「ごめん」
親友が時を止めて、現れました。
目が覚めた。
と、同時に全身くまなく鋏で串刺しにされて、その直後に金属バットで、思いっきり殴打されまくったような──まあようするに、激痛がハシった。
「いっってええぇーーッ!!」
僕は絶叫する。
まるで、電流が流れているかのように爪先から指先まで激痛が這い回り、そのあまりの激痛に僕は、体をよじらせて、ベットから落っこちた。
「ってて……ん? ベット?」
僕の部屋にはベットなんてないはずだけどな。
見回す。
簡略的な、しかし清潔そうなシーツに包まれたベット。
人に安心感を与えるためか、暖色系の光を放っているLED。
ベットの横には小さなロッカー。その上には花瓶が置いてある。
周りには同じようなベットが五つほどあって、三つぐらい、人の気配がある。
部屋全体は清潔そうな──史実清潔な、白色の壁に囲まれている。
僕が今寝転がっているタイルの床には、ゴミ一つ落ちてない。
薬品の匂いが混ざった独特の空気を吸って、「ああ、ここは病院か」と、今更ながらに、理解した。
気絶する前の事を思い出す。
元親友、黒羽と久しぶりに再会して、ケンカして、そして僕の足が破裂して……。
確か黒羽はオーバーヒートだと言ってたっけ。
まあ、負荷とか火傷とか裂傷とかのダメージをガマンするために、耐えるために、能力を常時全力で使い続けたんだ。
家庭用パソコンに、スパコン並の演算をさせ続けるみたいなもので、そんな事をすれば、いつかボロがでる。
そりゃあ、すぐにオーバーヒートぐらいするか。
「……しかし、困ったな」
力が出ないから、ベットの上に戻ることも出来ない。
さっきの、痛みで体をよじらせたのが、いたちの最後っぺだったらしい。
なんて所で使ってしまったんだ。
大部屋のようだから、誰かに助けを求めるのも一手だろうけど、しかし、喉を痛めているみたいで、蚊が鳴くような声しか出ない。
しかも、僕がいるところは部屋の四隅で、ベットの陰。当然、部屋にいる人、全員の死角になっていて、誰も僕が落ちたことに気づいていない。
なんて所でピンチになってるんだ僕は。
……まあ。
別に床でもベットでも寝っ転がるには余り変わりない、せめて言うなら、その寝心地ぐらいで、特に気にする程でもないし、誰か気がつくまでのんびり待っていようと思っていたら、カラカラカラと、部屋の戸が開く音がした。
ベットの下から覗き見ると、緑色のスリッパを履いた足が目にはいった。
入り口でピタリと、止まっていた足は、一切の迷いもなくペタペタと足音をたてながら、僕のベットの前まで移動して、そのベットと壁の間──つまり、今僕が落っこちているスペースを覗きこんできた。
艶やかな黒髪に凛とした印象の女子は、僕を見つけると「なにやってるんだこのバカは」と言いたげに眉を顰めて、「雨夜」と、呆れ顔で、僕の名前を呼んだ。
「そんな所で一体全体、なにしてるの?」
「委員長様、助けてくれると嬉しいです」
***
僕を見つけてからの委員長の行動は、迅速かつ的確だった。
ものの数分で、僕の体はベットの上に戻されて、腕には再び点滴が刺された。
僕を戻すのを手伝ってくれた看護師数人と、同じ病室の人に深々と頭をさげた委員長は、ベットの横に置いてあったパイプイスを広げた。
「それで」
委員長は、肩に提げていたバックを膝に乗せながら、パイプイスに座って──そのままひっくり返った。
膝の上に乗っていたバックが、ぽーんと投げ出されて、空を舞う。
どうやら、パイプイスの脚の部分が曲がっていて、バランスが悪かったらしい。
それに気づかず、委員長はパイプイスに全体重を預けて、そのままひっくり返ってしまった。
マンガなら、どっしーん。と効果音が書かれそうな感じに、ひっくり返った委員長は、耳まで顔を真っ赤にして、無言で飛んでったバックを取ってくると、新しいパイプイスに座りなおして、仕切り直しと言わんばかりに同じセリフを言った。
「……それで」
「委員長、まだ『幸運』使った後の負荷が残ってるんだな」
「雨夜……ここは優しくスルーするべき所だよ」
赤かった顔が更に紅潮する。
……うん? 僕は普通に質問しただけなんだけどな。
怒られることなのか?
