奇跡
身体を貫通する感触・・。
あぁ、アタシ・・初めて・・
【あ・・あぁ・・あ】
人を刺したかも。
【何故だ、何故・・力が奪われる抜けていくぅぅううう、ううう!!】
「みんなが散々言ってたじゃないですか」
・・漆黒の毒婦は神を殺す不吉な象徴・・
【な、貴様!!】
「あたしは・・『漆黒の毒婦』なんでしょう!!」
【ギャアアアァァぁあああああああああああああああああ!!!】
ストネットからどす黒い煙がすぅっと抜けていった。
この空間が全体が、揺れ動いた。
「きゃ!?」
光が空間を照らす。
「ユイ!」
目を開けるとみんながあたしを囲んでいた。
「おかーさぁん」
子ども・・ユーキだっけ?愛しいわが子が擦り寄ってきた。
あう、めっちゃ可愛いですな・・母性が・・くすぐられますよ
「ストネットは?!」
「そこに横になってる」
「大丈夫死んでないわ・・私がトドメいれようかしら」
「エイル・・」
どうやら、皆無事のようだ。
「無事解決とまでは行かないようじゃの」
ゼロが穴の開いた天井を見ながら言った。
「あ?・・なんだありゃ」
安堵して腰の抜けたクロが呟いた。
空が、割れていた。
「あ!なにか落ちてきたよ」
流れ星のようにそれはユイたちのところへ落ちてきた。
「きゃ!」
ヴェルザがクナに抱きついた。
「もしかして・・フェアナ?」
『うぅ・・ユイ?我輩ももう・・駄目』
「どうしたの!?」
『人間の戦争・・ストネットの憎しみ・・大量の血と死と悲しみと憎悪・・すべて瘴気と変わり、天は毒の溜まり場となった・・そのせいで・・う”』
「フェアナ!しっかりして?!」
いつも白い服をきて輝いていたが、その姿に光は薄らいでいき・・身体は灰となっていった。
『神が・・御隠れになった』
「隠れた?・・死んじゃったの?まさか」
『我輩も・・神がいなければ生きられない・・この世界もろとも・・滅び』
最期まで言う前にフェアナは灰となり、風に流れていった。
「フェアナ!!」
そんな。一足遅かったって事?
「黄金の林檎の女神テレイア様は?!ルート」
「私が呼んでみましょう」
サァヤは手を組み天に祈りを捧げた。黄金の光があわられたが、光が消えた。
「ルート」
『よぉ・・おめーか』
星の子も辛そうに膝をついた。
『俺らの中に相当毒が回ってる・・コレはもう直せる範囲じゃない』
「ごめんね、あたしが役立たずだから」
『うぜぇからそういうな。それに事実だろ』
「うぅ・・酷い」
純粋にシリアスシーンにしては酷いよルーク
「どうすれば・・みんな助かるかな」
『俺たちは少なくとももう駄目だ・・俺たちの産みの神が死んだんだから』
ルークの身体もフェアナのように足元から灰になり風に流れていった。
「うそ、やだよ!ルーク!古いお付き合いじゃない・・ねぇ」
『ワリィ・・もぅ、もたねーわ』
パキ・・
『手前の心配してな』
サァァァ・・灰となり流れた。
「ルーク!アマル!!」
涙がずっと頬を伝って流れ落ちているのは分かっていたが・・どうしても涙を拭えなかった。
あぁ
あぁぁ
結局あたしにできるのは・・この程度だったの?
「おかーさん、泣かないで!ユーキがみんなを助ける」
ユーキの身体が金色に光った。
強い、力強いその光は大地を伝い、まるで世界に広がるように輪を描いていった。ユーキを中心に
「な、なに!?」
割れていた空がもとに戻ろうと動き始めた。破壊され燃やされ続けた建物の隙間から植物が生えはじめた。怪我をして今にも死にそうな負傷者が起き上がった。
奇跡が
まるで幸せの魔法のような奇跡が世界中におこった。
「うわぁ!!」
ユーキの身体から懐かしいものが浮いて出てきた。
「綺麗なビー玉!」
何の支えも無く浮いているものは、いつか見た綺麗な淡い翡翠色のビー玉だった。
ユイが驚いた声で叫んだ。
「偉大な神の御霊!だよね」
サァヤに同意を求めると頷いた。
「神の片目・・なぜユーキの中から?」
エイルが不思議そうに聞いた。はい、ゴメンナサイ昔私が飲み込んだだからです。ユーキのほうにいってるとは思わなかった。
「なんで今頃ソレが・・?」
≪今頃だからじゃよ≫
みんなで後ろを見た。
「「「「ぎゃああああああああああああああああ!!!??」」」」
悲鳴の正体が明らかに!!




