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太陽系戦争 (The Battle of Solar)  作者: 古加海 孝文
第四章 監視対象
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第四章 監視対象 (16)

だいぶ更新に時間がかかってしまいました。


これから再開していきますので、よろしくお願いします。

    二〇六五年七月十九日 みちびき標準時十五時

        宇宙ステーションみちびき航宙自衛軍大会議室


「こちらが三時間程前に撮影された写真となります。近くに映っている物は、火星の衛星フォボスです。二枚目以降に未処理のレーダー画像などもありますが、詳しい解析はまだ終わっていないとの事です。それと質問に関してですが、後ほど受け付けますのでお待ちください」


 会議に先立ち、太田少将が全員に資料を配るように手配してから、彼女の背後にある大型モニターを使用して説明が始まる。


 一人が挙手していたが、それを太田は遮った。


 今回は航宙自衛隊の主要な人物がほぼ揃っており、いないのは哨戒行動で出撃中の数名だけだ。


「写真でも分かるように、敵性艦隊と思われる存在がフォボス周辺に展開している模様です。尚、二四時間前には確認できていない事が、つい先ほど確定しました。よって、我々の知らない未知の技術を用い、この艦隊が火星軌道上に現れた事となります」


 モニターの画像が切り替わり、別角度の写真が投影される。


「こちらの写真でも分かるように、その規模は少なくとも大型艦船一〇〇以上、中型や小型を含めると、まだ確定はしておりませんが少なく見積もって八〇〇。多い場合は二〇〇〇を超える事が想定されます」


 その言葉に何人もが息を飲む。


 さらに写真が切り替わった。恐らく別の望遠鏡を用いて、最大倍率での撮影をしたのだろう。そもそもこの写真の出所は私にも知らされていない。


「こちらをご覧下さい。信じ難い事ではありますが、何隻かは前時代のアニメに出てきたような形をした宇宙艦も存在しているようです。武装等についてはまだ解析が終わっておりませんが、見た目だけの装備に惑わされるべきで無いと考えます」


 そこに映っていたのは三つの船で、一つは有名な人が搭乗する機体が主に描かれた宇宙戦争のアニメに出てくる、艦載機体が前方の左右から射出されると思われる白い艦。二つ目はかの有名な日本の象徴的意味合いを持つ名前を持つ艦であり、アニメの中では銀河系をも超えて地球まで往復してきた物。最後は巨大な艦全体が人型ロボットのように変形する形の物で、実際に今現在映っている物は、人型をしている。確か艦の全長は一キロを超えていたはずだ。


「フォボス等の位置関係からの推測ではありますが、推定で白い艦が全長二五〇メートルから二七〇メートル前後。二隻目の水上艦に似た艦が全長二六〇から二八〇メートル。最も大きなこの人型をした物が、全長一一五〇から一二五〇メートル前後と推測されます。その他の艦にしても、最大の物で全長が二キロを超えていると予想される物が二、一キロを超える物が一〇以上、五〇〇メートルクラスが五〇前後となり、残りも二〇〇から三〇〇メートルはあると推測され、中型艦においても全長が一五〇メートルはあると考えられます」


 誰かが『でかいな・・・・・・』と言ったが、その通りだ。


 現状のこちらの戦力では、艦の数も当然として、この艦隊に襲撃された場合、我々が一隻でも生き残る可能性があるか疑わしい。


「また画像解析の途中との事ですが、艦載機ではないかと思われる影が複数あるとの報告もあり、搭載している兵器の事もあるので、実際の兵力がどの程度かは推測すら困難な状態です」


 例えこちらの荷電粒子砲が有効だったとしても、これだけの数の前では焼け石に水だろう。むしろ相手側の方に同じ兵器があったとすると、同じ物を使っているはずなのに、こちらは弾幕の中へ水鉄砲を使って反撃するような物だ。その様な事態は考えたくもない。


「これに伴い、現在統合幕僚監部で緊急会議が開かれているとの事です。また我々には第二種警戒態勢での常時哨戒任務が発動されました」


 太田の発言に、この事を知らない何人もが息を飲んだ。


「ありがとう、太田少将。質問はとりあえず後にして、現状で極めて難しい状況に我々は置かれている。地球したでも可能な兵力は、出来るだけ宇宙からの侵攻を迎撃するように通達が出る予定になっている。しかしだ。我々が最初にして最後の守りである事に変わりはない。全員、心して任務に就いてもらいたい。私からは以上だ」


 そのご質問時間などもあったが、結局の所は私ですら全体が分からないのだ。ふねと人は相変わらず足りず、しかも内部にはスパイなのかどうかすら分からない者までいる始末。これから先が思いやられる。

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