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後部座席のクマ  作者: みくた
3/4

事件

 ひょんな事から俺の元にやってきた憑き物付のクマのぬいぐるみ。

 地味ながらも何かと俺の世話をしてくれているありがたい存在だ。

 クマと暮らし始めて一ヶ月程経った頃、事件は起こった。


 その日、仕事を終えた俺はいつも通り帰宅した。

「あれ?」

 部屋の鍵を開けたつもりが施錠されている。

「やべ・・・鍵開けっぱだったか?」

 改めて鍵を開け、俺は中に入った。

「やられた・・・」

 部屋の中は無惨に荒らされていた。

 暫しありとあらゆる物がぶちまけられ物色された部屋を呆然と眺めていたが、徐々に落ち着きを取り戻すと警察に通報する。


「・・・わかりました。すぐに捜査員を派遣します。極力部屋の物には触らないようお願いします。」

 そして、警察との通話が終了した。

 捜査をするため部屋の物に触るなというのは理解出来るが、俺としては盗られた物がないか非常に気になる上、床に散らばった性癖全開の素敵グッズをどうにかしたい。

 そういう訳で現状を崩さないよう注意しながら物の確認と素敵グッズの処理をした。


 そして確認の結果、友人との旅行のためにおろしてきた五万円と例のクマがなくなっていた。

「マジかよ・・・」

 いや、マジで何でだよ。俺からすれば大事なもんだけど、他人からすればただのボロいぬいぐるみだぞ?・・・まさかクマが自ら出て行った?

 大金である五万円より、クマが無くなっていることの方が俺にとっては重大だ。

 悶々と思考を巡らしているうちに警察が到着した。

 聴取の際に曰く付きのぬいぐるみが盗まれたなんて言える筈がなく、警官には友人から貰った大切なぬいぐるみと伝えた。

 そして、空き巣被害と処理され警察が帰ったあと、どこかに埋もれてるのでは?と藁にもすがる思いで部屋を復旧するもクマが見つかることはなかった。

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