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森の主への挑戦③

変な部分が多いかもしれません。


誤字を確認次第訂正します。


気になる点がありましたらぜひコメントをお願いします!



「うぉっ!どんだけ硬いんだよこいつ!!」


大赤熊の腕を斬り飛ばそうと爪を振るったが、薄皮一枚切れただけで止まったのを見てナギは驚きの声を上げた。



普通の赤熊とは比べ物にならないほど硬い皮を持っているようだ。



腹も殴ってみたが、打撃もあまり効いたようには見えなかった。


再度横向きに振るわれた腕をのけぞることでかわしたナギは後方に跳び一旦距離を取る。



大赤熊の身体の動き自体は隙だらけなのだ。どこにでも攻撃をぶちこむことができる。


でも皮の防御力が高すぎてほとんど効かないから正面突破は難しい。




仕方ない。


強引に突破しよう。強行突破だ。


今まで使ったことのない〔身体強化〕を使って腕力を底上げする。



スキルを発動するとナギの全身を金色の光が包み込んだ。その後粒子となってナギの身体の周囲を漂っている。



スキル発動中はこの光の粒子を全身に纏うようだ。



スキルの効果を確かめるため、おもむろに足元の石を手に持ち力を入れるとバラバラと崩れ落ちる。


これならばまだ太刀打ちできそうだ。


そう考えていると大赤熊は腕を横薙ぎに振るってきた。


せっかくなので〔身体強化〕状態で攻撃を耐えられるか試してみることにした。



両腕を正面に構え片足を後ろに引き、衝撃に備える。



大赤熊の腕がナギに届いた瞬間とてつもない衝撃がナギを襲うが、〔身体強化〕のおかげか体勢は崩れずその場に踏みとどまる。



普通の赤熊の腕ですら吹き飛ばされたのに、大赤熊の腕では耐えることができたのだ。


〔身体強化〕の強化具合に驚きを隠せない。




しかしそう何度も受けられるものではないな。


耐えられるけれどHPは半分まで減少している。


強化をしているから減りは少ないけど。



念のため回復薬を使い体力を回復しておく。



〔身体強化〕によって強化した場合の自分の攻撃力も確かめておかないとな。



そう考えたナギは大赤熊に向かってダッシュして近づいた。


〔身体強化〕によって強化した足で踏み込んだことにより近づく速度も上がっており、まばたきの間にナギは大赤熊の懐に入っていた。



単純に強化具合を確認するため手を思い切り握りしめ拳を固めると、大赤熊へ狙いを定める。



「...喰らえ」



そして拳に力を溜めるとナギの身長よりも数メートル高い大赤熊の鳩尾に向けて思い切り跳び上がり、拳を叩き込んだ。



「!ッッッッッッッッッッ!?」


一瞬呼吸が出来なくなったのかうめき声は聞こえてこなかったが、ダメージは与えることができたらしく大赤熊はドスンと膝をついた。



膝をついた状態でも大赤熊はナギの身長の2倍ほどの大きさだった。



しかしチャンスである。


〔身体強化〕を使用すれば少しでも攻撃が通りやすいことがわかったし、今は膝をついているから攻撃がしやすい。


死に物狂いで攻撃を叩き込めばなんとか倒せそうだ。


そう考えるが早いかナギは大赤熊の頭の高さまで跳び上がり、手のひらで大赤熊の頭を掴むとそのまま力任せに地面へ叩きつけた。



地面に横たわった大赤熊の上に飛び乗ると強化した両手の拳で大赤熊の顔を連続で殴る。


無我夢中で殴り、殴り、殴り殴り続けた。



何回殴ったのだろうか。



気づいた時には大赤熊は光の粒子となって消えていくところだった。




ここまでやらないと大赤熊は倒せないのか...



