盲目の姫
よし、もう私は決心したぞ。
こんこん
「失礼しま……」
今だ!!!
服を取替えにやってきた女官を悪いとは思いつつ押しのけ、軽く軟禁されていた部屋から飛び出す。
行くあてなど無いけど、とりあえずもうあの部屋に居るのは飽き飽きした。
「わーい、成功~~~うぶぶぶ!?」
すざざざざー!!!
いきなり何かに足を引っ掛け、すごい勢いでスライディングしてしまった。
「あちちちちあちちたちち!?」
摩擦あっつーい!
何に躓いたのかと足下を見ると、足があった。
「足」
から上を見ていくと、最近良く見知った顔
「なー、チェ」
「区切らないで貰いたいものです」
容赦なく足を引っ掛けたのはあなたですか~
「何をしている……のですか、何故貴女……ここにいるですか」
「えっと、えへへへ」
笑って誤魔化しても駄目ですよね
「ナーチェ?どうかしたの?」
「?」
「セェリ様……!」
よろっと現れた不安定な存在
美しいドレスを着飾った……盲目のお姫様であった。
目のあるべき場所を包帯でぐるぐる巻きにして隠してある……どこか異様なようで美しい風景
「……」
なんて、コメントのしずらい人だろう……BYユイ
「セェリ様何故出でクルですか?大人しくしてくださいです」
「あぁ、ここにいたのねナーチェ」
ナーチェに差し出された手を取ると安心したように微笑んだ。
「そこにいるのは、どなた?」
「あ……と、ユイです。はじめまして」
「そちらの方向を向いていなかったら謝りますわ。私はセェリアンヌ=ロディック……お見知りおきを」
ニコッと微笑む唇は可愛らしく初々しいものがあった。女のユイにもなにかくすぶられるような何かがあった。
だからこそ、気になった。
「ねぇねぇ、もしかして身分高い?」
「当たりまえだです。ジョルナン様の元、婚約者なのです」
こそっと聞くとサラッと凄いこと聞いてしまった。
「元?」
「とっくの昔に破棄されているです。ジョルナン様の片目は……少なくともセェリ様のせいで失ってしまったです」
「え?」
「お茶でもしませんこと?私ちょうど暇でしたから」
あたしはナーチェの言葉を気にかけながら、なんとかあの部屋から回避するため、セェリアンヌの好意に甘えることにした。
おぉう、そんなに睨まないでくださいなナーチェさん
忙しい忙しい、本当に今週は忙しい……,・>皿<・,




