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Liberal Online~龍や少女になったTS少年はVRMMOを楽しみます!~  作者: ひかもり
どきどき文化祭!?
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文化祭DAY2 後編!!

文化祭これにて終幕!!






文化祭を二人で回り始めてから数十分、香織はとあることが気になって集中できずにいた。


(手を握ったまま...)


教室から出る際に咄嗟に手を掴んでしまったのだが、廊下を歩いているうちに手を離すタイミングがわからなくなった香織。


これ以上ないほど緊張して恥ずかしいが、いつまでも繋いでいたい。


「香織!次はあそこに行こう!」


「っあ!ちょっと待ってぇ!」


渚に手を引かれて連れて行かれた先は3年生のクラスの出し物であるゲームセンターだった。渚と香織が教室前の受付に向かうと3年生が渚に声をかけた。


「あ、久里山さん。メイド服似合ってるね。」


「文武先輩!ありがとうございます!ここは先輩のクラスだったんですね。」


「あぁ、うちのは本格的だから楽しんでってくれ。友達と一緒にな。」


「ありがとうございます!」


文武先輩が店内専用のカードを渚に2枚手渡すと、次の来場者の対応を始める。渚と香織は揃って教室の扉を開けた。


「「えぇ!?」」


扉を開けた二人の視界に飛び込んできたのは、文化祭クオリティとは思えないほど電子的な光景が広がっていた。


見渡す限り機械、機械、機械!!真っ暗闇の空間を電飾の光のみで照らしている。配置されている機械はショッピングモール内のゲームセンターをモチーフにしたようで、UFOキャッチャーにメダルゲーム、みんな大好きマリンバの達人もあった。


渚と香織は教室に入って周囲を見渡す。


「これって借りてくるだけで相当お金かかるんじゃ...?しかもなんか広くない?」


学校内の教室の広さは全て同じはずなのだが、この空間はどう考えてもその広さを超えている。広さだけでも体育館くらいと言ってもいいくらいだ。


渚の言葉に3年の先輩が回答する。


「空間を上手に使えばこうして広くみせることも可能なんだ。証拠にほら、こんなにたくさんの機械が置いてあっても狭く感じないでしょう?」


「確かに...!!原理は全く理解できないけど...」


「いや、物理的に広いと思うんですが...」


渚は目を爛々と輝かせ「世界は広いや」と呟く。香織は何か気がついたようで先輩に顔を向けるが、彼はニコッと微笑んで流した。どうやら触れてはいけない領域らしい。


「ところで、これを全部借りてくるとお金が足りないんじゃないですか?確か文化祭の準備費用は...」


「あぁ、うちのクラスには機械が大好きな人がいてね。モノを見れば大体のものは組み立てることができるんだ。ここにある機械は全て彼が組み立てたんだよ。彼の手にかかれば、UFOキャッチャーやメダルゲームのプログラミングだってお手のものさ。」


マリンバの達人だけは著作権の問題があるからレンタル申請したけどね、とウィンクしながら話す先輩の言葉を聞いた渚は、目をギランとさせた。


「マリンバの達人...?」


「な、渚ちゃん...?」


「香織、リベンジといこうじゃないか!僕はあの時の屈辱を晴らしてみせるんだァァァ!!!そしてUFOキャッチャーで何かしら景品も取ってやるぅ!!!」



ーーー50分後ーーー




「渚ちゃん、もう時間が....」


「ごめん...せっかくの時間を...」


ミスコンの集合時間がきてしまったため、二人は教室を後にした。


UFOキャッチャーで片っ端から景品を取っては店員さんへ返していく香織と、景品を掴んだように見えてかすりもしない渚。

マリンバの達人で鬼レベル全良フルコンボをだす香織と、難易度超簡単で不可大量発生、ノルマクリアすらできない渚。


二人の対照的な結果に店員も空いた口も塞がらない様子であった。


「いいよ!前のデートの時を思い出して楽しかったし!」


時間がほぼ潰れてしまったが、香織が楽しかったのであればいいかと渚は思うことにした。


「じゃあ私は行くから。渚ちゃんはもう少し時間潰してから体育館にきてね。」


「うん!グランプリ取るの見てるから!!」


香織と別れた渚が暇を潰すため廊下をぶらついていると


「渚ちゃん!その格好かわいいね!」


「渚姉ちゃん、ガーターベルトなんて大人な...」


「皐月に紗良じゃん!来てたんだ?」


別の教室から出てきた妹二人に渚の顔も思わず綻ぶ。


「受験するならせめて文化祭はこないとねー!亜紀姉ちゃんともさっき会ったよ。」


「お姉ちゃんすごく周りを警戒してたけど、なんだろう...?」


「警戒...?」



そういえばさっき、ルーク先輩達3人が誰かと戦っていたような...?


「渚姉ちゃんはこの後どこか行くの?」


「ん?ミスコン・ミスタコン観戦までは何もないかな」


「それじゃあ一緒に回ろうよ!始まる前まで色々見てみたい!」



はしゃぐ紗良の意見もあり、3人はしばらく文化祭を見て回ることになったのだった。


「ところで渚姉ちゃん、香織ちゃんとはどうなったの?」


「は?どゆこと?」




************************************************************************************





『さぁ!今年もやって参りました!文化祭といえばのこの企画、ミスコン・ミスタコン!司会はわたくし3年A組城田信幸と、3年B組沼田茜さんでお送りします!!』


『はぁ、なんでまたこのコンビなの...』


舞台袖では体育祭の選手宣誓コンビの生徒がマイクを持って進行をしている。達也と香織はそれぞれ舞台袖で待機していた。


『本日は特別審査員として、在学中にミスコングランプリを3年連続で獲得した久里山亜紀さんにお越しいただいてます。本日はよろしくお願いします』


『あぁ、よろしく』


審査員席に座る亜紀に紗良と皐月は驚きを隠せない。


「(なんでお姉ちゃんあんなところにいるの!?)」


「(お姉ちゃんはこの学校で色々と伝説を残してるみたいだから。)」


「(つまり、在学中ははっちゃけてたってことだね。)」




『時間も押しているのでどんどん進めていきましょう!まずはミスタコンからです!各クラスの代表である男子生徒のみなさんには一人ずつ壇上に上がってもらい、自己紹介と私からの簡単な質問に答えていただきます!その後で3分間、アピールタイムが与えられます!ステージ上で観客のみなさんにアピールをしてください!!』



