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プロローグ
リメイクです!
「よし、できた。」
男は静かに呟いた。椅子の背もたれに深く体を預けながら、手のひらサイズの小さな機械を持ち上げる。その無機質な物体は、小型爆弾だった。
本当に作動するかどうかは分からない。ただ、計算上では半径3メートル以内にいる者を確実に吹き飛ばす威力を持つはずだ。
「やっと始まる……ついにこの時が来た。」
彼はそう言いながら、曇り空の向こうをじっと見つめた。
「健太……兄ちゃんがやるよ。必ずやってみせる。」
心の奥底に広がるのは、世界への深い嘆きと祈りだった。もし、この世界がもっと綺麗だったなら、もし、もっと美しく輝いていたなら、どれほど良かっただろうか。
「だからこそ、変えるんだ。この世界を、美しい場所にする。」
彼は胸に強い決意を宿し、そっと目を閉じた。誰もが過ごしやすい、穏やかで優しい世界を夢見ながら。