ヤッパリUターン
「よし」
深夜零時。窓の外に顔を出す。
下には既に人影があった。あの人たちに任せたらいいんだよね?
・・・
・・
・
「お待ちしておりました。ユイ殿ですな」
「あ、はい」
「し、こちらです。道は確保しております」
滞りなく草むらを歩いていき、どんどんお城から離れていく。
やっと帰れる、嬉しいはずなのに胸騒ぎがする。
「……!」
何故か城の上を見てしまった。
「あれは?」
黒い影がゆっくりと城の窓に進入していっていた。一人二人ではない、闇目ではあるが、五人以上は居るように見える。
「もしかして、敵!?」
ならば戻って伝えなくては、でも戻ることをすれば逃げ出そうとしたことがばれてしまう。
しかし、伝えなければ怪我をしてしまうかもしれない。
どうしよう
「大丈夫、城のことでしたらお気になさらぬよう」
黒い服に身を包んだ老年の男は背中を押しながらそういった。
「彼奴らは隣国の反乱粒子……この国の王に支援されている身」
「隣国……」
「王に危害など加える筈がございません」
隣国の、反乱粒子……
「イチル!?」
ゼロとイチルが城に来たの?だったら……なぜ、あんなに多人数で?
……もしかして
「ごめんなさい、せっかくの脱出の経路でしたけど、アタシ戻ります!!」
アタシがここに居ることが分かったんだ。
だったら短気なイチルが黙っちゃいない……と思う。
「ユイ殿?!」
えー、でも会ったら会ったでイチルに蹴られそうだな~




