第45話:一ノ瀬保奈美
――チャットは、ペンダントが発覚してからずっと大炎上していた。
《ちょ、待て。あれ絶対一点レア物だよな》
《お義兄さん、センス良すぎ問題》
《やば、これは…本気のやつ》
……そして、とどめを刺したのは真央ちゃんだった。
《みんな、知ってる? ペンダントって男性から女性に贈る場合、“永遠の絆”とか“離れたくない”とか“あなたを大切に思っている”って意味があるんだよ》
――。
チャット欄が一瞬固まったあと、さらに激しく爆発した。
《え、え、ええええ!?!?》
《永遠の絆!? 直也さんやっぱりそうなの!?》
《独占したいって……なにそれ! 尊すぎて死ぬ!!》
《公式になってないのに事実上、これもう公式では!?》
スマホを持つ手が震えた。
……ペンダントに、そんな意味があるなんて。
確かに、首元にかけるもの。輪の形は永遠を象徴するもの。
守ってくれる、お守りの意味もある。
――でも、「大切にしたい」とか「離れたくない」だなんて。
(……そんなの、考えちゃダメだよね。だって私は義妹なんだし……)
それでも。
胸の奥が熱くなって、どうしても抑えられなかった。
直也さんが、さっき言ってくれた言葉。
「に、似合ってるよ。本当に……似合ってるし……可愛いよ」
その声が何度も耳に蘇る。
――もし、もしほんの少しでも。
その意味が込められていたなら。
私は、もう。
胸いっぱいに幸せで、息が苦しいくらいだった。
スマホを握りしめながら、小さく呟いた。
「直也さん……ありがとう。本当に、ありがとう……」
頬に触れるペンダントが、熱を帯びているように感じられた。
これは、私にとって――一生の宝物だ。




