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広異世界の小さな話  作者: 元田 幸介
99/100

自我自漫

 月曜日の朝、コンビニでおにぎり二個とお茶、漫画雑誌を買う。これが毎週、俺の決まった習慣だった。

 すきな具のおにぎりを食べながら、好きな漫画の載った雑誌を読む。これほど幸せな一日はない。

 だが、いつの世も幸せは長くは続かない。


 好きだった漫画が今回で終わってしまった。


 最初、それを聞いた時はすぐには信じられなかった。だが何度も聞く内に、嫌でも認めなければいけなかった。

 読み終わったあと、俺は喪失感で何も考えられなくなった。

 どうしてもっと続けてくれなかったのか。

 こんなにも良い漫画はここ十年は絶対に出てこない。

 俺は中途半端な、あからさまに打ち切りのようなところで終わらせた編集に腹が立った。

 俺はこの作品をもっとみんなに知ってもらうため、単行本を三十冊買って、知人に配った。

「ああ、ありがとう……」

 だがみんな、なぜか困ったような顔でそれを受け取った。

 もしかして、魅力が伝わっていないのだろうか? 俺は布教のやり方を変え、ブログにその漫画のイラストを描いてみることにした。


「そんな無駄なこと、やめましょうよ」


 が、知人の一人がそれを邪魔した。

「無駄だと?」

「無駄っていうか不毛っていうか……」

 知人は、空気を読まず、今最も俺が考えたくないことを言った。


 

「先生、次回作は何にします?」

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