こうなったら一発で倒せる方法で倒していくことにする。


首の骨を折るとかね。


というか首から上を重点的に攻撃すればなんとかなってしまうんだよなぁ。


現実で確実に死ぬやり方はこのゲーム内でも確実に死ぬ。



例えば、腕を切り離したら痛いけど即死はしない。しかし胴体が両断されたら遅かれ早かれ死ぬ。首と頭が離れたら死ぬ、といった具合だ。



急所を狙い続けて1秒でも早く倒すことを目標にしよう。


目潰しは手っ取り早い。爪で頭を貫くのも良い方法かもしれない。



足止めとして魔法も活用すれば早めに倒せるだろう。



そう考えている間に大赤熊が一匹奥から出てきた。


2ndステージクリアのためには合計5体のビッグブラッドベアをソロ討伐しなければいけない。



1体目は拳で顔をボコボコにしてようやく倒せたが、2体目以降は魔法をしっかり使っていこう。



そう決めたところでナギは大赤熊と正面から向き合った。



「足元を凍らせて動けないようにすればあとはやりたい放題だな。」



そう考えるが早いかナギは“氷霜“を発動すると口からブレスとして発射した。



突如放たれたブレスに目を奪われた大赤熊は回避行動を取るが、ブレスが着弾した箇所から凍りつき瞬く間に大赤熊の周囲は氷に覆われた。


それだけでは終わらず徐々に大赤熊の足元から凍りついていき、数秒後には立派な氷の彫刻が完成した。



足元だけを凍らせるつもりだったが、これはこれでやりやすい。


しかし時間をかけると氷を割って動き始めるだろう。今のうちになんとか倒してしまわなくては。


〔身体強化〕をした状態で爪を出し、大赤熊の頭部に力任せに突き入れた。



爪は途中突っかかりながらも頭部を貫き、大赤熊の頭からは多少凍りついたシャーベット状の血が吹き出した。


凍りついた大赤熊は彫刻のまま倒れるとその場で全身の氷が砕けた。その後ゆっくりと動き出す。



「は!?生きてんのこいつ!??」


さっき頭貫いたのに!?どうなってんのこいつ。頭は弱点じゃないってか!?


しかしまずい。


これで倒せないとなるとほんとに倒し方がわからない。


絶対に死ぬのは首チョンパすることなんだけど、皮が硬くて爪だと斬れないんだよなぁ。




....首を斬り落とすのはできないけれど首を折ることならできるな。



とりあえずこの仰向けに転がっている大赤熊の体勢を固定して、首もとに渾身の蹴りをお見舞いすればいけるはず!



そう考えたナギは再度大赤熊の首回り以外を凍らせていく。


首回り以外が凍りついたことを確認するとナギは〔龍の翼〕で空高く飛び上がった。



空高く飛び上がったナギは大赤熊に向かって落ちるように急降下し、奴の喉元へ膝から飛び込んだ。



高所からの膝ダイブは大赤熊の喉を押し潰し、地面に大きなクレーターを作る。周囲には砂塵が舞い視界が埋め尽くされた。



砂塵がおさまった時、その場にたたずむのはナギただ一人であった。



「まさかここまで威力があるとは...」



落下速度によって威力が増すことを目的とした攻撃だったが、高く飛び上がりすぎたようだ。



しかし〔龍の翼〕を今まで完全に忘れていた。



これからはしっかりと使ってあげないとかわいそうな気がする。ちゃんと使うことにしよう。



なにはともあれこれで2体のビッグブラッドベアを倒すことができた。



後3体倒さなくてはいけないのか。


道のりは長い。


しかし、翼の存在を思い出したのは大きい。これで戦術の幅が広がった。




そこにさらに出現した大赤熊が地面を抉りながら腕を振り上げ、岩を周囲に撒き散らす。



一つ一つがナギほどの大きさの岩だったが、ナギは翼を使い空中にてそれを回避する。



大赤熊の周囲を飛び回りながら顔に蹴りを放ち、腕に爪で傷をつけ、顔面に拳をめり込ませる。


時折振り抜かれる大きな腕は空中にて掴み取り、その腕を軸として背中へ回り込むとそのままドロップキックをかます。


最後に口から“炎“を放ち全身を燃やし、体力を全損した大赤熊は消えていく。



ピコン!



