前駆陣痛
時間と歴史は紙一重、流れる風は動かぬ大地に何を思うのだろうか・・。
アーネット、カーミル、ソルン、ジョエル、ナーチェ・・その名もウィンター七姉妹
ウィンター家は世界の情報を網羅し、世界の実権を裏で支配するべし。
すなわち、エリート家族であるべし。
「はぁ・・」
「そのうち四女であるジョエルに狙われているなんてお客さんついてないアルねー」
「はぁ・・」
「ユイ、諦めなさい、タルタンはこういう性格だから」
ウィンター家五女のタルタンは桃色の髪の毛をぴんと上に向けて立てており、メガネもなんだか似合ってる。
「用心棒だよー、っていってもタルタンつ・よ・くなーいん・だ・ZE★」
「駄目ジャン!?」
エイルは頭を押さえた。
「兎に角ユイが安全に子どもが生まれるまでココをカモフラージュするぐらいはできるはずよ」
「臨月まだまだになりそうだねーユイちゃん、お腹の子の性別はお医者さんなんて?」
「まだはっきりとは、アタシもう何ヶ月もここにいるけど・・トリューを一度も見ていないんだけど、大丈夫なのかな?」
「しーらない」
全くもってあっさり言いますねエイルさん
「ユイはさ、旦那より自分の心配しなさいよ」
「え?」
「おしるしがあったんでしょう?」
「うん、陣痛くるんでしょう?マリミアに聞いた。正直かなり怖い」
「大丈夫ノーマンターイ~」
う
みんながあたしをみる、何故ってあたしの顔が情けないものになったから・・。
「い、いたい?」
「なんで疑問系なのよ」
「だっだって・・う、痛い、いた・・うぅぅ~?」
痛いような痛くないような、いや、痛いんだけどなんだろう、ぎりぎり我慢できる範囲?Mじゃないけど、このぐらいならもっと痛くても平気と言うか?あぁ、でもヤッパリ痛い・・あう~
「大丈夫?」
「いやいやエイルさん撫でるならお腹じゃなくて背中をお願いします・・」
「陣痛?」
「う、うーん」
「いいえ違います、それは陣痛ではなく前駆陣痛」
エイルさんはユイを見た。
いやあたしに説明を求められても
「カーミルネーさん」
タルタンが嬉しそうに飛びついた。
「アーネットはトリューさんと一緒に東雲の国で匿らさせていただいています」
「末のリンナのところ?」
「えぇ、もう痛みは無いでしょう」
「あ、ほんとだ」
「前駆陣痛は陣痛の前予行練習というものですね」
「予行練習?」
「はい」
カーミルは微笑むとエイルの家の中を勝手知ったる様子で歩き回り、紅茶を用意しユイに渡した。リラックスティーらしくにおいをかいだだけで落ち着いた。
「陣痛は子宮が収縮して赤ちゃんを押し出そうとしている運動のことです、簡単に言っちゃえばですよ?陣痛なら痛みが規則的に30分間隔から15分間隔へと徐々に間隔が短くなってきます」
うんうんとあたしはメモをとりながら頷く。
「そうなったら産まれます」
「早!かなり今説明をはしょりましたよね!」
「すみません、母の出産の手伝いをしたので詳しいのですが、お医者さんではないものですから・・」
十分詳しい説明でしたよ
「じゃあもうすぐかな?」
「そうですね、そろそろでしょう」
もうすぐ
もうすぐ君に会えそうだよ、愛しい子
時間軸は都合で進行中




