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018

「お? もう盾は選んだのかい?」


店主が話しかけてくる。


「えぇ 名工の影を感じるどれも素晴らしい盾でした」

「わっはっは! おだてても負けてやらんぞ!…ちょっとだけならいいが」

「いえいえ 本当に素晴らしいです 引き続き剣を選びたいのですが いいですか?」

「あぁ 勿論だどんどん見てってくれ」


剣のコーナーを見ていく

盾より品ぞろえはいいようだった。

様々な装飾の施された物や簡素なものまで武器が揃っている。

人の丈もありそうなこの大きな剣は、両手で持たないととても扱えそうにない。


「盾を使いますからね こっちの中から選ぶといいんじゃないですか」

「なるほど 確かにこれぐらいの大きさなら片手で扱うのによさそうですね」


そこには人の腕程の長さ、僕でも扱えそうな剣が並んでいた

 「値段はーっと…げぇ 1万ガルド…!?」

「盾よりも剣は値段が張りますねー予算はどれくらいあります?」


宿泊費用のことも考えるとあまり自由にできるお金は少ない。


「さ 3000ガルド…で…」

「おぉ…それは中々厳しいですね……」

「まだあまり稼げてなくて…買えるものはありますかね」

「こっちに1000ガルドから買える中古の武器のコーナーもありますが…正直おすすめしたくないですね」


指を差しているのは乱雑にカゴに入れられた武器たち。

どれもどこか破損をしており、刀身も曲がっていそうな品だった。

これは流石にお金を出すだけ無駄な気もするなぁ…


「むぅ…よし こうしましょう」

「?」

「こっちの、5000ガルドで買える中古剣のコーナーでしたら キラーアント戦でもギリギリ耐え得ると思います」

「ほうほう?」

「足りない2000ガルドを僕が立て替えますので、こちらから選んでもらってキラーアントを討伐。タークさんの取り分の報酬から2000ガルドを僕が貰うという形にするのはいかがですか?」

「なるほど!?ですが そんなことして頂いていいんですか!?」

「はい 大丈夫です 破損武器を持って戦っても恐らく勝ち目が薄いでしょうから 勝てる武器を持つべきです」

「洋一さんはその辺の経験も豊富そうですね」

「いえいえ これは無理を言って共闘をして頂くほんのお礼です」


さっそく5000ガルドの武器のコーナーから選んでいく

んー どれがいいんだろう… 武器は見てるだけでも心躍るなぁ

じーっ…と見ていると 例のステータスが見えてきた


あ 忘れてた 久しぶりに使うなぁ まぁ勝手に発動するんだけど


こっちの剣は…んん? ステータス補正…?

力+3…こんぼうを見た時はそんなものは出なかったな…

こっちの剣は…すばやさ+2…

武器によって微妙に数値が違うな 補正が全くないものもある。

ん? なんだこの…ずいぶん奥に…他の武器の陰にあるこの剣は…

他の武器をかき分けながら埋もれた武器を探る

そこには 他の武器とは一線を画す、鞘入りのシンプルな剣があった。

厚い埃を被っており長年誰も手に取っていないことが分かる

それを手に取り、鞘から抜きじーっと見る…浮かんできた


霧断ちの刃

ステータス補正

・ちから+3

・すばやさ+5

・ぼうぎょ+2

特殊効果 辺りに満ちる霧を払うことができる


おぉ なんか色々出てきたぞ

特殊効果…は ずいぶんザックリとした効果だ

これってもしかして 掘り出し物なのでは?


「いいものありましたか?」


他の武器を眺めていた洋一さんが尋ねる。


「えぇ これにしようかと」

「これは…中々よさそうな武器ですね いいんじゃないですか?」

「武器のステータスって見えますか?」

「ステータスですか? …いえ見えませんね もしかしてタークさん 見えるんですか?」

「はい こう 武器をじーっと見てると浮かんでくるようでして」

「おー すごいですね 鑑定眼ですかね 存在は聞いたことあります」

「鑑定眼…」

「はい 主に商人の方に多いのですが それがあると今タークさんがおっしゃったような能力が得られるとかで 非常に重宝するようです」

「そうですか…商人かぁ 私には向いてないかもです」


あまり物の売買とかには興味ないなぁ

どちらかというとやはり未知を探索する冒険者業の方が心惹かれる。


「では これと盾の代金を支払いしてきます」

「僕は先に表で待ってますね」


店主のもとへ行き、支払いを済ませた。


「…ほう お前さん、こいつが何か分かったのか」

「え? えーと 良さそうな武器だなって」


マズイ もしかしたら店主が置き間違えたとかで取り上げられる展開だろうか


「ふっふ パッと見てコイツがいいものに見えるわけがないだろう こんな飾り気のない他の武器よりも見てくれは目立たなかったはずだ」

「あぁ まぁ そうですね」

「となると あんた鑑定眼持ちか 商人になる気かい?」

「い いえ 別に商人には…冒険者をやりたいですね」

「商人やるような連中はな、こんなとこには足を運ばんものさ こんなとこ覗くよりよっぽどいい場所を知ってる」

「はぁ」

「鑑定眼に頼り過ぎるのも良くないが、そのスキルがあれば まぁある程度の冒険者にはなれるかもな 頑張りな こいつは、掘り出し物を見つけた者へのご褒美だ」

「あ ありがとうございます」

「気を付けろよ また生きて顔を出してくれよな」

「分かりました 生きてまた買い物に来ますね」

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