1話
『レベルがあがりました』
「……ん?」
誰かの声が聞こえた気がして目を覚ました。
そこはいつもの見慣れた自宅の天井では
なく、森の中だった。
「……は!?」
慌てて飛び起き周囲を確認。
木、木、木、木、木……。
どう見ても森の中だ。
見慣れた自分の部屋ではない。
「何があった…」
そう呟き、気を失う前の事を思い出した。
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「ただいまっと」
安月給の仕事が終わり、ボロアパートに
帰宅した俺神崎大吾21才は呟いた。
「……さてと」
部屋着に着替えた俺はパソコンの前に
座り電源を入れた。
「更新してるかな~」
パソコンが起動しディスプレイが起動中画面から
デスクトップ画面にかわったら即インターネット
を開いた。
最近俺はウェブ小説にハマっている。
気にいった作品の更新は毎日欠かさずチェック
したり、面白そうなのを見つけるために長時間
パソコンに張り付いてるくらいだ。
俺は自他ともに認めるオタクだ。仕事が
休みのときは一日中アニメを見るか、漫画を
見るか、ゲームをするのが趣味だ。
学生の頃からの趣味で、ウェブ小説は
社会人になった頃にハマった。
こんな趣味だからか、俺の性格が問題なのか
わからんがリアル彼女いない歴=年齢である。
仲良かった友達は彼女出来たり、早いヤツは
結婚したヤツもいる。
まぁ俺には、ディスプレイの中に嫁が沢山いる
ので悔しくも羨ましくも何ともない!
ないったらない!
「ん~~~今日はないか」
お気に入り小説の更新を一通りチェックし終わった俺は
面白い小説がないか探すため検索サイトを開いた。因みに
異世界転移・転生・召喚もので、主人公最強のチーレムが
好きだ。
「お?なんだコレ?」
ウェブ小説をさがしていると一つのサイトが目に留まった。
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《ステータスメーカー》
[もしあなたが異世界に行くことになり、自分のステータスを
自分で設定出来るとしたらどの様なステータスにしますか?]
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名前:
種族:
年齢:
性別:
外見:
LV:
職業:
HP:
MP:
腕力:
耐久:
敏捷:
知性:
魔耐:
魅力:
幸運:
スキル:
装備:
アイテム:
資金:
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「診断サイトか?細かいな」
最近ツイッターでよく見る診断物だと思うが
やけに細かい。大体が名前を記入するだけで
結果が出るのに。
「性格でも調べんのかな?とりあえず記入
してみるか」
そう呟き、記入していった。