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森の主への挑戦②

お待たせしました。


新年度入って学校も仕事も大変になるかと思いますが、そんな中でも読んでいただければとても嬉しいです!


これからもどうぞよろしくお願いします!








「そういえばナギはまだきてないのか?」



もうすぐ夕方に差し掛かる頃になっても見当たらない幼馴染の姿を思い浮かべながらロイが尋ねた。


「どうなんだろ、ログインはしてるみたいだけど...」


フレイヤがフレンド一覧を眺めながら呟いた。


フレンド登録している人は、一覧でフレンドがオンラインかオフラインか確認することができる。


ついでに双方の了解があればマップ上のどの位置にいるかを確認することもできる。



マップ上にナギのアイコンが表示されるとフレイヤは言った


「あ....ナギくん森にいるけど。結構奥に行ってるみたいだね。レベル上げしてるのかな。」


「森?ナギの実力ならもっと別の場所の方がレベルは上がりやすいと思うけどな。」


ロイはナギのPvPでの戦いぶりを思い出しながら言った。



あの格闘術や魔法ならそこら辺のモンスターなんて相手にならないはずなのだ。


多分一撃で終わる。




「そういえば、あの森って一匹とんでもなく強いのいたよねぇ....」


フレイヤが思い出したように呟いた。


その言葉でロイは一匹の巨大な赤黒い熊を思い出し苦笑いをする。


「あぁ、あいつか。あれはもう戦いたくないなぁ。」



防御は硬い。動きは速い。攻撃が重い。何よりデカイ。



手のひらの大きさがナギ3人分くらい、といえばサイズが大体わかるだろうか。



「その前に倒さなきゃいけない熊もたくさんいて大変だったよね〜」



「あぁ、少なくとも1人で倒せるやつではないな。」


取り巻きのやや大柄な赤い熊を思い出しながらロイとフレイヤは話に花を咲かせる。


「まぁいくらナギでもあれは無理だろ!」


そう言って笑ったのであった。




*************************************************************************************




「ふぅ、これで8匹目か。」


赤熊の首を爪で斬り飛ばしナギは呟いた。




一度倒したらその後は手慣れたもので続けざまに赤熊を倒していく。


首を折る、頭を燃やす、斬り飛ばす、などなど。



さまざまな方法で赤熊を倒していく。




そう考えている間にも新しい赤熊が襲いかかってきたため、とりあえず攻撃を避けておく。



そして手のひらに〔龍魔法〕“氷霜“を発動させると、すぐに駆け出し赤熊へ接近する。



赤熊の正面まで来ると思い切り飛び上がり、赤熊の顎を膝で蹴り上げる。



顎を蹴られることで強制的に口を閉じられた赤熊は痛みに雄叫びをあげることもなく宙高く飛んだ。


地面に降り立ったナギは上空に飛ばされた赤熊に手のひらに向け、拳大の大きさの冷気を発し続ける氷塊を放った。



空中で氷塊に当たった赤熊は着弾箇所から徐々に凍りつき、空中で完全な氷像となった。そのまま落下を始め地面で粉々に砕け散った。


「これで9匹目だね」


消えていく残骸を眺めながら呟いた。


一体この熊は何体出てくるんだろう?


無限に出てくるんだとしたらここほど効率の良いレベル上げスポットはないと思う。


今のナギのレベルは24になったところだ。〔格闘術〕と〔龍魔法〕、そして〔龍の爪〕のスキルレベルもとても上がっている。


そういえばこのゲームってまだサービス開始してから2日目なんだよね。



あれ?はたから見た僕って相当な廃ゲーマーなんじゃないか....?


だってそうでしょ!?ゲーム始めて2日目でレベル24て....某モンスター育成ゲームだったら一回進化して街の強い人3〜4人倒してるくらいだよ!?


思っている以上にのめり込んでいたことに多少ショックを受けるナギだったが、まぁ強くなる分には問題ないかな?と思い直す。


ある程度やったら帰るつもりなのでとりあえず気が済むまでは戦おうと思う。


そうするとさらにもう1匹の赤熊が出てきた。


そういえば、〔龍魔法〕は全属性の魔法がブレスとして出せるとなっていたけれど、先程“氷霜“を出した時には氷塊、つまりブレスじゃなくても出すことができた。


ということは他の属性も同じように塊で出せるのだろうか?


物は試しだ。早速やってみよう!!


「〔龍魔法〕“雷槌“を球体に圧縮して....と。」



パチパチと音を響かせる手の上で球体となった“雷槌“は少しでも気を抜くと爆散してしまいそ

うで制御するのが大変だった。



しかしナギは集中力は持つ方なので気を張る分には何ら問題はなかった。



しかし、いつまでもこのままにしているわけにはいかない。



手のひらの“雷槌“を迫り来る赤熊に投げつけた。


それが着弾した瞬間、


ゴロゴロゴロゴロ......!!!!


