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夫の直感


「おーい、ユイ帰ったぞ?」


町と村から少ない情報を得て家に着いたトリューだったが、いつもなら何処からかひょっこり現れるユイが出てこないのを確認すると、不吉な予感が脳をよぎる。


「まさか」


外に出て洗濯干し場にいけば、途中で干すのをやめた傾向が見られた。

予想的中


「攫われたのか」


何か手かがりは無いか辺りを見回す。



ぽう


しゅん!


「お、師匠」

「どうも、おや?どうかしたのですかな?」

「どうもこうも、ユイの奴攫われちまったみたいだ」

「はっはっは」

「笑い事じゃないぞ」


少しむっとしたように言うと頭領は頭をかきながら謝った。


「うむ、で?」

「でって、情報なら無いぜ。何処の国もユイ頼りにしたいのはあるみてーだけど、今は猫の手も借りたい状態だからな」

「動くに動けないってところですかな。ま、エレボスの魔物バケモノは方々に出現しましたからな~」


その被害は平等に与えられた。


「「……となると」」


二人声が重なった。

考えられることは一つ。



「反政府派である、旧文明の奴ら」

「ですな」


……。


「とりあえず君は洗濯物を回収するのですな」

「カピカビになるだろ」


所帯じみていた。


ぽつ……ぽつぽつ


「雨ですな」

「家の中に入ってていいぜ、にしても……」

「ん?」


洗濯物を回収しながらトリューの手は止まった。


「ユイが悪さしているような気がする」





(な、空気が固まった気がするですな)


後は黙々と回収していく、その背中を見ながら頭領は『恐るべしトリュー』と心の中で呟いたのであった。


ある意味以心伝心している若夫婦であった。

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