正義の反対の反対
人類すべてを消すことを目的にした、狂人ばかりを集めた組織、「ボードブレイク」。
それと戦うために結成された組織、「ゴスロリア」
お互い己の信念に基づいて何十年もの間戦い続けた。
そしてついにその戦いが終わる日がやって来た。
「く、くそったれ……!」
「はあ……はあ……!」
長い、長い戦いだった。俺はついに組織の幹部で宿敵だったジェイと決着をつけることができた。
本当に、紙一重の差だった。先に立ち上がった俺は、倒れたままのジェイに近づく。
「ついに、終わったな……」
俺は血を拭いながら、倒れたままのジェイに手を伸ばす。
「……ああ、そうだな……」
もう体に力が入らないのか、ジェイは素直に俺の手を取り、立ち上がった。
「本当に、行くつもりか?」
ジェイは俺に尋ねる。
「愚問だな。少し休んだら、すぐに上の階に行く」
俺はジェイの後ろの階段を見つめる。あれを登れば、ボスの部屋にたどり着く……。
「俺がそれを黙って見ていると思うのか?」
ジェイはギロリと俺をにらみつける。
「ふん、ボロボロの体でよく言うぜ」
足はガクガク、顔は血まみれ。もうジェイに俺を止める力は残っていないのは明らかだった。
「――お前との戦いは、ずっと面白かったよ。じゃあな」
「ま、待て……!」
止めようとするジェイだったが、ジェイの肩を軽く小突いてやると、あっという間に倒れた。俺はそのまま前に進む。
「お前は、本当にこれが『正しいこと』だと思っているのか?」
「……正しい正しくないなんて、人に決められるようなものじゃない。俺は俺の信じた道を進むだけだ」
「考え直せ! たしかにお前にとってはそれが『正しいこと』かもしれない。でも――」
「……負け犬の遠吠えは聞こえねえなあ」
最後まで聞かず、俺は階段を登り始めた。
「…………んなもん、分かってんだよ」
口じゃそれらしいことを何度も言ってきた。だけど長い戦いの中で、俺の考えは変わってきていた。
だけど、今さら止まれない。俺は何がどうあろうとも、この戦いを終わらせなければならない。
それが「ボードブレイク」唯一の生き残りの、俺の役目だった。