司会のその言葉に観客はさらに歓声を上げる。特に女子生徒の黄色い声援が多く、『○○くん、がんばれー!!』という声がちらほらと聞こえてきた。


『1年生から順に行きましょう!一人目はこの方です!』


その声に応じて舞台袖から達也が歩いてきた。


え!?いきなり達也!?


まさかのトップバッターとして参戦した達也に渚達3人は驚きを隠せない。


『ではまず自己紹介をお願いします!』


『1年の篠原達也です。』


『いやぁかっこいいですね!こんなかっこいいと彼女さん何人もいるでしょ?』


『いやぁ、今までいたことないんですよ!』


『またまたぁ!!』



二人の会話に観客が笑い、そのまま質問は続く。


Q.趣味は?

A.ゲーム


Q.好きな人は?

A.いない


Q.みんなに伝えたいことは?

A.校内で何も言わずに後ろついてくるのはやめてください。正直怖いです。


『で、では!アピールタイムに入ります!どうぞ!』


達也のアピールタイムに入ると会場内にイントロが流れ始めた。国内で爆発的な人気を誇る歌手が歌い、最近話題になっているアニメのオープニングの曲である。


「達也、歌うのかぁ」


渚の呟きに紗良と皐月がめざとく反応した。


「渚姉ちゃんと違って達也くんは歌上手いからね」


「むしろあそこまで下手に歌う方がすごいと思うよ?」


「やかましいわっ」


達也が歌い始めると、おぉ...という声が観客から漏れ出し、会場は静かになる。


達也は歌うことがゲームの次に好きらしく、ゲームのメンテナンス等で時間が空くと一人カラオケに行っているらしい。


以前に一度誘われて一緒に行ったことがあるが、その1回以降渚が誘われることはなかった。


「どうやったらあんなに上手に歌えるんだろうなぁ...」


((一生無理な気がする...))


渚の呟きに紗良と皐月の二人は同じことを考えていると、ある視線がこちらに向けられていることに気がついた。


「ちょっとトイレ行ってくるね」


「「わかった。」」


渚の小声に二人はそう返すと、渚は会場を出ていった。


達也の歌が終わった後も渚は戻ってこなかった。


『ありがとうございましたー!いやぁ上手でしたね!本物かと思いましたよ!』


『それはよかった。じゃあ次の人に行きましょうか!』


そこからはトントン拍子に進んだ。


紅髪の超絶イケメンの2年生が自己紹介をしたときはたくさんの女子生徒が気絶、自己アピールの時は手から炎や氷を出して会場を沸かせ、昨年のグランプリである3年文武が舞台に出た時には黄色い叫び声が会場内に響き渡る。アピールでは見事なフラッシュ暗算を披露しミスタコンを締め括った。


『いやぁ!今年のミスタコンは粒揃いでしたね!俺が惚れちゃいそうでしたよ!』


『え....?』


『....いや、冗談に決まってるじゃないですか』


『次はミスコンに参ります!最初はこちらの方です!』


『ねぇ待って!!俺は女の子が好きだから!!』


司会の楽しげな進行でミスコンが始まった。


『自己紹介をお願いします!』


『1年の篠原香織です。』


『あれ、もしかして篠原くんのご家族?』


『はい、双子です。』


『あらぁ!美男美女兄弟なんですね!』


司会の沼田さんから質問を受けている間、香織は会場内を見渡して肩を落としていた。


(渚ちゃんいないなぁ...)


少し落ち込む香織に司会はいくつか質問を始めた。


Q.趣味は?

A.ゲーム、アニメ鑑賞


Q.好きな人は?

A.います


Q.みんなに伝えたいこと

A.そっとしておいて


『好きな人がいるんですね!ちなみに誰?』


『いえませんよ!彼女には自分の口から伝えたいので!』


『確かにそうですね!...ん?』


彼女?と疑問符を浮かべる沼田さんの横で、城田さんが話を進める。


『それでは篠原さんのアピールタイムに入ります!』


すると会場内にはまた音楽が流れ始める。数年前映画の主題歌として流行ったラブソングだった。そしてそのタイミングで渚が戻ってきた。


「おかえり渚姉ちゃん!長かったね?」


「いやぁ、ちょっとね」


「今から香織ちゃんの愛の歌が聞けるからね!」


渚は舞台上の香織に目を向けると、二人の目が合った。


(頑張って!)


渚が手振りでそう表すと、香織は舞台上でにこりと笑った。


「〜♪〜」


会場の誰もが聞き惚れる声で香織は歌い始める。


「やっぱり綺麗な声してるよね」


音楽の良し悪しが全くわからない渚も香織の歌がとても上手だということがわかる。


「いつもよりうまいね」


「確かに。さっきまでめんどくさそうにしてたのに。」


紗良と皐月がジト目で舞台上の香織を見る。


会場のみんなが聞き惚れている間に香織の歌は終わってしまった。が、最後の最後で香織は爆弾を落としていった。





『渚ちゃん、好きだよ』



「へ?」





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