「あのね、心配してくれるのは嬉しいけど、今の見なかったことにするのが優しさだよ」
「優しさか」
「優しさだね」
「うわあ、でっかい音だったなー。どこかでデカい鉄の塊でも落ちたのかなあ、委員長」
「なかったことにするのが優しさだよ」
「……なるほど、なんか重たい物が落ちたような気がしたけど、気のせいか」
「きみはなに、私が太ってるとでもいいたいのかな、そりゃあ痩せてるきみに比べたら太ってるかもしれないけどさ。鉄の塊とか、重たい物とか、些か失礼じゃない?」
「……?」
僕は首を傾げる。
いやでも、人って普通に重いだろ。
と、言ったらまた怒られそうな気がして、僕は口を噤んだ。
委員長は「それで」と、また仕切りなおす。
「何か聞きたい事はある?」
「何日ぐらい眠ってた?」
「植物人間状態で約一週間ほどだね」
「結構寝てたんだな」
「それぐらい頑張ったって事だよ、リンゴ食べる?」
「許可貰ってあるのか?」
「さっき貰ったよ。体自体は、小坂井さんの能力で、治されてるからね。後で、お礼を言っておくんだね」
「なるほど、じゃあ食べる」
「了解」
委員長は膝の上に置いていたバックからリンゴと果物ナイフ、それと皿を取り出すとその上で果物ナイフを起用に使って、リンゴの皮を剥きはじめた。一枚の薄い布のようになった皮が、下においてある皿の上にかさばってく。
うーむ。
剥けないからいつも丸かじりしている僕とは大違いだな。
さすが委員長。
「このぐらい練習したら誰だってできるよ……いたっ」
少しよそ見した時に、手を滑らせてしまった委員長は、指を切ってしまった。
涙目で、切れた指を口に含む委員長。
「委員長、『幸運』をずっと使ってればいいのに、そうすりゃケガもしないだろ」
「うーん、雨夜の入院期間が延びてもいいというのなら、別に使わなくもないけど」
「あ、やっぱ使うな」
「でしょ?」
くすくすと笑って、委員長は皮むきを再開した。
「それで、他に聞きたい事はある?」
「アルバイト先は、一週間休んでる僕に対して、なにか言ってる?」
「ワックの方はクビ宣告されたよ。土木工事のほうは、ゆっくり休めだって」
「ぐあっ」
アルバイトをクビになってしまった。
困ったな。
入院費とか払ったら、貯金は残るのかな。
「困ったときは、私とか高木さんとかを頼るといいよ、何の為のご近所さんだよ」
「……ごめん。後、高木には絶対頼らない」
「だよね」
委員長は苦笑いを浮かべると、果物ナイフを皿の上に置いた。赤いリンゴの皮は剥ききっていて、黄色い身が露わになっていた。
分けずに、円形のまま。
なに、丸食いなの?
