第三章 艦と人と組織 (2)
3月18日(水) 修正
二〇六五年六月十八日 UTC(協定世界時) 一八時
宇宙ステーションみちびき 航宙自衛軍専用港
やまぎ艦内
「左舷、対レーザー防御システム展開。左舷主砲一番および二番、標的一を、上甲板、艦底一番および二番、三番主砲標的二を追尾中。また、四番五番主砲は標的三を追尾中。敵艦までの距離、十時から十一時にかけて、マイナス二十二度。百五万五千キロ。相対速度五キロ秒で依然敵艦隊後方より接近中」
レーダーモニター上の中心から左上に、黄色い光点が複数ある。
「さらに艦影を確認。背後に隠れていた模様です。識別デルタとします」
いい加減にしてくれと思う。簡単に見つけられないのは分かるが、それにしても歯がゆい。
「左舷十五番および二十七番に命中弾。レーザーです。温度上昇、損害軽微。戦闘に支障なし」
「全機関出力正常。砲撃に支障なし」
状況が次々と戦闘指揮所――CICに入る。机に表示された宙域図には、二十を超える敵艦が表示されている。
「みずほ被弾。損害甚大。左舷一番から三番主砲、使用不能。左舷温度上昇中との事」
「対レーザー防御システムはどうした。艦隊、縦列隊形を維持しつつ、しなの、あがの、くろべはみずほの穴を埋めろ。みずほは下がれ」
すぐに戦闘力の低下したみずほを下がらせつつ、あまぎ型三艦でその穴を埋める。完璧ではないが、悪くはないはずだ。
「対レーザー防御システム、展開五十パーセント。展開中なるも、展開速度が間に合いません。しかし、敵の攻撃は弱まりつつあります」
「主砲、敵艦をロック。砲撃開始します。荷電粒子砲およびレーザー砲にて攻撃開始」
「みずほより入電。出力五十パーセントに低下。左舷大破」
「みずほは急ぎ隊列から離れよ。やまぎは艦首ミサイル一番から三番、および左舷ミサイルランチャーで援護射撃。送り狼を出させるな」
やはり、練度不足は否めない。みずほの退避が遅すぎるし、その穴を埋めるはずの三艦も揃わない。
「主砲、着弾を確認。敵艦、温度急上昇。敵艦、撃沈を確認。随伴艦も、爆発に巻き込まれています」
その声と同時に、CICの明かりが赤から緑に切り替わる。
「状況終了しました」
やっと終わったと思う。長かった。
接敵から一時間で、やっと敵に有効弾。レーダーで捉えてから、六時間が経過していた。総時間にして一四時間だ。さらに悪い事に、全く同じ訓練を三回している。
「これが訓練だから良いようなものを、もし実戦ならみずほを失っていたかもしれないぞ。艦に慣れていないとはいえ、戦闘行動が遅い。コンピュータの補助を切った途端これでは、コンピュータが大破した時に、手が出せなくなる」
思わず苦言を言ってしまった。
「三十分後みちびきのブリーフィングルームで、上級士官による会議を行う。それまでに、各担当者はこれまでの戦闘データ、反省点をまとめておくように」
CICの明かりが、緑から電灯色に切り替わった。
「司令、急ぎすぎです。まだ大半の者が艦にさえ慣れていません」
吉村が珍しく不平を言ってきた。仕方ないとは思うが、ここは厳しくしなくてはならない。
「分かっているよ。しかし前にも言ったとおり、新しい艦がまた補充される。それまでに、全員の練度を上げなくてはならない」
「ですが……」
「無理は承知だ。しかし上からの命令だ。私だって無理な事は重々承知しているが、君らのためでもある。そこは分かって欲しい。先にブリーフィングルームに行っている。後は任せた」
部下には嫌われるだろう。しかし甘い事は言っていられない。石原航宙幕僚長もそうだろうが、私も嫌われ者だろう。本当の事を言いたいが、それは止められているので無理だ。だからこそ歯がゆい。
