ様をどう守るかを考えようっ!!)
改めてこの場にいる皆を安心させようと、何とか笑顔を浮かべながら口を開く。
「……とにかく誤解を解く方法を考えましょう……首都から来る人とて馬鹿ではないでしょうから、話し合いには応じてくれるかもしれませんし……最悪は直接首都に赴いて公の場で無実を主張して……」
「いや、残念じゃが今の上層部は暴走している節すらある……はっきり言って弁明など聞いてはもらえぬよ……妾とて問答無用で囚われかけたほどだからのう……はぁ……一体どうしたのだか、父上も兄上も……頭でっかちでこそあったが、だからこそ短絡的に物事を決める人間ではなかったはずなのじゃが……」
顔を上げどこか遠くを見据えながら、悲し気に呟くアンリ。
「確かになんかおかしいな……俺も直接会ったことこそないが、そんな愚かな決定を下すような人達じゃないと思うんだけどなぁ……」
「け、けど実際にアンリ様がこーして酷い目にあって逃げ出してきてるんだよっ!!」
「そ、そうですよっ!! 今はそのことよりも、レイドさんやアンリ様のところに来る追手にどう対処するか考えないとっ!!」
「済まぬな……迷惑をかける……尤も妾と違い、レイド殿の実力自体には皆警戒しておったようだから恐らく直接罪状を突き付けて捕縛などはしないと思う……それこそ力づくで何とか出来る戦力などそうそう用意できぬだろうし、まして抵抗の末に逃げられたら困るからのぉ……」
『搦め手で何かしてくるのだろうか? しかしそれならば今すぐどうにかしてくるわけではなさそうだな』
確かに実際のところ、戦闘力という意味で見れば公爵家に伝わる剣を持っている俺を人力で捕まえるのはかなり難易度が高いだろう。
まして今はアリシアも居るのだから、はっきり言って力づくでの拘束など不可能だ。
尤も人を傷つけたくはないから、ある意味で向こうが武力を警戒して穏便な策をとってくれるのならばありがたい限りだ。
(そしてアンリ様が俺たちの元へ逃げ込んだのもすぐに情報が入るだろう……そうなればやっぱり直接捕まえに来たりはしないだろう……ならこの隙にどうにかして誤解を解く方法を考えないとな……隣国からの勧告も気になるけど、こっちもまだ期日はあるからな……)
改めて公爵家から届いた書類に目を通し、返答までの期日に余裕があることを確認する。
「……ではその隙にルルク王国の誤解を解くことを考えましょう……公爵家のことも気になりますが、こちらはまだ余裕がありそうですからね……」
「そ、そうだねぇ……うぅ……だけど誤解を解くっていってもどーすればぁ……?」
「王様がレイドさんのことを疑ってるんですよねぇ……しかも娘であるアンリ様の言葉も聞かないほどその考えに固執してるって言うし……」
「俺たちの言葉なんざ聞いちゃくれねぇだろうなぁ……それこそ同じぐらい権威のある立場の人間が間に入ってくれれば話は別だろうけど……」
困ったように呟きながらマスターはチラリとギルド内を見回し、また奥にある研究室のある方を眺めた。
(錬金術師連盟と冒険者ギルドを兼任してるマキナ殿か、或いは魔術師協会でナンバー2だったマナさんが居てくれればまだ何とか……ナンバー3で仮にもファリス王国の公爵家に属するアリシアに頼むって手もあるけど……)
少しだけアリシアの方を見つめると、向こうも同じ考えに辿り着いているようで困ったような顔をしながらも軽く頷いて見せる。
『レイドが望むなら私から口をきいてみてもいい だけど多分、今は信用されないと思う』
「……そうだなぁ」
もう一度、手元にある公爵家から届いた……アリシアの名前が記されている書類を眺めてため息をつく。
(偽物が居るこの状態で公爵家の人間として名乗りを上げてもあまり信用されないだろうなぁ……まして言葉が喋れない現状だと逆に変な疑いが掛かって悪い方向に向かいかねない……他に誰か、王族と交渉できそうな人が居ればいいんだけど……)
一応マスターを見てみるが、こちらも困ったように首を横に振ってしまう。
