意思
「あんた達!おきな!」
ばぁぁん!!勢い良く扉が開き子ども達は飛び起きた。
「なんだよ母さんまだ夜じゃないかGでも出たのか?」
「敵が、この国全体が襲われているんだよ!」
「えぇ!?」
「アンタらは逃げる準備をしなさい!!」
外に出ると町は既に火の海と化していた。
しかし誰も城へと助けに求めることはしない、むしろ安い金で買った剣を持っていた。
「城なんか頼れるか!家族を守れるのは自分のみだけだい!」
「来るなら来い、俺たちの町・・守ってみせる!」
か弱い女子どもはへべの木の下で座って男の無事を祈る。
「母さんクロが・・あの子だって本物の騎士に戦い方を習ったんだ・・きっと大丈夫さ」
「ユーキも戦う」
「駄目!」
クナが幼いこの身体を強く抱きしめた。
「ユーキはまだ駄目」
「おまえたち、どうして誰も上ってこないんだ!城は受け入れ態勢を整えている。早くあがれ」
騎士達が誘導しに降りてきた。
しかし誰一人従うものは居なかった。
「言うことが聞けないのか!?そこに居ても死ぬだけだぞ!」
「死んだって構いやしないよ」
マリミアがみんなの心を代弁した。
「何だと貴様」
「おまいさんらお偉いさんはあたしらに何してくれたんだい?前回敵が襲ってきたとき守りを固めるためにあたしらを見殺しにしようとしたじゃないか。それどころか町の修理費すら出してくれないのに金は巻き上げるし」
「この国に住むものの責務だろう!」
「だったらおまいさんらの隠し持っている有り金全部おだしってんだよ!!」
ミドガルド一の凶暴女、アンブロシア看板女将マリミアが吼えた。
「あんたらは大体口だけで何一つとして協力しようとしない!あーあーおまいら偉いんだろうさ。偉いんだろうケド張りぼての虎と同じ、なーんも怖くないんさ!」
「な、なんだと、これ以上言ったら逮捕するぞ」
「えーえーどうぞ?あたしゃ怖くもなんともないさ!あんたらみたいな輩があたしゃぁ反吐が出るぐらいだぁーっい嫌いあのさぁ!!」
あまりのマリミアの勢いに押される騎士団。
しかし怒りが頂点に来たマリミアはもう止まらない。
「あんたらみたいな腑抜けといたって、悪魔の生贄にでもされそうだ!そんな危ないところよりこのへべの木の下に居たほうがいくらかも安全ってもんさぁ!!」
「へべの木に何の力があると言うんだ!!」
「無いだろうさ、あたしらだってない」
騎士は「はぁ?」と言う顔をした。
「無くたっていいんさ」
彼女はユーキの頭を撫でながら優しく目を細めた。
「あの子はいつだって力が無いと嘆いていたけど、一度だって強力な力を望んじゃいなかったよ」
「何を言っているんだ!」
「あの子はねぇ!・・ユイは!!ユイはあんたらの敬愛する導師、ストネット・アルバージンに呪われたんだよ!」
「貴様導師を侮辱するなどもってのほか!捕まえろ」
「止めてぇ!!母さんにさ・わ・ら・ないでよ!!」
クナはおてんば振りを発揮するかのように近寄ってきた騎士団に拳で殴りつけた。
「いたぁ!!」
「そもそも、あんた達偉い人がちゃんとしてないから、こうなるんでしょう!」
「何を言いがかりを」
「いいかがりなんかじゃないわ!!!!!」
近くにあった石をクナは思いっきり投げつけた。
他の女性もいろんなものを投げつけた
「あたしたちを舐めんじゃないわよ!!!」
「あたしらに構う暇あるんだったら戦いにでもいけー!!!」
耐え切れず騎士団は消えて行った。
力が無くて、弱くても、たとえ非力な存在でも
大丈夫。
私達は戦える。
『意思』がある限り。貴女がいる限り・・!
ユイはユイが思っている以上に想われていたってこと




