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始まり

この作品はフィクションです。

更新は非常に遅いです。

趣味です。

「バン!バン!」

鎌倉の町外れのとある民家で男の子の声が響く。

「なんの!」

老人は素早い動きで少年の『指鉄砲』をかわし、階段の陰へと身を隠す。

「じいちゃん隠れてもダメだよ!」

少年が老人の後を追おうとしたその瞬間、不意にドアが勢い良く開け放たれた。

「こっちじゃあぁ!」

そう言って現れたもう一人の老人は指鉄砲を少年に構えた。 少年は不意をつかれたようで動けずにいた。

「ナイスじゃ久男!これで挟み撃ちじゃ!」

どうやらこの老人は久男と言うらしい。 久男の登場により少年は挟み撃ちの状態になってしまった。

「バン!バン!」

「バン!バン!」

二人の老人による効果音が少年めがけて響いて行く。 二人が勝ちを確信したその時、少年の身体が宙を舞った。 少年はまるで猫のような俊敏さと体操選手の様なテクニックで指鉄砲をかわしたのだ。

「なんじゃと!?」

驚愕する久男を少年は獲物を捉えた鷹の様に空中から指鉄砲を構える、そして

「バーン!」

少年の指鉄砲は久男を捉えた。

「ぐわあぁぁ!!」

派手に後ろへ吹き飛ぶ久男。

「じいちゃん、まだやる?」

余裕の表情の少年。その指はすでに老人を捉えていた。

「はっはっは!降参じゃよ」

その声を聞いて久男が立ち上がる。

「いや~、やっぱり翔馬は強いの~。完敗じゃよ」

「俺強いからおじいちゃんには負けないよ!」

「若いのはいいの~。わしもうクタクタじゃよ。」

80を超えた体にはかなりの疲労がたまっているようだ。

「翔馬~!遊ぼー!」

その時家の外から翔馬を呼ぶ声がした。

どうやら友達が翔馬を遊びに誘いに来たらしい。

「ということで行ってきまーす!」

「気をつけてな~」

翔馬は友達と元気に外へ遊びに行った。

「本当に元気じゃのう。」

翔馬の姿が見えなくなる頃、みつをは言った。

「翔馬のやつ、また力が上がったな」

「そうじゃな、あの時とっさにバリアを張ったがもし直撃していたら危なかったかもしれん。」

「あの子はまだ小さい。あの子にはあの力は強大すぎる。わしらがあの子の代わりに力を制御しているとは言え、わしらももう歳じゃ。いつまで制御していられるか分からんぞ。」

そう言うみつをは翔馬の方を見つめ続ける。

その眼にはある種の覚悟とも呼べるものが宿っていた。

「わしらはもう長くは無い、翔馬はもう小学生になった。そろそろ言ってもいいんじゃないか?」

久男は悩んでいた。

今、翔馬にこの事を打ち明けてもいいのか。

みつをの言う通り翔馬は小学生になった。だがまだ六才だ。出来れば翔馬には普通の生活を送って欲しい。しかしそれは叶わないだろう。いずれ翔馬には打ち明けなくてはならない。自分の寿命がそう長く無い事は分かっている。その前に翔馬にはこの力の正しい使い方と制御の仕方を教えなければならない。

「そうじゃな、今日帰ってきたら全てを話そう。」


「自分が霊能力者であると」


そう言う久男の顔はどこか悲しげだった。







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