アルメリオン・ジ・ヴァージェの約款
「龍だよっ!! あそこ! 」
──キングは空に指を指す
「ね、カッコいいでしょ!?」
そう言うキングに二人は同じ顔をして笑う
「でもキング ここに来た目的は違うわ」
「魔物に襲われているプレイヤーが居た
そう言われたから来たことを忘れてないか?」
「そんなこと、どうでもいいよ── 」
「えっ・・・・」
キングの言った言葉にサナは驚いた...
「サナさん・・・?」
「レイト・・・ キングは前からあれなの?」
「って言うと?」
「いえ、ちょっと驚いたのよ まさか
キングからどうでもいいなんて言葉が出る
とは。思わなかったから・それでね聞いたの
「ああ、なるほどアイツは好きなもの
つまり・・・ 欲しいモノがあると
あんな感じになるんですよ、弱りました。」
「 テコでも動かないって感じね」
「ホントにそうですよ。俺はいいですけど
サナさんはどうします? あ、因みに
アイツはほっといても大丈夫ですよ。」
声なんて聞こえてませんから・・
そう── 笑ってレイトは言う
「それならアナタと行こうかしら?
道すがらアナタとキングの話を聞かせて貰うわ
「わかりました。付いてきてください 」
「ふふっ。頼もしいわね」
レイト、サナの二人は元々の目的であった
襲われていた人、を探し
キングは未だ一人で龍を見上げていた
「ガアァァァアアアァアァアアア」
「我は王を求めるもの・・・・・」
「そなたは王か───?」
偉大なる龍はキングに語りかける。王かと
「僕?僕は王様じゃないよ」
「ならば何故、今もそなたから私に声が
聴こえるのか・・・? 私は王の眷属、」
「王の血を与えられし古の古龍王── 」
「烟祖ヴァージェの子──
アルメリオン・ジ・ヴァージェ"で在る!」
「人の子よ.. 何故、私を呼ぶのか・・?」
答えを待つ龍、その風格は王の風に靡く
「僕は王様じゃないけど王様になるかもね
だって! 僕は欲しいものは絶対に手にいれる
「これが僕のポリシーさ!!」
「 其ならば──────」
「そなたの声が私に届くのも理解出来よう
そなたを前王サィナ・クロウクロバーの
継ぎ人と受け入れよう。そなたが触れよ 」
「私の体に... そうだ、それでよい 」
「我は旧約の盟を解き、新たな誓いに我を縛る
汝たる王は王たる器が計られた、これで・・ 」
「そなたが我を導く、前王は善い女性であった
そなた── 王からは似た何かを感じる 」
「・・・・・・・・・王よ、何か」
龍は辺りを見渡し始める───
「・・・・彼奴か!」
「誰のこと・・・・?」
「私に乗って下さい・・・逃げなければ.. 」
「誰が来るの・・・・?」
「先ずは空へ逃げてからです───」
「まさか・・・・・」
「なんなんだ。アレは・・?」
「う、嘘・・・・」
この時を以て、運命の歯車は目覚め回り始める