「えと、委員長。押し付けがましいんだけれど、分けてくれるとありがたいんですが」
「その前に、私に謝らないといけない事があるんじゃないのかな?」
「え?」
「きみ、約束を結構破ったよね?」
「……あー」
「惡役をやらないこと、負けないこと」
「い、いやいやいや、負けてはないだろ!!」
確かに惡役はやったけれども。
卑怯千万な事はやりましたけれど。
負けてはないはずだぞ。
「確かに、結果だけを見れば私たちの勝ちだよ」
委員長は、若干呆れを含んだ声色で言う。
「時宮心々実は松場さんが倒した。
穂村舞はきみが倒した。
貴堂悠樹は鑑先輩が倒した。
とは言っても、時宮以外は皆逃げられちゃったみたいだけどね。
彼らをここに連れてきた人は、もう既に目星はついてるよ。今度十人議会で審議をするって、まあ確実に《箱庭》から追い出されるだろうね」
「ほら、負けてないじゃんか!!」
「ほうほう、家を燃やされて、不意打ちは失敗して、目を抉られて負けて敗れて、勝ったのはたった一回だけ。しかも辛勝。それでよく、勝った。なんて言えるね?」
「うぐっ……」
「それと、今回の勝負できみは街を壊しすぎ。鑑先輩と九条先輩が後処理してくれてるから、まあ罪には問われないだろうけど、後で慈善活動とかに駆り出されるだろうね」
「例えば……?」
「まあ、箱庭大体育祭の準備の手伝いは安牌だね。大穴は鑑先輩と週一でケンカ」
「うっへぇ……」
「それぐらいで済むんだから、むしろ喜ぶ」
「わーいわーい。助かったー」
「……きみのその切り替えの速さはあれだね、気持ち悪いね」
「えっ!?」
本気で引いてる目の委員長は「だから」と、言う。
「後で、二人にお礼を言っておくように」
「……たいしょーだって壊してたじゃん……」
「だから今、街中駆け回って壊れてるところを直してるよ」
「元気だな、あの人」
超能力者と闘ったんだよな。なのに、一週間でもうそんなに元気なんだから、ホントに怪物だよな、あの人。
「けど、相手は格上で、事実、負け続けて、退治されるギリギリな時が何度とあったのに、よく生き残れたよね」
「運が良かったからな」
そう、僕が生き残ったのは、運が良かったからだ。
いや、違う。
僕が生き残ることは、絶対だったんだ。
今回の話の、詰まるところ黒幕的役割を担っていた黒羽の目的は『雨夜の周りを消して、俺よりも不幸にすること』であって、僕を倒すことではない。
むしろ、僕を倒してしまったら、『俺より不幸せな、クズでゴミな、俺の大好きな雨夜』がいなくなる訳で、それほど、黒羽にとって都合の惡いことはない。
だから、僕は傷ついたり壊されたり砕かれたり燃やされたり負けたり死にかけたりしたけれど、退治される事はなかった。
いや。
もしかしたら、僕はもう既に何回も死んでいて、その度に黒羽が時間を戻して、やり直しをしている可能性もあるな。
……。
ホントにその可能性も無くもない訳だから、恐いな。
「だからこれは、きみに対する罰ゲームだ」
「もがっ!?」
黒羽の能力、『例外主義者』の凄さを再確認していると、開いていた口の中に、リンゴ丸々一個をつっこまれた。
普通に気道が塞がった。
普通に窒息した。
「ッッッ~~~!?」
噛み砕こうにも、力が入らない。
酸素が足りなくなる中、どうにか全部飲み込むのに十分ほど費やして、ゴホゴホ咳き込む。委員長はそれを確認してから、口に手を添えて、クスクスと笑った。
「よーし、スッキリした。これで今回の事は不問にしてあげるよ」
「そ、そりゃどーもっ!!」
「じゃあ、次は彼女の番だね」
「彼女……?」
口の中に残っている破片を呑みこみながら、僕は委員長の指差す先を見る。
そこには、小坂井がいた。
