夫からの
「母上ー!!」
自由太が大量のユリの花束をもって座敷に上がった。
「変な人たちやってきた!」
変な人たち?
ずかずかと靴も履いたまま座敷に入ってきた、なんというか先住民みたいな人たちが出てきた。
赤い色の髪の毛が鬼を思い出させる。
っていうか鬼?
「彼らは東雲の下りにある村にすんでいる、ヒワ族です」
「そ、そーなんだ」
つまり東雲の民ってことですか?
・・が、何しに?
「お前が最期の巫女だな」
「……」
「み、みこ」
アタシ、巫女とか聖女とかにもう何故かトラウマを抱いているんだけど。
きっとサァヤやエイルのせいなんだろうなぁ
「来てもらおうか」
「きゃあ」
華夜さんが武装集団(?)に腕を掴まれた。
「やめろでこざる」
忍者はあっさりと兵士の腕を切りつけた。
「ぐあぁ!?」
「うっわ!?」
忍者は優しく姫を抱き上げ、もう片手で自由太を持ち上げると自分の身の丈の二倍もある木の上に飛び移った。コレはスゴイ。でも問題点が一つ
「逃げるでござう!げほ?!姫さま、首巻きを引っ張られたら息ができぬでごじゃる」
「ちょ、ちょっと待ってください、ユイ殿は?」
「ユイ殿なら大丈夫でござろう」
その根拠はなに!?
「なんといっても人生のエキスパァトでござるからの」
いえいえ、人生のエキスパートならこんなに苦労していませんって!
「逃げるでござる」
「待ってください」
華夜がアタシをジッと見据えた。
いや、正しくは、アタシの後ろの人・・。
「分かっているね、華夜」
アタシの後ろに居るのは白熊みたいな巨大なおじいさん。
顔は厳ついし老人だろうに背筋はピンとしているし、声もハッキリしている。
「誰?」
「お父様……」
「父上!?」
あー似ているような……?似てないわ
「華夜」
お父様が厳しい声で娘の名を呼んだ。
「分かっています。……でも」
「お前の血が必要なのだ。お前の母と同じ、異人の血が」
異人の血?……宇宙人??いやでも違う、そうかもしかして
「華夜様のお母さんってもしかして……」
「漆黒の毒婦だ」
やっぱり---
「大姫をどうするつもりでござる!!」
「知れたこと、あれを生まれ故郷に戻してやるのよ」
生まれ故郷・・もしかしてアタシのいた世界?
「アレの母はワシの前を去る前にこういった『もし自分がこの世界に必要となったとき、自分の子を使え』といった。あれの娘は華夜だ」
「私が母様の世界へ行き、母様をお向かいにあがればよろしいのですね」
「そうだ」
「ちょっと待って!どうして異界の人が欲しいの?」
「何故って?決まっているだろう。今この世界は腐っている。分かるだろう?戦争ばかりだ、神すら何もしない、あれはあれの世界ではこの世のモノなど匹敵した武器などいくらでもアルといった」
たしかに弓矢やツルギに比べれば戦車や大砲などあるけれど
「だからって、異世界から武器を取り寄せてどうするつもりなの?」
「決まっている、この世の全てを破壊し、殲滅しつくし、新たな世界を造るのだ!」
「ふざけるな!!」
あ
周りの兵士が剣をユイに向けられたが、ユイはもう言いたいことを言おうと決めた。
「神様だって、諦めたわけじゃないんだ!望んでいたんだよ」
「なにをだ」
「平和だよ」
老人は鼻で笑った。
「神が平和を・・?ならば今のこの状況はなんだ!!」
ぐい
「きゃあ!?」
襟首をつかまれもちあげられた。
「ならば突如として現れたあの化け物は何だったんだ!あれが平和を望む神がもたらした恩恵か!?」
「そんなわけない、あれは戦争で生まれた人々の憎しみが鍵となったんだよ!!」
「貴様にそんなことが分かるはずが無い!」
「分かるよ!」
「なんだと!なぜわかるというんだ」
「見て分からないの!?アタシが漆黒の毒婦だからだよ!!」
黒い髪が目に入らぬか!
「ならばちょうどいい、貴様の魂を神に捧げ、神に力でも与えてやるんだな」
「え?」
老人の腰にぶら下がっていた斧が頭上に・・
うわ
「きゃあああああ!?」
「やめろぉ!」
自由太が老人に体当たりした。
「おぉ!?いつの間にでござるか」
「何事でございますか!」
「うわ、御前でござる」
御前?
「きゃあ!?汚らわしい下民め!下がりなさい。誰かー曲者よー」
あ、やっぱり古風
「ち」
兵士が現れ、華夜のお父様達は去っていった。
そして御前は自由太をみると「駿一郎殿!?」と叫んだ。あら、一発でばれた。
「おいたわしや駿一郎様何故このような姿に……」
きっっ
「げ」
睨みつけるのはあたしのほう、そうですよねーどう見てもこの状況、アタシが不利ですよねー
「そのものを捕らえよ」
あぁそうなりますよねー
たまに真面目なこと言うと、次の時には不幸が倍増しなのは……気のせいかな?




