希望の光と悪魔の囁き
どれくらい歩いただろうか・・・?
ここはユーカリス草原、8時間前
彼らはここに居た。
現実時間でも相当な時間が経っている筈だ
だが、彼らはここから出られない
昔、システムに異常が起きた
後に僕ら賢者の四人にこう呼ばれる存在
「バグの実写体。膨大なバグデータ
を貯めこんだ、バグの人形がこのゲームでは
勝手に出来ていた。僕らは何もしていない 」
自然界で独自に生物が進化を繰り返し
生き抜く様に───
このゲームではゲーム自体が意思を持ち
プログラムやシステム等を書き換えていってる
あの化け物が現れてから僕らはこのゲームの
開発を止めようとした、しかし───
ある。科学者が僕に良い話を提案してきた
数年前────
「今川さん── ですね?」
「ああ、よろしく 君は?」
「ソウ・シルヴァー と、シルヴァーとでも」
「そうか・・で、君の提案と言うのは?」
「我々はアメリカで大規模な核エネルギーの
研究をしています。そこであのゲームが目に
入った訳です。ゲームというのは基本的に 」
「理論的にですがゲーム側の物をこちら側に
持ってくる事が可能だそうです。もちろん
それはあくまでも理論上、しかし科学者だ」
「やってみたいと思ってしまう。
禁断という言葉が我々科学者を危険にする」
「貴方はどうです・・・・・」
「やはり、停止させてもらう
あのゲームは本当に危険だ。もしも
この現実世界に影響を及ぼす様なら大変だ」
「では、その可能性がある所までは来ていると?
「・・・・・何も言えない」
「素晴らしい!! 偉大ですよ博士!
貴方は開発者ではない。科学者だ!
我々と同じですよ! 博士・・・・ 」
「いや、君と同じにするな気分が悪い
帰らせてもらう。 」
「博士! 博士!!」
あの時に止めていれば良かった
そう思わない日は1日たってなかった。
どうせどうなってもいいなんて諦めれば終りだ
だが、
それまでに生きていた人々の犠牲が多すぎる
僕には見て見ぬ振りなんて出来ない、そして
─数年が過ぎた今はシステムに阻まれ強制停止が
出来なくなってしまった・・・・・
やはり彼らを早く見つけなければ
「希望になってくれる」
「ほら見て! あれ龍だよ ドラゴンだよ!」
「そんなわけないだろ。キング・・・・・」
「どうやら本当みたいね。レイト──?」
「彼らならば・・・・!!」