病院でムリヤリ風呂に入れられたのか、腰まで伸びている髪は透き通るような空色になっていて、梳かれて梳かれて、癖っ毛はない。
僕と同じ病衣に着替えていて、その袖は不自然に余っていた。
***
小坂井は僕の前に立っている。
病衣の余った両袖を、垂らして立っている。
「……」
よく見れば。
小坂井の腕のシルエットはやや不自然だった。
病衣のサイズがあってなくて、袖が余っているわけではなかった。小坂井の、腕の長さが短いのだ。
だから、両袖が余ってる。不自然に、余ってる──いや、自然に余ってる。
だって、手首から先を人の形を形成する前まで戻されたのだから、小坂井の体からすれば、手首から先がないのは普通のことで自然の事なのだから。だからそれは、不自然じゃない。自然そのものだ。
と、自分を擁護してみたけれど──彼女が手を失う理由を作ってしまった自分を擁護してみたけれど、やっぱり周りから見ると、ごく普通に四肢が揃ってる人からみると、不自然そのものなんだよな……。
この先、小坂井の生活はかなり不便になるんだろうなー。
そう思った。
可哀想だなーと思った。
他人事のように思った。
そんなこんなで、僕と小坂井は向き合っている。
僕は動けないからベットの上。
小坂井は僕が寝ているベットの前。
委員長はそんな僕らの間で、パイプイスに座っている。
無くなっている両手を隠すように伸びた袖を、垂らして立っている。僕はそれを見て、何とも言えずに固まる。
そんな状態が数日か、数時間か、数分か、数秒か続いた。
感覚的には数日なんだけど、まあ実際は数秒だろう。
「えっと……」
沈黙に耐えられなくなって、僕は眼球だけ動かして、委員長に助けを求める。
その視線に一瞬、きょとんとしていた委員長だったけど「さっさと謝った方が、楽でいいと思うよ」と呆れ気味に返された。
「どうやって」と、返すと「自分でなんとかする」と返された。
アイコンタクトで会話できた。
すげえ、阿吽の呼吸だ!
とか、フザケてる時ではないのは分かってるから、マジメに考える。
自分でなんとかする、か。
小坂井がこのタイミングで来たのは、多分、偶然だ。僕が目覚めたのを聞きつけてやってきた。大方、そんな感じだろう。
それで、僕は彼女に何を言えばいいのだろう。
このタイミング。
今さっき、委員長との約束を破った罰ゲームを受けた。その流れで委員長は、僕に小坂井がいる事を教えた。
小坂井との約束。
ケガしないで。
おもっくそ破っちゃった約束だ。
つまり、委員長は約束を破った事を謝れ。と言いたいのだろう。
なるほど……。
僕は謝罪の言葉を考える、色々考えてじっくり吟味してから、口を開いた。
「ごめん」
僕は謝った。
言い訳もせずに、謝った。
小坂井はとっさの事で驚いているのか、しきりにまばたきをしている。
「約束を破ってゴメン。それとその……詳しくは言えないんだけど、その両手が無くなったのも、僕のせいなんだ」
「僕のせいで、ごめん」
「……」
「ホントにごめん。全身全霊で、謝る」
僕は頭をさげた。
そんな僕を、小坂井は少しの間、見下ろして。
「……やっぱり、維月は良い人」
と、言った。
「はっ?」
予想外の返しに僕は目をまんまるにしながら、下げていた頭をあげた。小坂井はどうしてか、柔らかな笑みを浮かべていた。
アルカイックスマイル。
僕が困惑していると、小坂井は笑ったまま。
「維月は、やっぱり良い人……」
と、繰り返した。
「……えっと」
僕は驚いて、少し言いよどみながらも、小坂井に聞いた。
「今の話の一体どこに、良い人要素があったのか? 謝ったことか?」
「心を込めて謝ってない所……」
「最低じゃないか僕っ!!」
全身全霊で謝るって、言ったじゃん! 無いなりに心を込めて謝ったはずだぞ!?
