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夫と私の


小さな幸せでもいいと思うユイに来訪者がやってきた。


「もうし、誰かおりまするか?」

「この声。天狗さん?」


ユイは窓を開けた。


「おぉ、ユイ殿さがしたでごじゃるよ」

「ごめんなさい、アタシ」

「大変でごじゃる、東雲の国が独立宣言をしたでごじゃる」

「えぇ?」


独立?


「なんだか話がこじれて分からないでござる」

「どうゆうこと?独立って」

「反乱軍にも帝都にもつかない中立の立場に表立って経つために独立派になったらしいでござる」

「それって反乱と同じなような」

「とにもかくにも大変なのでおじゃる。戦場のせいで我らアヤカシの生きる場所が狭まるのでおじゃ」


天狗が途中で倒れた。


「えぇぇ!?大丈夫?!」

「大丈夫でござる、ただ・・お腹が」

「すいたのね・・」


ぐーるるるとお腹のなる音がした、屋根の修理をしていたトリューが下りてきた。


「なんださっきの音」

「天狗のお腹の音」

「は?」


結いは苦笑いを浮かべた。


「食事にしようか」

「?」



食事を食べてすっかり元気になった天狗は満足そうにうなづいた。


「そこそこ上手かったでおじゃる」

「褒めてるの?それ」

「で?なんなんだこいつ?」

「拙者はユイ殿に助けを乞いにきたのでおじゃる」

「ユイに?」


ユイは前回の東雲の国のことを話した、テロや国や世界のこと


「ってことはあのときのふざけた奴はお前か!」


トリューはトンカチをもって天狗の首を掴んだ。天狗は悪びれも無くうなづいた。


「いかにも」

「なんだこいつ」


マイペースな天狗に脱力するトリュー、天狗のこの性格は最早根っからのものだろう。

ユイは立ち上がり食器を運んでいく。


「ごめんね、アタシには何の力も無いんだ・・逃げるようでごめん」

「大丈夫でござる、拙者もとよりユイ殿に期待していないでおじゃった」

ごん

トリューがトンカチで天狗の頭を殴った。


「痛いでじゃる!」

「お前なー」

「じゃあ何しにきたの?」

「決まっているでおじゃろう、もちろん」

 

天狗はヒビのはいった天狗のお面を撫でながらユイを見た。

いや、ユイはみていない、正しくは・・


「お腹の子を見にきたでおじゃる」

「子!?」


ユイはお腹を自然と押さえた。

全然分からなかった。


「やったなユイ!」


何も知らないトリューはユイを抱きしめた。


「お腹の子は大事にするデおじゃるよ!なんていったってその子は次世代の---ふぐ」

「天狗はお腹の子がいるかどうか分かるの!?」


最期まで言う前に口を塞いだ。


「勿論でおじゃる、我々は命に敏感なのでおじゃる。人間と違って命を感じる能力に長けている。だから戦は嫌いでおじゃる」


お腹に子ども、私のこども、胸がどきどきと鼓動をうつ。

あぁ、願ってもなかった子ども・・

コノ世界に平和をもたらすだろう子ども・・そして、私は・・





もうすぐ死ぬんだ

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