CICから出て、みちびきと接続している渡り廊下に向かう。
ブリーフィングルームではなく、やましろ艦内の作戦部司令室を使う事も考えたが、人数からすると無理がある。どちらも無重力である事を考えれば、広いみちびきにあるブリーフィングルームの方が理に適っている。
通路に備え付けの移動用レバーを手にしながら、次の演習を考える。さすがにまだコンピュータ無しでは、難しすぎるのかもしれない。かといって、コンピュータ室が被弾した場合は、手動で標的を捕捉しなくてはならない。訓練は絶対に必要だ。
二分ほどして、やっと艦から出る事が出来た。そこで携帯電話を取り出すと、補給部の番号にかける。
「渡辺中将だ。専用港一番会議室にやましろ型と改あまぎ型艦諸元表、人事部に連絡して新人の資料を持ってきてくれ。数は四十ほどだ。ああ、急いで頼む」
携帯電話を切ると、ドック内の手すりを掴む。すぐに手すりが移動を始め、連絡橋を奥に進む。
みちびきでは『第一会議室』となっている自衛軍専用の会議室で、自衛軍専用港では一番大きな会議室だが、我々は『ブリーフィングルーム』と呼んでいる。誰が言い出したのか分からないが、いつの間にかそれで定着していた。
それにしてもいくら前のあまぎ型より改良されたとはいえ、艦から出るのも距離がある。
それでも、体の動かし辛い簡易宇宙服を着ているよりはよりは、まだまだマシというもの。簡易宇宙服とは言っているが、船外活動を単独で三十分は行える代物。それだけに、行動は制限される。もしこれが、通常の宇宙服ならもっと大変だっただろう。
新型核融合炉は、先の試験航海で問題ない事が分かったので、さすがにもう宇宙服は着用していない。
相変わらず港に人気はない。ほとんどの乗員は艦内だし、今のところ整備も必要ない。補給も先程終わったので、無理を言えば明日には再度出港出来るだろう。まあ、今のところ予定に変更はない。
「ブリーフィングルームを使うぞ」
艦への搭乗口通路にいた整備士官に一言告げて、さらに通路を進む。
艦隊がドッキングしている港の中に、ブリーフィングルームはある。今回使うのは、その中でも一番大きな部屋。一度に八十名ほど集まる事が出来る。
他に、小さなものを含めれば十個ほどあるが、今のところほとんど使われていない。そういった理由もあって、あまり備品は揃っていなかった。まあ、備品が少ないのは、航宙自衛軍施設全体に言える事ではあるが。
これから使うブリーフィングルームにしても、椅子の数だってまだ揃っていない。無重力だから大丈夫だろうと、こういった備品は全て後回し。体を固定するための磁力靴があるから良いが、なければ全員がふわふわ浮いて邪魔なだけだ。
やっとブリーフィングルームの前に着くと、純白のドア右にあるカードスリットにカードを通す。静かな音と共にドア全体が内側にスライドして、そのまま左側にスライドした。
一応これでも、緊急時には独立した待避カプセルとなる。それでも、この中で長時間生活する事は考えられていない。あくまで、緊急時の待避カプセルとしての機能のみだ。
「さて、幕僚長の手前もあるし、どう訓練したものか……」
訓練内容は一任されている。だからといって、乗員に負担がかかりすぎても良くない。
それに、まもなく新しいメンバーも来るだろう。その者たちの事も考えなくてはならない。
そもそも、その新しい乗員にしても、経歴がまだ分からないので、どこに配属すべきかすら考えられない。
全部で五百三十人を超える人間の配置を考えるなど、一人では無理だ。それに、本来四年間の訓練期間を二年に圧縮するのも、暴挙としか思えない。
