第1話 魔物
彼らと出会ってから3年がたった
この3年間俺たちは鍛えまくったからそこそこ強くなったと思う。
俺には剣の才能が、メガロは銃の才能があった。
しかし、フラスと炎と違い「能力」は俺とメガロにはなかった。
どれだけ能力を使おうとしてもできなかった。
その代わりか分からないが俺たち二人は身体能力が良いらしい
神様がくれたささやかなプレゼントかもしれない。
今日は《魔物》を倒しに行く。
「今日こそは《秘宝》を持ってる魔物をたおしたいな」
「あぁ、そうだな」
この3年間で手に入れた秘宝は4つ。元々彼らが持っていた秘宝は1つ
合計で5つの秘宝を俺たちは持っている。ここ最近は魔物に出会っても
秘宝持ちはいなかった。だからこそ今日も森へ向かう。
普通の魔物は群れでそこら辺にある村を襲う事が多いのに対して、
秘宝持ちは一匹でいることが多い。おそらく秘宝持ちは能力を持っているからこそ群れることがない能力を使えば秘宝持ちでない魔物が巻き込まれて死んでしまうからだろう。まあだからどうしたという話だが。そんな事を考えていると(考えてるか?)突然近くの木がメキメキと音をたてながら倒れてくる。
「いたぞ!みんな、準備しろ!」
今回俺たちが見つけた魔物は腕が長く、普通の魔物とは違い群れを作らず通常より巨大だ。これは流石に秘宝を『持っている』だろう。
能力はまだ分からない炎かもしれないし、氷を使ってくるかもしれない−−−さあ、どうくる?
瞬間、奴は飛び上がった。デカイくせにそこそこ動けるらしい。
だが、一瞬でココに落ちてくるわけではない。攻撃に関しては着地を狙えば簡単だ。俺以外もそう思ったのだろう。みんな攻撃態勢に入る。
だが、俺たちは奴が着地した瞬間吹き飛ばされた。
頭に?が灯る。こいつの能力で飛ばされたのか?分からない。
「開人、メガロ、炎、あいつの能力を探るぞ」
「OKだ。とりあえず近づいて攻めるだけ攻めるぞ」
「「了解」」今はフラスと炎に従うのが正解だ。
走りながら奴の能力を考える。着地の時の風圧だけであんなに吹き飛ぶことはないはずだが……
俺にはこの世界にどれほどの能力があるのか分からない。ただ、無数にある事は分かる。相手の能力が分からないぐらいで焦るな、俺。
考えを改めろ。自分の常識はすぐに崩れ去るもんだ。
「開人、ぼさっとすんな!」
「してないが?」何言ってんだ、メガロ
「いや、してるから」
「うるせぇぞ!お前ら、集中しろ」
「わかってるよ」その通りだ。集中しよう。
「そこにいるぞ!」
「とりあえず近づけ!」
「わかった」
俺たちの事を見ていない。気づいていないのか?
「いくぞ『神威』」愛剣を取り出し、斬りかかる。だが、今さっきと同じように吹き飛ばされ、攻撃は空を斬った。