「……悪いレイド、俺は冒険者ギルドの中でも下っ端のほうだからなぁ……一応上に掛け合ってみてもいいが無視されるか……反応が返ってくるとしてもかなり後のことになるだろうなぁ……下手したらBランクのお前さんが申請したほうが早いぐらいだ……」
「それに今の父上はレイド殿が有名になる工程自体も疑っているようだからのう……レイド殿を評価した冒険者ギルドの言葉では止まらん可能性もある……本当に、今の父上はどうかしておるから……」
苦しそうに何度も父親のことを語るアンリは、身内の暴走がよほど堪えて居るように感じられた。
「アンリ様……きっと国王様はこの国の……ひいては住民の安全を守ろうと過敏になっているだけですよ……きっとこんな誤解すぐに解けますから……」
「……済まぬなレイド殿……そなたに気を使わせてしまうとは……妾が迷惑をかけたというのに……」
「いいえ、アンリ様は悪くありませんよ……実際にアンリ様があの鎧を持ってきてくださらねば俺たちは命を落としていましたからね」
「そ、そうだよっ!! アンリ様のおかげで僕たち生きてられるんだよっ!! ありがとうアンリ様っ!!」
『本当にありがたい 感謝している』
俺たちにお礼を言われたアンリは少しだけ微笑みを取り戻すが、すぐにため息をついた。
「それは何よりじゃ……だが、その……下手をしたらそれも悪い方に……」
「えっ?」
「つまり……あの鎧は我が王国に伝わる家宝であったにもかかわらず妾が勝手に持ち出してしまったからな……一応まだバレてはおらぬ筈じゃが、もし気付かれたら間違いなくレイド殿を拘束する罪に数えてくるであろう……」
「あっ!? そ、そっかぁ……そーいえばそうだったねぇ……王国の家宝を勝手に使うのって、どれぐらいの罪になるんだろう……?」
「そりゃあまあ……多分盗み出したってことになるだろうから王宮への侵入罪とかも諸々加わって……最低でも死……」
「や、止めてくださいよ二人ともっ!?」
現実的に罪を数えだしたアイダとマスターを咎めつつも、ちょっとだけビビる俺。
(そ、そうだった……現実的に罪と数えられそうなことはしてるんだった……しかも実際に鎧を使った以上は否定も出来ない……あぁ……本当にこの誤解解けるのかなぁ?)
「だ、大丈夫ですよきっと……レイドさんは人のためにしか使ってませんから……」
『もし本当に捕まったら私が助けに行く 安心して』
「そ、それは安心だなぁ……アリシアなら素手でどんな牢獄でも壊せそうだし……あはは……はぁ……」
「まぁそのアリシアさんのこーしゃく家からも家宝持ってきちゃってるんだけどねレイドは……やっぱりそれで隣国でもしめー手配されちゃってるんじゃないの?」
「だ、だから止めてくださいアイダ……不安をあおらないでぇ……」
何やら段々本当に自分が犯罪者のように思えてきて、つい情けない声を洩らしてしまう。
(うぅ……どっちも俺はただ渡されただけなのにぃ……しかしどっちも無かったら俺だけじゃなくて他の人も死んでたからなぁ……まあ最悪罪に問われても納得はす……やっぱり理不尽だよこれ……)
一瞬受け入れそうになったが、やはりこんなことで裁かれるのは勘弁してほしい。
「あはは、ごめんごめん……だいじょーぶだってレイドが悪い人じゃないの、僕たちちゃぁんと知ってるからさ」
「そうですよっ!! レイドさんは良い人ですからきっと何とでもなりますよっ!!」
『万が一裁判になっても私たちが証言する もちろん毎日面会も行く 脱獄だってさせてみせるとも』
「うむ、恐らくその際は妾も捕まっておるだろうから共に励まし合い立派に脱獄しようではないかっ!!」
女性陣が慰めてくれるが、その中で何故か妙に俺を脱獄させることに乗り気なアリシアとアンリ。
恐らくは家宝を渡した者としての責任を感じているのかもしれない……若しくは何があっても、それこそ俺が犯罪者になってももう二度と見捨てないというアピールなのだろうか。
「それはまあいいけどな……それより結局どうするんだ?」
「……そこですよねぇ、本当に」
変な方向に盛り上がっていたところへ、マスターの呆れたような言葉が響いた。