経歴から抽出して、誰を選ぶかは各艦に任せるしかないだろう。
機関やレーダー関係ならまだ良いが、他となると迷う。本来は人事部の仕事のはずだが、そちらも今は手一杯という話。地上から宇宙に配属される人員の整理だけで、手が回らない状態だ。
昔からある海上自衛軍とは違い、航宙自衛軍は新設されて、尚且つ艦が配備されて間もない。それ故、多くが自動化されている。専門知識が多少要求される機関やレーダーを除けば、後は誰にでも出来るとも言える。自動化の欠点とも言えるかもしれない。
持ってきた資料に目を落とす。
「大体、主砲の詳細でさえきちんと公開されていなくては、訓練もどこまでやればよいのか」
思わず呟いてしまった。
特にあの荷電粒子砲。あれは性能が本当に分からない。射程も、その威力も、私が受け取った資料にさえきちんと記載されていない。これでどう戦えと言うのか。
それと、あの未知の惑星。
地球に酷似しているのかもしれないが、人間と同じ生物がいるとは限らない。いや、違うと考えるのが筋だろう。当然、科学技術も違う可能性はある。そうなれば、今の装備が有効かどうかすら怪しい。
いずれ主要な者には説明しなければならないだろう。しかし、私自身よく分からない物を、どう説明すべきか。
まあ、それよりも目の前の事に集中すべきだとは思う。
何より練度が低すぎる。基本的な訓練を重ねなければならない。もっと多様な訓練をしなければならないだろうし、実戦形式の訓練も必要だ。
「実戦形式か……」
一応今までもコンピュータシミュレーションでの訓練を行っているが、空間訓練はほとんど行っていない。
そろそろ宇宙空間での空間訓練も行う必要があるが、それには練度が不足している。
やましろ型が二十隻、改あまぎ型が八隻あるのだから、二つに分けて艦隊戦の訓練をしてみるのも良いだろう。十四隻でチームを組めば、色々と作戦の幅も広がると思う。
もちろん、通常の非常訓練も怠れない。非常訓練をしつつ、先のアメリカ艦隊とやったような訓練をするのも、ちょうど良い機会ではないか。
すると携帯電話が鳴った。着信表示を見ると石原航宙幕僚長だ。
「はい、渡辺です」
『訓練の様子はどうかな? まあそれよりも、事態が変わった。艦の諸元表を乗員に関しては全面許可だ。ただし家族などは徹底して話さないように伝えて欲しい。私もそう連絡を受けただけで、何が起きているかはまだ分からない』
「分かりました、幕僚長」
『それと今回追加された資料がそちらに行くはずだ。君のコンピュータにもすでに転送されていると聞いている。確認してくれ。悪いが急いでいるのでこれで切る』
すぐに電話は切れた。余程急ぎだったのだろう。
いつも持っているタブレット端末を取り出して、外灯の所を確認する。確かにやまぎ型に関する追加資料があるようだ。
そういえば、ドック入りしたあまぎ型は、どのような装備変更が行われるのか。こちらも情報が全くない。技術部か、補給部なら多少は分かるか。出航前に聞いてみた方がよいだろう。
もしかしたらその情報もすでに端末へ入力されている可能性もあるが。
そしてもう一つ気がかりなことがある。隊員の一定数が、なぜか同じ郷里の者であること。全体の一割ともなれば、数としては異常だ。しかもその全員が佐渡出身。もしかしたら、出身地自体も擬装されているのか? 他にも同じ場所が出身の者がいくつかある。
「失礼します」
ドアの方を見ると、三人が入ってくる。改あまぎ型のてんりゅう、たにがわ、くろべそれぞれの艦長だ。
この三人は出身地も異なる。もっと人事部に身辺調査を行わせるべきか?