委員長の方を見ると、委員長もさすがにこの返しを想像できていなかったらしく、唖然というか呆然としている。
僕と委員長。
更に加えるなら、この会話を聞いていた同室の方々が、目が飛び出しかねないぐらい驚いている中、とうの本人は柔和な笑い顔のままだ。ニコニコと笑ったままだ。
「だって維月……せつなの事を、可哀想だと思ってない」
「……思えないが正解だけどな。けど、思えないなりに思ったつもりだけど」
「けど思ってない。だから、嬉しい」
「……あー、そーかい」
可哀想だと思われたくない。
そういえば、そんな事を言ってたっけ。だから僕のことを好きになったと、そんな事も言ってたっけ。
「……はぁ」
僕は呆れてため息をつく。
「えっと、じゃあ僕の事許してくれるのか?」
「許さない……」
流れガン無視だった。
え、今の絶対許される流れだっただろ。
小坂井はニコニコ笑ったまま、委員長を指差した。
「こいつとの約束を破って……維月は罰ゲームした」
「委員長のことをこいつって言うな、指差すな絶交するぞ」
「だから……せつなからも維月に罰ゲーム……」
「なんで僕の周りの人たちは罰ゲームしたがるんだかなー……ま、いいけどさ。どんな罰ゲーム?」
「せつなの言う事なんでも聞く……」
「うわぉ……」
普通にキツい罰ゲームだった。
「半永久的に……」
「うわぉ!?」
物凄くキツい罰ゲームだった。
「いや半永久的ってそれは流石にキツいというか」
「じゃあ許さない……一生呪いのメール送り続ける……」
「それはやだなー」
「プログラム使って五分おきに……」
「せめて自力でやってくれよ……」
というか多いな。五分おきって。
僕は頭を掻こうとして……そう言えば腕は動かないんだっけ。僕は、ひひひ、と卑屈っぽく笑った。
「いいよ、分かった。なんでも言う事聞くよ。両手の謝罪も込めてな」
「やたっ……」
小坂井は胸の前で、小さくガッツポーズをとった。
大方、心の中ではファンファーレを鳴り響かせながら、両手をあげて大喜びしていることだろう。
そう分かるぐらい、挙動は少ないものの、喜びのオーラで満ち満ちていた。
そんなにも僕に好きに命令できる権利が欲しかったのか?
「じゃあ、維月……」
なんて命令されるんだろう、今頃ながら容易に頷いてしまったことを後悔する僕だったが、今更撤回はできない。
ま、ムチャな命令だったら、約束を破ればいいだけか。
そんな風に、内心最低なことを画策している僕の前で、小坂井は若干首を傾げて、どうしてか頬を赤らめて、小坂井が言ったのは。
「せつなは、維月の事が好き……だから、付き合って……」
この世で一番、色気のない告白だった。
「……」
いや、ホントに色気ないな、味気ないな。お前、こんなのでいいのか? 女子からしたら告白って、一大イベントとかじゃないのか?
僕があっけにとられたまま、視線だけ動かすと、委員長も苦笑いを浮かべていた。
周りの同室の人たちも、なんだこいつ。イカレた奴だな。とか思ってそうな目で、小坂井をみていた。
周りの観察を終えて、僕は小坂井を視界におさめる。
勝ち誇った顔をしていた。
その表情を見る限り、小坂井の中では既に、告白に対する僕の答えはでているらしかった。
僕が嘘をつくとか、約束を破るとか、そういった可能性を、微塵も考えていなさそうだった。
一週間ほど、同居していたわけだから、僕のその(自分で言うのもなんだけど)不安定でなんにも考えていない、ある意味自由気ままな性格を見てきたというのに、小坂井は僕のことを疑ってる様子はない。
それで? それで? 維月の答えはなにかななにかな? ん? ん? と、ニヤニヤとした表情で語っていた。
「……ひひひ」
小坂井が言っていたセリフを返すようだけど、こいつも中々どうして、良い人だよな。
僕は笑いながら答える。
まあ、僕も告白にはそこまで綺麗さとか物語性とか、そんな事を気にするタイプじゃないし、ここは簡潔に言って、ここまでのお話を終わらせることにしよう。
僕と小坂井の、歪んだラブコメと、僕と黒羽の再会の話を終わらせることにしよう。
「よろこんで」
これで、第一章お仕舞いです。
『これは無理があるだろ~』みたいな所があれば、言ってください。可能な限り、修正します。誤字、脱字に関しても同様の報告、御願いします。




