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移動型ダンジョン〜神様の勘違いのせいで動くダンジョンとして世界の敵になった件について〜  作者: シャルねる


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第1話

 見ることすら珍しいトラックに轢かれて死んだ……と思ったら、目の前に光を発する老人がいた。

 意味が分からないと思うが、俺も意味が分からないし、言葉通りでしかない。


「……」


「……」


 そして、光を発する老人は俺に視線を向けてきたまま、何も言葉を発してこない。

 ……もしかして、これ、俺が口を開かないと話が始まらない感じか?

 ……こっちは死んだ? ばかりで、混乱状態だっていうんだから、何か言いたいことがあるのなら、そっちから言ってくれよ。

 ……まさか地獄へのご案内だったりしないよな?


「……こんにちは」


 少しだけなんて言おうかを考え……まずは挨拶だろうという結論に至った俺は、そう言って頭を下げた。

 なんか、光を発してるし、恐らく死後の世界だろうことから、神様……かもだし、一応失礼のないように。


「まずは、謝罪を」


「……ごめんなさい」


 よく分からないが、光を発する老人に謝罪を求められてしまった以上、俺は謝罪をした。


「……いえ、私が貴方に謝罪をしているのです」


 というのに、どうやら俺は謝罪をされていた側だったらしい。

 ただ……今度は謝罪をされる理由が分からなかった。

 こんな光を発する人に謝罪をされるような理由なんて、パッと出てくる訳がない。


「貴方を若くして死なせてしまったのは、私のせいなのです」


 そんな俺の疑問を察してくれたのか、そう言ってくる光を発する老人。


「…………? えっと、俺を死なせたのはトラックですよ?」


「……」


「……後、俺は普通に27歳でしたし、結構長生きした方だとも思いますよ?」


「……日本から来た方……ですよね?」


「はい、そうですけど」


「……なるほど」


 神様? からしたら若い……というか、早死にってことなんだろうか。

 確かに、仮にこの人が神様なんだとすると、そりゃ早死になのか。いっぱい生きてるだろうし。

 

「……とにかく、私は貴方に謝罪がしたいのです」


「もう貰いましたが」


「それは言葉による謝罪です」


 言葉の謝罪じゃダメなんだろうか。


「貴方を元の世界とは違う世界へと転生させます」


 転生……しかも元の世界とは違う世界か。

 あんまりイメージがつかないな。

 あ、いや、もしかして、昔拾うことが出来たラノベ? とかいう本で読んだような世界だったりするのかな。

 ……だとしたら、ちょっと楽しみかも。


「能力の希望はありますか?」


「希望……そんなものを出して、いいんですか?」


「はい。謝罪ですから」


 そうなのか。

 だったら──


「ダンジョンっていうのを作る力が欲しいです」


「分かりました。では【ダンジョン作成】スキルと【ダンジョン展開】スキルを授けますね」


 おー。

 ダンジョン展開というのはよく分からないが、ダンジョン作成というのは昔読んだ本の内容にあった通りの力だな。

 流石神様? だ。

 これで俺もダンジョンの奥地に引きこもってスローライフが出来るぞ。昔本で読んだあの物語のように。


「ありがとうございます」


「次にですが、赤ん坊からの転生をお望みですか? それとも、今の貴方に似た肉体を作り出し、その中に魂を入れた上での転生をお望みですか?」


 子供時代は辛かった。

 大人になっても辛かったけど、子供時代はもっと辛かった記憶がある。

 子供の体じゃ大人にはどう頑張っても勝つことなんて出来なかったし、ちょくちょく食べ物を奪われたりしていた……嫌な記憶だ。

 だからこそ──


「似た肉体? の方でお願いします」


 俺はそう言った。


「分かりました。では、今よりも少し若返った状態の肉体を作成し、そこに魂を入れることで転生と致しましょう」


「ありがとうございます」


「謝罪ですので。……では、貴方の来世に幸があらんことを」


 神様? のそんな言葉と共に、視界が暗くなっていく。

 そして、視界が晴れる次の瞬間……俺は緑がよく並ぶ森の中に立っていた。


「おー、空気が汚染されてねぇ。マジで異世界に来たってことなのか」


 気分が高揚していくのを感じる。

 ついこの間までは未来に希望なんて持っていなかったが……今は少し……いや、かなり楽しみかもしれない。


「それじゃあ、早速スローライフを夢見て……ダンジョン作成!」

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