サナとレイト
龍に乗った、キングはまた龍に聞く
「どうして逃げたの?」
暫しの沈黙... 龍は深く息を吐く
「昔.. この世界は四人の賢者により創られた
そこに一人の女が降り立った。それが前王です」
「賢者たちは女に泉の女神から名を取り
サィナ、また草原を飛ぶ黒鳥の名を狩り取り
クロウと、そして前王の名を残しクロバーと 」
「これが世界の生い立ちです」
それを聞き。キングは首を傾げる───
「? でも、それと逃げた事は関係ないよね?」
「はい── 」
「それなら何かあったってこと?」
「左様、その何かをこれからお話しましょう」
数分前───
「それで、アイツが言ったんですよ
この鳥が僕は欲しい!! って だけど 」
「中学生でしかも修学旅行のペットショップで
ですよ。あの時はバカだと思いましたね 」
「ふふ、レイトとキングはいつから友達なの?」
「子供の時からですよ、お互い家は知らないし
でも、遊び場が一緒だったんですよ。
それから中学で一緒になって高校まで一緒です」
「それなら随分長い付き合いなのね。」
「ええ、腐れ縁ってやつですよ」
「羨ましいわ・・ 私の子供時代なんて酷いは
だって。遊ぶ相手も居なければ・・・・・
ずっとお屋敷の中だものつまらなかったわ 」
「俺らにとってはお屋敷の方が羨ましいですね」
「そんなことないわ。お屋敷と言っても
出来ることは少ないわよ、本を読むとか 」
「でも、やっぱり憧れますよ・・・」
「それなら今度は家に招くわ、
レイトもキングにもどれだけつまらないか」
「教えてあげるわ!」
「結構、根が深いんですね。やべ地雷だった?」
「レイト!」
「え、なんですか? もしかして聞こえました?
「なんのこと? それより! あそこよ!!」
「人が襲われてる! サナさん早く!!
助けに行かないと! キングは居ないので
サナさんが前衛を、俺は魔法を使います!!」
「分かったわ!」
魔物は襲いかかる。本来なら逃げれる所だが
男は座り込んだまま、恐怖に動けない様だ・・
「大丈夫ですかっ!」
魔物の攻撃を寸前で受け止めたサナが叫ぶ!
「・・・な、・・・なんでも・・・・」
「何? 大丈夫?」
何をそんなに怯えているの・・・・?
「ファイア!」
詠唱を終えた、レイトが魔法で空かさず
─援護する
「な!」
「レイト? どうしたのアナタまで・・・」
「魔法を吸い込みやがった・・・・・・」
「効かないよ、アレにはね。逃げるんだ」
「え・・・」
「君はサナだね? であっちがレイト君かな?」
「はい、でも何処で名前を?」
「運営にコネがある.... っと話は後だ
逃げる事がアレから生き残る最善の道だよ。」
「レイト! 逃げて・・・!」
「レイト! 聞こえてるなら逃げて!!」
「まずいね、捕食が始まっている」
「捕食! レイトはどうなるの!?」
「僕が助ける。君は街へ逃げるんだ・・ 」
「絶対に助けて!!」
「言われなくてもそうするさ。僕の責任だ」
「僕の罪でもう人は殺させない!!」