各国の意思
「戦場はドンドン悪化しています。東雲の国も、もう・・持ちませんね」
「華夜は恐ろしくないのですか?麻子は正直恐ろしい・・死が」
「怖くない、といったら嘘になります。風の噂で頼みの綱であったユイ殿が死んだと聞いてから、世界はもっと混沌としている気がします。・・いいえそれよりももっと」
華夜はミッドガウン国のある方角をみた。
あの国から、禍々しい気配を感じる。誰かが心臓に手を伸ばそうとしているかのような
不快。この一言に尽きる。
「駿一郎様」
戦姿のまま帰ってきた夫様に頭を垂れる。
「我この小国がココまで保っていられるのはデズヘイムール大国が他の大国と戦って総力を削っているからだろう」
「テロ集団は」
「よわたつぉのと気に牙を向く気だろう。今は嫌に静かだ」
「あそこには、ゼロ殿がおられますからね」
「知っているのか麻子」
「はい、もとよりあの方は旧王国の将軍の身でございました」
「なるほど」
頭も切れるわけだ。
「我々はいかんせん流れに身を任すしかなさそうだな。我妻よついてくるか」
「「はい、お供いたします」」
「拙者も、戦うでござるユイ殿の意思を継ぐデおじゃる~!」
愛するもの、己の信念のために戦う。
デズヘイムール大国国境近くにある森林の奥深く。テロ集団は準備を進めていた。
「やれやれ、ユイ殿が殺されるとはのぅ口惜しや」
「本当にそう思ってんのかよ」
「そうだね、イチルのほうがよほど悲しいのではないか?」
「よせよ、俺とアイツは関係ないね・・」
『駄目だよ、力だけじゃ……アタシ達は『心』があるんだから、話し合えば分かるはずだよ』
「・・ち」
本当にお人よし、しかも薄幸・・いいことなんて無かったんじゃねーのか
「こんな世情を見てなんとおもうだろうな」
『勢いがあるのはいいけど、平和的にいこうよ』
「さぁな・・」
耳に残るユイの声を払いながらイチルは準備を進める。
「近々大きな争いが起きる、そのとき叩くぞ」
それぞれの思いをのせて。