途端に皆、正気を取り戻し自然とため息が漏れそうになる。
(肝心のこの場をどうにかする方法が何も思い浮かんでないもんなぁ……はぁ……本当にマキナ殿かマナさんが残っていてくれたらなぁ……)
顔を上げて再度未練がましくギルド内を見回そうとした、そんな俺の耳に不意にドアがノックされる音が聞こえてきた。
「「「「っ!?」」」」
反射的に皆が緊迫した様子で顔を見合わせ、慌てて俺とアンリはカウンターの影へと隠れた。
そんな俺たちをさらに身体で隠すようにフローラとアイダ、そしてアリシアが前に立ったところでドアが開き誰かが中へと入って来る。
「失礼します……今お時間はよろしいでしょうか?」
「……なぁんだ、神父さんかぁ……どーしたのぉ?」
入ってきた人影を確認して、アイダが安堵したように身体から力を抜きつつ疑問を口にする。
そこへ被せるようにマスターもまた不思議そうに首を傾げながら口を開いた。
「おお、本当にどうしたんだ? あんたも知ってると思うが今は基本的に未開拓地帯への立ち入りが禁止されているから薬草の納品とかの依頼は受け付けてないぞ?」
「ええ……それにここの教会の人では神父様だけですよね? 用があるにしても仕事を放り出してまで来なくても誰かに伝言を頼めば……」
「皆さんの疑問はごもっともです……しかし今回は大変重要な要件がありますのでこうして直接訪ねてきた限りです……ところでレイド様はどちらにいらっしゃいますか?」
「っ!?」
この状態で直接名指しされたことで、少しだけドキッとしてしまう。
しかし神父の口調は多少緊張しているようではあるが、そこまで火急の要件を伝えに来たようには聞こえなかった。
(もしも国からの指令とかで動いてたらもこんな風に落ち着いて喋れないよな? それに重要な要件って言ってるし、顔を出さないと失礼だよな? それにきっと俺に関する噂も聞いてるだろうし、それなのにこんなに隠れてたら逆に不信感を煽りそうだ……)
色々考えた結果、俺はアンリだけその場に隠して皆の後ろから顔をのぞかせた。
「どうも神父様……何か俺に御用でしょうか?」
「おおっ!! そちらにおられましたかレイド様っ!! 実は貴方様に是非ともお会いしたいというお方をお連れしたのですっ!!」
「えっ!?」
しかしそこで急に興奮した様子で叫び出した神父の言葉に危機感を覚える。
(なっ!? こ、このタイミングで俺に会わせたい人って……そんなの国からの追手に決まってるじゃないかっ!? さっきのは演技だったのかっ!? あのままマスター辺りに用件を聞いてもらうべきだったのかっ!?)
どうやら警戒心が足りなかったようで、周りの皆もどこか俺に呆れたような視線を向けてくる。
しかしこうして顔を出してしまった以上はもうどうしようもない。
覚悟を決めて神父と向き合う俺に、向こうは曇りない笑みを浮かべるとドアを開き……彼女を中へと引き入れた。
「皆様にご紹介いたします……この御方こそ全国に存在する教会を統べる地位におられる聖女マリア様ですっ!!」
「初めまして皆様方……私が聖女を務めさせていただいておりますマリアでございます」
優雅にお辞儀したマリアと名乗った女性は、綺麗な金色の髪を肩まで垂らしており、その耳は横に長く尖っていて、また豊満な肉体を質素な薄絹のぴっちりと張り付く衣服で覆い隠していた。
(え、エメラさんやマナさんに似た耳の形だけど身長は俺より高い……多分エルフ、だよな? この人が教会のトップを務める聖女のマリア様……?)
「あちらにおられるのがレイド様です」
「あなた様が……ふふ、お会いしとうございましたレイド様……」
予想外の人物の登場に戸惑う俺たちの前で、彼女は真っ直ぐ俺だけを見つめると、小さく微笑みを浮かべた。
しかし俺には何故かその笑顔が、妙に妖艶な雰囲気を醸し出しているように感じられるのだった。
(き、気のせい……だよな? というかなにを考えてるんだ俺はっ!? 仮にも教会のトップである聖女様をそんな目で見て良いわけが……だ、だけど薄い服が張り付いてて胸の形がはっきりと……ってだからしっかりしろ俺ぇっ!!)