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翔馬は生まれながらの霊能力者だった。
翔馬の家系は代々霊力が強かったが特にそれを仕事にしている訳ではなく普通の生活を送っていた。
そしてある日翔馬は生まれた。
家族は皆喜んだがそれと同時にある不安を覚えた。霊力が信じられないほど高かったのである。そのため翔馬は無数の幽霊や妖怪に襲われた。奴らは翔馬の高い霊力を求めてよってくるのである。
「翔馬ー!」
真人の声だ!そう思い翔馬はおじいちゃん達に遊びに行ってくると言い家を出た。
「今日は何して遊ぶ!?」
真人の他にも小学生がたくさんいた。
鬼ごっこ!ケイドロ!隠れんぼ!
子供たちは口々にやりたい遊びを言っていった。
「ボールあるからサッカーしよーぜ!」
真人はそう言ってサッカーボールを蹴る。
「パスパス!」
今まで口々にやりたい遊びを言っていた子供たちは一斉にサッカーに夢中になっていた。
真人は子供達の中でリーダー的存在だ。真人が何かを始めればみんなも真似してそれを始める。真人にはみんなを惹きつけるカリスマ性があるのだ。
そんな真人に翔馬も憧れの様なものを抱いていた。
「シュート!」
真人がゴール目掛けてボールを蹴る。しかし、
「あっ!しまった!」
真人の蹴ったボールはゴールを越えて林の中に入って行ってしまった。
「あちゃ~、林の中に入って行っちゃったよ~」
この林は昼間でも薄暗く、子供達は危ないから入ってはいけないと学校からも親からも言われていた。
「あ~どうしよう、取りにいくしかないか~」
「でもお母さんにあの林の中には入ったらいけないって言ってたよ?」
「学校でも入ったらダメだって言われてるじゃん」
と、真人の意見に反対する子供達。
そう、いくら真人にカリスマ性があったとしてもみんなお母さんや先生に怒られらるのが怖いのだ。
「じゃあどうすんだよ~」
みんながどうしようかと悩んでいる時、1人の少年は言った。
「僕が取りにいくよ」
翔馬である。