007
「貴族と同じ……ですか」
貴族…って何だっけ
と思ったけど常識だったら変に思われて冒険者登録できないかも
分かったフリをしておこう
「はい 時には貴族に代わって 意見を求められ政に参加する場面も出てくるかと思います」
何だかすごいことのようだが…今一つ凄さが分からないな
「なるほど…分かりました でも当面僕には縁が無さそうですね」
「そうですね 中にはトントン拍子にランクを上げられ 有名冒険者になった方も居ますが 稀ですね」
「多分 僕にはそういった器用さは無理かもしれません」
「大丈夫ですよ ギルドの依頼をこなしていけば 自然と上がっていきますので」
僕は言われるがままに残りの事項も記述をして
冒険者登録を続けた。
「最後に、こちらに貴方の血を一滴垂らしていただけますか?」
「え 血?」
そう言うと取り出したのは先の鋭い尖った刃物と
長方形の小さなプレート?だった
「この板に血を垂らしていただくと 冒険者として詐欺防止も兼ねた身分証明書になりますので。」
そんなものもあるのか すごいなぁ
僕は呑気に考えながら 言われたまま指先を少し切り 血を垂らした 痛い。
血を垂らすと、プレートが発光し 垂らした血は消えていた。
「はい 以上で登録は完了いたしました 以後こちらは貴方が常にお持ちください。 さっそく何か依頼を受けられますか?」
「そうですね 今の僕でも受けられるものは何かありますか?」
「鉄級の依頼でしたらそちらに張り出してる中からお選びください」
そう指し示す先には「鉄級依頼」と書かれたボードにピンでとめられた伝票がいくつか張られていた。
えーと…どれどれ…
・薬草の採取
・ゴブリン討伐
・トイレ掃除
・薬屋の店番
・商人の荷物持ち
・ギルドの解体手伝いetc...
ふーん色々あるなぁ
紙には詳細が書かれており、達成で得られるガルドの数も書いていた。
僕はその中から 薬草採取を選んで受付へと持っていった
「これでお願いします」
「はい 薬草採取ですね こちらはギルドからの依頼となりますので 説明させていただきます」
近くの指定の森にて薬奏が採れるエリアがあるらしい
そこでの一定量採取、ギルドへの提出で依頼達成のようだ
うん これなら僕でも出来るかもしれない
ギルドからレンタル品の背負いカゴを借りると僕はそれを背負いギルドから出ようと…
バァン!
激しくギルドの入り口が開かれた
「やっぱりオレたちの実力なら、ゴブリン退治なんて楽勝だったな!でも、あの宝箱、ほんとに罠だったとはなぁ!」
「 だから言っただろう?オレが先に確認しろって!あのトゲ、まだ痛むんだぜ…」
「まぁまぁ、結果オーライじゃん!それより、次の依頼はどうする?もうちょっと儲かるやつがいいな~」
「おい受付嬢!オレたちの腕を見せつけるために、もっと強いモンスターが出る依頼はないか?」
「オレらが鉄級ってのも納得いかないんだよなぁ早く昇格してくんね?」
ちょっと騒々しい感じの二人組が入ってきた
見るからに落ち着きのなさそうな軽薄さが見て取れる
うーん 関わらないようにしよう
さっさと出ていくことにした。