「他の者もまもなく来ます。それよりも、訓練内容を見直していただけませんか。練度が低くて、艦のまともな運行にさえ支障が出ています。これでは、港から出る事さえ不安です」
発言したのは、くろべの艦長。他の二人も頷いている。
「航行と機関こそなんとか大丈夫ですが、他は目も当てられない状況です。これでは、何かあった際に艦を失いかねません。先程のコンピュータ補助を切った際にも、まともな動きが取れない状況でした」
まあ、分からないでもない。やまぎに着任した新人も、似たようなものだ。実際、まったくの新人よりは良かった程度でしかなかった。いずれも、地上でそれなりの訓練をしてきたはずなのに。
「分かってはいるが、上からの圧力もある。次の出航は三日後だ。それまでに、もう少し何とかして欲しい」
「何とかと言われましても、今の状況で戦闘訓練は無理です。火災訓練でさえ、まだまともに対応出来ない状況です。怪我人は出ていませんが、いずれそれでは済まなくなります」
「では聞くが、何なら出来る?」
急に黙ってしまった。これはかなり不味い状況だ。
「分かった。少し考えようじゃないか。しかし、出航は予定通り行う。それまで、可能な限りの訓練はして欲しい」
少し、士気を上げる事を考えなければならない。明らかに士気が低下している。かといって、どうしたら良いものか。
休暇を与えるのは簡単だが、この様な状況下では地上に行く許可は下りないだろう。
しかし今の状況は休暇が必要に思える。みちびきの民間エリアへの立ち入りを許可するか。それなら、一人当たり二日程度は問題ないだろう。その方が一番かもしれない。
次の訓練航海終了後、三交代で休暇を与えるのが一番だと思う。日数的には、半弦休息とした方が良いが、出来るだけ訓練はしたい。そうなると、半弦休息では人数が不足する。
「他に問題は?」
「一番の問題は、艦の装備です。主要な乗員にまで非公開なので、演習もまともに出来ません」
今度は、てんりゅうの艦長だ。
確かに言われるとおりなのだが、私でさえ正確に把握している訳ではない。先ほど資料は届いたが……。
「その点については全員が集まり次第発表する」
防秘――防衛秘密程度にまで機密情報を下げないと、今後の運用に支障がある。早急に対策を取らなければならない。
先ほどの電話は、あくまで臨時処置だろう。機密レベルが下がったと正式には言っていなかった。
「色々と言いたいと思うが、私でさえ全てを知らされていない事は、先日言ったとおりだ。しかし艦の運用に制限があるのは良くないと私も思う。出来るだけ努力しよう。ただ過度な期待はしないで欲しい」
「そもそも、渡辺中将が全てを知らないのは、それだけで問題だと思いますが?」
この事は、てんりゅう艦長に言われなくても分かっているつもりだ。しかし、どうしようもない現実もある。
「私も努力はしている。君らも職務を全うしてほしい。本来なら、君たちだって艦長にはまだ早いくらいだ。しかし航宙自衛軍の慢性的人員不足は知っていると思う。我々は、与えられた人と装備で、出来るだけの事を行うだけだ」
「補充の話はないのですか?」
てんりゅう艦長は、以前人事部にいた事もある。
当然その辺りの事情も知っているはずだが、さすがに新しく入るメンバーの事までは知らないのか。ここ数日忙しかったので、以前の部署に顔を出す事も出来なかったのだろう。
「後で正式に話すが、地上から再度補充人員が来る。今度はある程度地上勤務がある者たちだ。さすがに宇宙では勝手が違うと思うが、全くの新人よりは良いはずだ」
新人よりはよいかもしれないが、それ以上とは言えない。それが正直心苦しい。
「分かりました。確かに、全くの新人よりは戦力になると思います。しかし、訓練メニューは再考をお願いします」
「そうだな……少し考えさせてくれ。私も上から色々言われている。確かに士気が落ちるのは好ましくない」
全く、なぜこんな厄介事ばかりなのか。しかし、泣き言は言えない。
「吉村、入ります」
入り口を開け、吉村他何十名もが入ってくる。全員が来たようだ。
五分前に全員が揃った形なので、まずまずといったところか。
しかし、ここに揃ったメンバーのうち、本当に信頼して良いのは誰なのか? それがどうしても気にかかる。
