8話 誕生日と騒動
いつもありがとうございます。
急な展開になるので、読みやすくしましたが、申し訳ありません。
今後、間の話を出す予定ではあります。
主人公視点です。
食後の交渉からとなります。
どうしてこうなった。
私の計画は完璧だったはずだ。
後々、夕食後に上手くいくと思っていたのに
「お母様、今日会ったあのリディアさん。凄い魔法使いなのと、学園に通う予定で頭もいいそうです。私の魔法と座学を見ていただく様にしても良いですか?」
「感じは良かったけど、すぐには決まらないわ。」
「で、でも私もそろそろ勉強とかしないと、いけないのではないでしょうか」
「簡単には決めれないのよ。」
「私のお小遣いから給金を出す、でどうでしょう」
「その話じゃないのよ。アニエスが本気なら進めるけど、あの子の調査をしてからね」
「わかりました。」
上手くいくと思ったのに。
お母様は家族の事とか本人の事を調べないと許可できないらしく、近日中に調べる様だ。
よく考えると当たり前なのかもしれない。
「アニエスがそこまで気にしてるなら私が明日、特務隊を使って調べてみるよ」
お父様が話に入ったと思ったら、想定外の展開になってしまった。
特務隊。
特殊工作員の集まりで情報を調べたり、影ながら警護をしたりする軍の怖い人達。
辺境の地故のトラブル防止で王国の許可の元、正しく運用されている。
と信じたい。
「お父様、お手柔らかにお願いします」
リディアごめんね。
こんな事になるなんて思ってなかったよ。
せめて何事もなく終わる事を祈るね。
調査に2日ほどかかったが、特に問題は見つからず逆に高評価となった。
学校のお金を貯めている以外に、生活費として家にお金を渡してる様だ。
リディアの母親は病気で働く事が難しいらしい。
前に、学園に行くか迷ってると聞いた事があったのは、おそらくこれが関係している気がした。
「アニエスの言った通り、魔法はかなり得意みたいだ。教会の成績もトップだし、成績優秀というのも間違ってない様だ」
教会では子供を集めて座学、歴史等様々な勉強を教えている。
ハーヴィー家が援助を行う条件として日曜学校の様な事をやっているのだ。
「しかし、アニエス。魔法はわからないが、他の教養はアニエスの方が上だ。それでもリディアを雇いたいのかい」
「自分ではわかりませんが、私そんなに頭いいのですか?」
「殆ど学園の初等部までの話は、教えてもらっただろう。シャーリーが話す事、全部覚えていくので天才ですと言っていたぞ」
「あれが初等部の勉強だったなんて思いませんでした。それでもリディアは必要です!」
「そこまで言うのなら反対はしないよ。アンナにも私から伝えておこう。アニエスが決めたんだから責任は取るんだよ」
え、なんの事?
魔法の講師の話だよね。
わからないけど承諾しておこう。
「わかりました」
「リディアには私の方から伝わる様に手配するから、アニエスはそれまで勝手な事はしない様に」
本気でわからない。
何かとんでもない事になる気がしてきた。
リディアごめん!