「ん?」


突然の通知にナギは顔をあげるとアナウンスが流れてきた。


どうやら〔錬成武装〕〔纏気〕というスキルを入手したそうだ。


この〔錬成武装〕スキルは魔力によって武器を具現化することができるというものらしい。武器を同時に複数展開することも可能だが、個数が増えるほど強度が落ちるというもの。


つまり武器の個数を1つに絞れば強度は問題ない。


〔纏気〕は身体を魔力で覆い、打撃の攻撃力を上げるというもの。自身の所持する属性魔法を身体に纏うこともできるようだ。


身体の一部分に纏うこともできるため拳や足に纏えばさらに打撃が強化される。



ナギは種族特性として《龍の鱗》というものがあるため物理攻撃は強い。


この二つを掛け合わせればさらなる攻撃力を生むことになるだろう。



スキルの具合は目の前の大赤熊で確かめることにしよう。



「本来の目的はこんなことじゃないんだけどなぁ....」



新たに出現した大赤熊を横目に見ながらナギはそうつぶやいた。



みなさん忘れてないでしょうか?



森に入った理由は金を集めるためだということを。


思いがけず高ランクモンスターを狩ることになってたくさんお金が入ってきていたので目的自体は達成できている。



まぁ今のクエストはなんとかクリアしてしまいたいな。



そう考えるとナギは大赤熊に正面から向き合った。



翼を使って空高く飛び上がり、大赤熊を見下ろすように滞空する。


今回取得した新たなスキルを使って倒す。


〔錬成武装〕によって刀を作り出し、大赤熊へ襲いかかる。



振り下ろされる腕を刀でいなし、そのまま腕を斬り落とす。


「うおぉ!!斬れ味は抜群だ!!」


痛みに声をあげる大赤熊を見ながら隙ができたところで懐へ入り込む。


懐に入り込んだナギはニヤリと笑みを浮かべると目にも止まらぬ速さで大赤熊を斬り結んだ。



「グアァァァァァ......」



そう最後に声をあげると大赤熊はバラバラと崩れ去った。



ナギは手元の刀を少々眺め、はぁ..とため息をついた。


「ちょっと腕落ちたかなぁ...?」




しかしこれで4体のビッグブラッドベアを討伐した。


残り1体でFinalステージとなる。



最後のビッグブラッドベアに正面から向き合い、拳を構える。刀は戻した。




数秒間お互いに見つめ合い、沈黙の後に最後の戦いが始まった。



右腕の鋭い爪がナギの眼前を通り過ぎる。その腕を掴み大赤熊の顔の前まで跳び上がると〔纏気〕を足に発動し渾身の力で蹴り飛ばした。


大赤熊は勢いよく吹き飛び、地面に倒れる。



それを迫ったナギは横たわる大赤熊の腹部めがけて両膝で飛び込んだ。


拳に〔龍魔法〕“炎“を纏わせると顔面に拳を叩き込んだ。


流石に大赤熊も危険を感じたのか横たわった状態のまま腕を振りまわし、振り上げた大赤熊の腕に当たったナギは空高く吹き飛ばされた。



翼を使って上手にバランスを取ったナギは〔錬成武装〕にて特大の戦斧を作り出すと、それに“雷槌“を纏わせ地面に急降下する。



「喰らえぇぇぇぇぇぇっ!!!!!」


そして地面に横たわる大赤熊に振り下ろした。



地面から大きな砂塵が吹き荒れる。


砂塵がおさまったときには大赤熊は光の粒子となって消えていくところであった。


ーーピコン!




『2ndステージクリア。Finalステージを開始します。


 EXTRAクエスト【森の主への挑戦】

 発生条件:ブラッドベアのソロ討伐

 1stステージ:ブラッドベアソロ討伐                 10/10

 2ndステージ:ビッグブラッドベアソロ討伐              5/5

 Finalステージ:エリアボス[ジャイアントブラッドベア]ソロ討伐   0/1

 ※一度離脱、または敗北すると討伐数はリセットされます。         』




最後の戦いが始まった。






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