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この連載作品は未完結のまま約4ヶ月以上の間、更新されていません。

宇宙、ヤバい。

作者:20ルーメン
はるか昔、ダークマター理論の発見を経て実用化された「ダークマターリアクター」は、天の川銀河全域に無尽蔵のエネルギーをもたらし、文明は一気に花開いた。だが宇宙開発が急激に拡大するにつれ、銀河規模の経済をどう管理し、安定させるかが新たな問題となる。そこで導入されたのが「EL(エル)」という銀河統一通貨であり、その取引記録を分散管理する「ELライブラリー」は、一時は誰もが信頼を寄せる最強の監視網と思われた。

ところが最近、ひそかに「イーシス」がまた大きく動いているという噂が、一部で囁かれ始めた。イーシスはかつてギャラクシーユニオンに属していたが、既に独立を果たした強大な組織。通貨を守るための絶対的な組織である。今ではユニオンをも超越する権限を得ている。その内部でどんな研究が進行しているか、公の場にはほとんど情報が出てこない。

その一方、銀河の中心で「エリカ・マリカ・マリックIV世」という名の若き天才研究者が注目を集めていた。ダークマター理論の開発史を築いた名門マリック家の新たな担い手で、遺伝子的に最高の資質を持ち、ダークマターリアクターをさらに先へ導く可能性を秘めていると評判だ。銀河の導いてくれる存在と期待されている。

そんな熱気の裏側で、辺境コロニーの一室に身を潜めるハッカー、ラファエル・クラインは、イーシスが抱える未公開のシステムを探っていた。表には出ないが、ELライブラリーの裏をいく何か――ノクトンなどと呼ばれる“新たな管理技術”に興味を持っているのだ。マッドサイエンティスト呼ばれ、行方を晦ました養父の影を追うように、ラファエルもまた、宇宙の深淵を覗こうとしていた。

銀河経済を支えるEL、そしてダークマターによるエネルギーの無限性。ギャラクシーユニオンの成立を経て、独立の道をたどったイーシスがさらに強大化していく陰で、ラファエルとエリカ・マリカ・マリックIV世の運命が静かに交錯しようとしている。誰もが豊かになったと信じるこの世界に、いったい何が隠されているのか。人知れず動く強大組織の秘密と、ダークマター理論の行く末が、宇宙の奥深くで交わる物語の火蓋をいま切り落とそうとしている。
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