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夫と彼女の会話


「おい、大丈夫か・・おい」


トリューはところどころで血を流しながら山道を歩いていた。緊急事態なことにアーネットが先ほどから何の反応も示さなくなった。


「おい、あんた」

「……うるさい、聞こえている」


アーネットの声を聞いてトリューはほっと一息ついた。

おんぶを一時止めてゆっくりとおろす。


「そこに湧き水がある、汲んで来るから動くなよ」

「……ぐぅ、くそ、武術師範であるこの私が、愚妹に遅れをとるなどど」

「……あの女、不思議な力を持ってたけど、何だったんだ」


アーネットは木にもたれると深い息を吐いた。


「あれこそが真のウィンザー家に伝わる神技しんぎだ、私ですらアレのタネは分からん」

「ウィンザーってのはお前の一族か」

「そうだ・・そしてそれは男しか名乗ることができん、また神技も男しか教えてくれないはずだ」

「でもあの女、ジョエルだったか?アイツはその神技ってのを使ってた」

「私もそこが気になる。我々に末に弟が一人居たはずだったが・・」


アーネットは顔をゆがめた。トリューが巻いた粗末な包帯も再び血ににじむ。


「とりあえずユイは平気さ、俺たちは俺たちで養生しよう」


トリューもまた傷だらけだった。

恐らく死神は巣に帰ったことだろう・・。


○○○

○○


「ユイが逃げたと、あなたはそうぬけぬけと言うわけですか」

「・・・・。」


ストネットはコップを地面に力一杯たたきつけた。


「貴女には高い金を前払いで払っているんだ!ユイを・・力の無い小娘一人も殺せないのですか!?」

「・・・・。」

「貴女にかかっている人殺しの罪を帳消しにしたのに、これでは無駄だったと言うわけですか!・・もう一度チャンスをあげましょう。今度こそユイを殺せ。いいですね」

「・・・・畏まりました。ご期待に副えるよう尽力を尽くします」


ジョエルは無機質な声でそう宣言すると立ち上がり背を向けて歩き出した


・・うざい男・・己の力では何もできはしないくせに・・

それにしてもアーネット、ナーチェ、カーミル・・あの三人が組んだらさすがに厄介だ。おそらく『仕事』の邪魔をするだろう。

あの男に忠義があるわけでも、ユイとかいう女に恨みがあるわけでもない、ただ『仕事』は私の誇り、私のプライドだ、『仕事』の失敗は許さない、だからこそ『仕事』の邪魔はさせない。

それが、ジョセフとの約束だから・・


「・・『仕事』の前に・・密告者を潰さないと」



さぁ、どうしましょう。私が

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