「では、会議を始める。まずは人員補充の事を伝えておこう」
地上から、まとまった数の補充人員が来る事を話す。今回は新人ではないので、どこか皆安堵しているようだ。
「次に各自の端末で確認して欲しいが、情報がある程度公開された。艦の乗組員であれば、艦の諸元表を見ることが可能となった。ただし、どのような状況であっても外部の者……家族であっても話すことは禁ずる」
一瞬響めいたが、すぐに落ち着いたようだ。
「それと、次の航海終了後、一時休暇を与える。地上という訳にはいかないが、ステーション内は自由に行動出来るよう手続きをしておく。一度に全員休暇を与える訳にはいかないが、それぞれのグループ事に二、三日程度は考えている」
これには全員の顔が明るくなった。やはり休暇は必要だろう。
「さて本題だ。正直言って、訓練結果が思わしくない」
再びの沈黙。嫌な空気だ。
「まあ艦長になって間もない者も多い。しかしながら、私も君らも、甘い事を言っていられる状況ではない。今はまだ話せないが、色々と上も問題を抱えている。よって次の航海では、艦隊を二つにわけ実戦形式の訓練を行う。力量は要求されるが、不可能ではないはずだ。質問は?」
後ろの方で手が上がった。
「艦への習熟が不十分です。艦隊戦訓練を行える技量があるとは思えません」
「分かっている。しかし、出来るだけ早く練度を上げるよう上からも指示が来ている。休暇の事を話せば、幾分士気は上がるはずだ。何とか乗り越えて欲しい。他には?」
「場所はどこですか?」
「まだ未定だ。出来るだけ訓練がしやすい場所を考えるつもりではいる。それは心得ているつもりだ。少なくとも、前回のような暗礁宙域ではない」
「今回は、我々だけでしょうか?」
「その通りだ。前回の教訓からも、まだアメリカと合同訓練出来るだけの力量はないだろう。無理は言わないつもりだ。他には?」
ブリーフィングルームが静まりかえる。
「それぞれの部署の責任者は、再度今の状況を改善出来る方法を考えて欲しい。厳しいだろうが、最善を尽くしてくれる事を期待している」
「装備関連の情報を、もう少しいただけないでしょうか?」
前から二列目で声が上がった。どの程度資料に載っているのか分からない以上、妥当な質問だろう。
「その辺りを含め、上と交渉してみる。しかし、あまり期待しないで欲しい。私でさえ全部は知らない。しかし先ほども言ったように、兵装の件はある程度公開されているはずだ。私もまだ確認していないが、もし追加で欲しいものがあったらまとめておいてくれ」
「そもそも、それほど急ぐ理由が分かりません。相手は本当に敵対してくるのですか?」
最前列にいた吉村が、痛いところを突く。
「理由はあるが、今は言えない。しかし理由がどうあれ急ぐ事には変更はない」
間違って言おうものなら、左遷されるだけでは済まないだろう。
「色々と不満はあると思う。しかし君らならこの状況を乗り越えられるはずだ。なんとか、頑張ってもらいたい」
頑張れとは言ったが、どこまで出来るだろうか?
航宙自衛軍でなければあり得ないような人事もしている。それだけに、力量不足はあると思える。
しかし、次がいつになるかは別にしても、アメリカとの合同演習で負けてばかりはいられない。少なくとも、装備の面ではこちらが上の筈。習熟すれば、アメリカ艦隊を圧倒する事だって出来るはずだ。
一番の問題は、まだ確認ができ営内装備だろう。
主砲の射程も告げられていない状況では、遠距離想定での運用に支障が出る。艦防御システムも、一部はまだ非公開のまま。これでは艦を守れない。艦を守れなければ、艦隊を維持出来ない。
先ほどの電話であった追加資料で、どこまで公開されているのか見なくては。
「他に質問がなければ、各艦の状況について知りたい」
見渡すが、質問は無いようだ。まあ、どのように質問すべきか分からない者もいるのだろう。その辺は、各の艦の状況を聞く時に聞けば済む。
「では、まずやましろの状況からだ。私が乗艦しているからといって、艦全体を見ている訳ではないからな」
吉村を含め、艦橋の主要メンバーが集まってくる。これからしばらくかかりそうだ。
毎回ご覧頂き有り難うございます。
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