夕食後にお母様から話があった。
リディアの境遇に感銘を受けた様で反対されなかった。
私は思ってる事と違うか聞くと、帰ってきた言葉は違っていた。
「ハーヴィー家が後ろ盾になる事ですよ。学園に行っても生活しやすいでしょう」
話が壮大になり私は変な汗がでた。
どうやら病気の母親もこちらで何とかするらしい。
お母様とお父様がリディアの事を気に入ったなら私はもう何も言わないけど、こんな事になるとは思ってなかったよ。
私は現実から目を逸らす事にした。
私の放心した顔をシャーリーは見ながら指摘した。
「お嬢様、顔が死んでます。戻ってきて下さい」
耳打ちされハッとなる。
お母様もお父様も、一度動き出すと止めることは出来ないので、上手くいく事を神に願おう。
「それでアニエス。お誕生日会にリディアは参加でいいのよね」
私は急に話を振られ戸惑った。
ああ、確かにそんな予定があった気がする。
「参加でお願いします」
「こちらで手配しておくわ」
私は現実逃避しかけており、そそくさと部屋に逃げて行った。
部屋の前でシャーリーと別れ、私は1人これからの事を考え直した。
収納魔法の中身を見直してると、魔物を呼び出す召喚アイテムとかクエスト報酬のお金とかポーションとかもかなりある。
例えば
魔物を出してリディアに狩らせる事で、短期で経験を積み英雄的ポジションについてもらうとかどうかな。
召喚アイテムを見ると、同じ効果あるかわからないけど、レベル50以上から80までのランダムで一体召喚とある。
この世界のレベル低そうだし、これなら大丈夫かもしれない。
やるかどうかは未定だけど、候補にしておこう。
考えた事なかったけど、この世界も魔物倒したら強くなるのかな。
試してみる価値はあるよね。
そんな事を考えたりしていたら誕生日の当日となった。
朝から様々な人が来て挨拶するだけでも大変だ。
前日に来る予定の名前を暗記するだけでも1日が終わる程多いのだ。
「お嬢様、顔から笑顔が消えてます」
シャーリーに指摘され、私は笑顔を作り直した。
これで、夜会に比べると参加人数が半分以下なんて頭が痛くなる。
設定された事を繰り返すだけのが、楽かもと考えすぐ頭を横に振った。
「はぁー、もう疲れた。シャーリー、甘いもの食べたい」
「お嬢様、言葉が乱れてます。ご用意致しますので、少々お待ち下さい」
そう言うと、シャーリーはお菓子を取りに行った。
アニエスに向かって歩いてきた男に、後ろから声をかけられる。
「アニエス、ここにいたか。ふふ、疲れただろ」
「はい、お父様。私もう疲れて喋れません」
「私も最初は疲れたし、貴族の名前など覚えきれなかったよ。慣れろとは言わないが、経験する事は悪い事じゃないよ」
お父様は私にそう言うと、手を振りながら奥へ歩いていった。
入れ違うようにシャーリーが戻ってきた。
「お嬢様、お菓子をお待ちしました。お飲み物もどうぞ」
「シャーリー、ありがとう。」
この世界のお菓子は甘い。
甘過ぎて何故か涙が出てくる程だ。
それを中和する様な飲み物は、柑橘系の果実水だ。
この近辺で取れる特産品を使い王都に輸出したりもする最近人気になっている飲み物だ。
「脳に糖分が入って生き返ったよ」
「お嬢様、そろそろリディア様が到着するお時間です」
そうだった。
そう言ってる間にリディアが到着した。
いつも着ている服ではなくフリフリが付いたやつを着ていた。
「リディア、待ってましたよ。来てくれてありがとう」
「アニエス様、お招き頂き、ありがとうございます」
「いつも以上に可愛いよ。ちょっと話あるからいいかな?」
「この服の事はいわないで!お話ですよね。」
私がそう言うと、恥ずかしがりながらリディアは答えた。
私は、談話室を使い話をする事にした。
「リディア、そんなに緊張しなくても大丈夫だよ」
邸に入ってからガチガチに緊張しながら足をすすめていたのだ。
「もし、汚したり壊したらどうしようかと思うと足がうまく動かない」
「そんな事は言わないから大丈夫だよ」
シャーリーにドアを開けてもらい中に入る。