雷鳴が鳴り響き赤熊は雷に打たれたように全身を焼かれ、硬直したのちに倒れた。




光となって消えていく赤熊を眺めていると突然アナウンスが流れた。


『1stステージクリア。2ndステージを開始します。』



1stステージ?なにそれ?



身に覚えのないアナウンスに首を傾げていると視界の左上に表示されている自身のプレイヤー情報欄の受注クエストのアイコンがチカチカ点滅しているのが見えた。


気になって開いてみるとこんな情報が表示された。


『EXTRAクエスト【森の主への挑戦】

 発生条件:ブラッドベアのソロ討伐

 1stステージ:ブラッドベアソロ討伐                 10/10

 2ndステージ:ビッグブラッドベアソロ討伐              0/5

 Finalステージ:エリアボス[ジャイアントブラッドベア]ソロ討伐   0/1

 ※一度離脱、または敗北すると討伐数はリセットされます。         』



あらら....思いがけずにクエストを受注してしまっていたみたい。



クエスト情報を見る限りだとあの赤熊はもう出てこないってことなのかな?



そう考えていたら森の奥からさらに赤熊が出てきた。




...と思っていたが違った。




今まで戦ってきた赤熊と今出てきたこいつを一緒にするのは良くない。



なんてったってこいつ.....





赤熊の3倍くらい大きいんだもん!!!


今までは小型トラックと戦っていたとすると次は大型トラックと戦うような気分だ。



威圧感が赤熊とは比較にならない。



敬意を表して大赤熊と呼ばせてもらおう。



大赤熊が両腕を振り上げ地面へ叩きつけると地面が大きくへこみ亀裂が入る。


同時に地面が大きく揺れ、ナギもバランスを取るのが難しくなった。


揺れがおさまりナギが正面を見た時には目の前に大赤熊の爪が迫っていた。



ナギは咄嗟に後方へ飛び、大赤熊の爪を避けようとした。



しかし間に合わず、腹部を切り裂かれ血が噴き出る。


「!!ぐあぁぁぁっ!!」



痛みにうめき声をあげ顔をしかめている時にも大赤熊の攻撃が迫る。


痛みのせいで俯き気味になっているナギに大赤熊の腕が振り下ろされる。


両腕をクロスさせ腕を受け止めようとするが、大赤熊の腕の衝撃を受け止めるには体格に差がありすぎた。


受け止め切ることができず、ナギは腕に押しつぶされた。


そのまま地面に叩きつけられ、地面には大きなクレーターができる。


「!ぐはっ...!!....かはっ...」


吐血し肺の空気も全て押し出されたナギは呼吸もままならない。



それでもなんとかのしかかる腕も退けると後方へ跳躍する。



やばい、真面目にやばい。


もう攻撃に当たったらあかん。



すでに八割ほどHPが削られており残りわずかしかない。回復しなければ。



そう考えるが早いか、アイテムボックスから初級回復薬を取り出し一気に煽る。



そうするとそこまで多くないナギのHPが瞬く間に全回復した。



ちなみにこの回復薬はフレイヤからのおすそ分けだ。多く買いすぎたからと言って分けてくれたのだ。


あと10本ある。


この一体を倒してなんとか次に繋げたいところだが、正直自信はない。


攻撃は全部避けるとしてこっちの攻撃がどれほど通るのか試していないからな。


冷や汗を垂らしながらナギは正面の大赤熊の攻撃に備えるのだった。






名前:ナギ

種族:龍種

性別:女

所属ギルド:なし


Lv.24


HP:320

MP:445


STR(筋力):250

VIT(生命力):100

AGI(敏捷性):425

INT(知力):170

MND(精神力):135

LUK(運):24/100


満腹度:46%


所持スキル(戦闘):

〔龍魔法〕Lv.15(種族固有)

〔龍の爪〕Lv.22(種族固有)

〔龍の威圧〕Lv.1(種族固有)

〔龍化〕Lv.0(種族固有)(未解放)

〔格闘術〕Lv.32



所持スキル(日常)

〔龍の翼〕Lv.9(種族固有)

〔身体強化〕Lv. 11

〔MP回復強化〕Lv. 19



種族特性:

《龍の鱗》・・・物理攻撃力上昇及び物理、魔法攻撃力耐性上昇。








ナギの最新ステータスはこんな感じです。


ソロでやるにしては早すぎん...?と書きながら思ってましたが


「まぁいっか」でこうなりました。



この戦いはまだ続きます!

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