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【ある聖女の手記 part2】

問題が発生した。

旅を初めてから数日後、ようやく私達は人間の住む街に到着した。これで水と食糧の補給が出来る、そう安堵したのも束の間、街の広場で魔族の女性達が縛り付けられているのを見てしまったのだ。


彼女達は裸同然の格好をしており赤黒く変色した生傷が痛々しい。中には耳を片方引きちぎられた猫耳族までいた。他の魔族も似たような有様でとても直視出来るような状態では無い。どうやら戦争の不満を敵国の捕虜にぶつけているらしい。


十人以上の市民、それも平凡な農夫のような彼らが、歪んだ笑顔を浮かべ嬉々として蛮行に参加していた。男達は魔族の女の首を絞めながら乱暴に犯し、女達は火で熱した鉄の焼きごてを押し付ける。魔族達は虫の息で何人かは既に死んでいるのかもしれない。いや、死んでいた方がマシだろう。


私達は気分が悪くなりすぐさまその場を離れようとする。

だが彼女は思うところがあったらしく民衆を必死に止めようとした。ほどなくして衛兵が出動する程の騒ぎになり私達は逃げるように街を出た。幸い馬車は回収出来たものの水と食糧の補給無しで旅を続けなければいけなくなった。


「お前は悪くない、ありがとう」そう言った彼に彼女は何も言わない。小さく啜り泣く声が印象的だった。

こんな人類を救う意味が果たしてあるのだろうか。

私達の旅は始まったばかりだ。

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