ソファーに2人で座り、飲み物とお菓子を用意して貰った。
「シャーリー、ごめん。少しだけ席外してて」
「お嬢様、畏まりました。ドアの前で待機いたしますので、何かあればお呼びつけください」
シャーリーが部屋を出て行く。
「リディア、こんな事になってごめんね。いつもみたいに喋って」
「わかったよ。アニエス師匠、この様な場所に来た事ないから私は死んじゃいそうだよ」
「死なないでね。とりあえず、お菓子と飲み物あるから落ち着いて」
お菓子を食べ、飲み物を飲むとリディアは落ち着いた様だ。
落ち着いた様でよかった。
「それでね、話どこまでリディアは聞いてるの?」
「ハーヴィー家の使いの人が来て、後日お話ししますとしか、後は仕立て屋の店主が暫く来なくていいと言われたよ」
「ああ、ごめん。あのね、この前話したの覚えてる?」
「アニエス師匠に魔法教える話?」
「うん、あれ話通ったからね。残りは、後で話あると思うから今は気にしないでね」
「気になりますよ。何か条件でもあるんですか」
暫く2人で楽しく話し合った。
私はひどい奴だ。
急にそう思えた。
涙が意に反して流れていた。
「とうしたの!涙!涙出てる!」
「ほんとだ、何でだろう」
リディアに指摘されて私は気がついた。
涙を拭い笑顔を作った。
時間が来て私達はパーティー会場へ向かった。
私は緊張しながら挨拶をした。
中々に経験する事ないような事だった。
パーティーの食事はどれも美味しくリディアも喜んでいた。
何だろうか、騒がしさを感じる。
お父様も先程から特務隊と話し合ってる。
「シャーリー、何が起きたかわかる?」
「確認して参ります」
そう言うとシャーリーは裏へ消えて行った。
「リディア、何か変だから離れないでね」
「アニエス様からは離れたくないです。離れると帰れなくなりそう」
意味はわからないけど、近くにいるのならいいや。
暫くしてシャーリーが戻ってきた。
「お嬢様、確認した所ですが、魔獣が発見された事で慌しくなっていた様です。私兵と共に旦那様が出向かれてますので、間もなく解決するかと」
魔獣がこのタイミングで出るとは。
魔力を持つ獣は魔獣と呼ばれる。
しかし、何かザワザワと胸が騒つく。
「シャーリー!どんな姿とか聞いてる?」
「は、はい。空を飛んでいるそうです。全身は黄色、嘴は赤だった筈です。後、雷鳴の音を聞いた者がいるとか」
それは、魔獣じゃない!
サンダーバードという魔物だ。
サンダーバード自体はそこまで強くないが、その世界には脅威になり得る。
早く動かないとお父様が危ない!
「シャーリー、お父様が危ない。それは魔獣じゃない!早く助けに行かないと!」
「落ち着いてください。魔獣じゃなくとも旦那様は負けませんよ。安心してください」
「ダメ!ダメだから、教えなさい。何処に行ったの!」
もう普通に話していても埒が明かない。
ごめん、だけど今は急いでる。
使いたくないが、威圧させてもらう。
【威圧】
魔力を使いプレッシャーを与える
「み、南の見張り台です」
「リディア、ごめん。力を貸して、私だとまだ助けれないから」
「は、はい」
先程のやり取りをずっと見ていたリディアは威圧されつつ頷いた。
「お嬢様、私も連れて行って下さい」
「シャーリー、わかった。でもこれからの事絶対誰にも喋らないならだけど、どうする」
「絶対誰にも喋りませんので、連れて行って下さい」
「急いで、まずは外に出よう!」
私は焦っていた。
失いたくないとお父様を思っているからだ。
私がこのまま出向けば確実に終わる。
だが、それはできない。
これは私の我儘なんだ。
私は急ぎ外へと向かった。
お読みいただき、ありがとうございます。
何か気になる事や、こうした方が良いのでは、とかここはダメという所など、あればコメント頂ければ幸いです。
魔物は魔法を自由に使える脅威度が高い生物と認識頂ければと思います。
リディアの胃が痛くなるエピソードはいつか出したいです。
ある程度のスキルは持ち越してますが、人として成長する為、基本使わないです。
次回は初戦闘予定です。




