夫は子ども
「えっと」
恋煩い……それは病なの?っていうか治しようが無いような……それに人の恋路の邪魔をしたら馬に蹴られて馬鹿になるんでしょう?
あ、それは違うか
「では、母上のところに行こう!」
「いや、でも!?」
忍者が背中を押した。押されたあたしは場所を移動した
これまた庭園が立派な場所だ
「母上ー」
ばたばたーと部屋に入っていった。「おじゃましまーす」小声でそういいながら覘くと、まるで小野小町のように美しい女性がいた。でも気になるのは長く垂れている髪が半分漆黒でもう半分が藍色だった。光の反射でようやく分かるぐらいだ。
「……あなたが、漆黒の女子様?」
「は、はい!ユイです」
布団から足を出すと正座してこちらに頭を下げた。
「私はこの国、東雲国の殿、佐武山駿一郎が妻、華夜ともうします」
「は。はぁ」
綺麗な声綺麗な動作、女の私が見ても惚れ惚れする。
「母上ユイは母上の病気をなおしてくださるんだ」
「まぁ」
華夜はユイのほうを見ると頬を染めた。
「申し訳、ございませぬ……」
「え?」
自由太は何も気にせず母にまとわりついていた。
「自由太様、庭に出てユリの花を取ってきてくださりませぬか?供もついておいき」
「合点でごじゃる」
「分かったぞ、摘んでまいる!」
消えて行った彼らの姿を見ながら華夜は頬を染めたままうつむいた。
「自由太様は本当は駿一郎様なんです」
「は?」
旦那様?
「自由太様は駿一郎様の幼少時代の名で、駿一郎様は東雲の大殿様なのです」
「なななんと!そうでごじゃったか」
「!!!」
後ろを見ると忍者がこうもりのように逆さで立っていた。
「きゃあああああああ」
「し!!自由太殿が……大殿がきてしまうでごじゃる、大姫詳しい話を聞きたいでござる」
「はい……駿一郎様はこの国とデズヘイムール大国の境にある大山にいるという、大蛇を倒しに行き見事たおしたのです。しかし」
「もしかして呪いとかいう?」
「いいえ、大蛇自体問題ではないのです、問題はその山に住まう天狗です。あれに術をかけられあのような変わり果てた姿に」
これじゃあ恋のお話ではなく、化け物語りじゃない
「困ったことでごじゃるな」
「えぇ」
「何が?」
忍者は天井から降りると正座をした。
「もうすぐ反乱軍と政府軍がくるでおじゃる」
「え」
「この国がどちらに味方するか、ハッキリしろと両方から声をかけられているのです」
コレが本当の板ばさみ?




