表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地獄の世界を僕らが行く!  作者: 三上 空
第一章 血族との決別
5/96

第5話 戦闘訓練 羅掌組手 其の壱

 昨日からとても嫌な予感はしていたが、こうやって対峙すると恐怖はぬぐえない。

 

 「ほら来ないか、来ないならこっちから行くぞ」


 なんでこうなったか説明しよう…

_____________________________________


 ~8月11日早朝~

 

 「おい、俊介起きろ。」

 「っはい?なんでしょう?」

 「なんでしょうではない。戦闘訓練二日目行くぞ」

 「はい」

 「俺は朝食を作る。お前は洗面済まして、ランニングしておけ。」

 「分かりました」

 

 顔を洗って着替えて、少し境内をランニングしていると桜葉さんが、

 

 「食事にしよう」

 

 朝食を食べ終え、武器の手入れをしていたら、桜葉さんが外に来るように言った。

 

 「それでは今日の戦闘訓練は、俺と戦え。簡単に言えば組手だな。」

 「それは無理がありません?さすがに勝て無ければ駄目とは言い…」

 「駄目だ、と言いたいが、流石に無理があるだろう。」

 

 よかったと胸を撫で下ろすと、


 「なので今日は俺の背中が、地面につけば終わりだ。それまで続く。」

 

 それもそれで過酷だ。

 が、素手の組手は少し自信がある。

 小さいころ、少し空手や、柔術もやっていた。

 殴って来たところを投げれば良いだろうとも思ったのだが・・・

 対峙した瞬間空気が変わった。恐怖で足が固まる。

 今まで桜葉さんを纏うオーラとは別種の、狙った獲物は逃がさない鷲のような。

 

 そうして冒頭に戻るわけだが、煽られた所で脚は竦んだまま・・・

 自然と下がっていた視線を上げて桜葉さんのいたであろう場所に見たものは、ダダの枯葉。

 そして不穏な空気を感じ、目線を下げれば、殴られるコンマ数秒前だった。

 当然後ろに向かって避けようとするが意味などなく、当然桜葉さんの拳が脇腹に入る。

 よかった、身体がを捻っておいたおかげでダメージを逃がせた。

 それでもズキズキと脇腹が痛み、予想外過ぎる激痛に見舞われる。

 よろけながら立てば、何とも言えない空気感の桜葉さんがいる。

 かんがえても意味は無い。なら、隙を見に行くしかない。

 様子見をするわけではないが・・・


 「おいおい、そんなものか。」

 「いいや、これからですよ」

  

 そう自分に言い聞かせながら自らを鼓舞し、桜葉さんの懐に入る。

 一発。何の飾りも技巧もないただの右の一打。

 飛び込む勢いを捻りに変え、全身をバネのようにして体から押し出される一発。

 当たらないのも想定したものだったが、その予想は必要なかった。

 握り拳はねじれがかかり、その拳は鳩尾の少し下の腹を捉える。

 さすがの反応速度で一番強い当たり(ミート)は回避され、桜葉さんはバックステップ(・・・・・・・)をした。

 後ろに重心が乗ったところで、右足を掬いもって奥に押し込む。

だがそんなことで一筋縄に行くはずがなく、持たれた脚を起点に体を捻って、左からの強襲キックを食らう。

 警戒していなかった攻撃に驚愕し判断が数テンポ遅れた。

 その左足は右の側頭部を捉え、宙に飛ぶ。

 一瞬意識が遠のくような感覚が体を支配しかけるが、思考をスパークさせ仰け反った体の勢いを使ったバク宙のようにして地面に着地。

 体勢を立て直すが頭がクラァっとした。

 脳震盪(のうしんとう)だ。

 体が言いようのない脱力感に蝕まれ、身体が前向きに倒れそうになる。

 

 (けど、もう動けなくなったわけじゃない!)

 

 正直、身体の節々が、恐怖と重しのような脱力感に支配されている。

 そんな僕でも心までは折れちゃいない!

 

 桜葉さんは僕の顔を見て、初めて笑った。

 ニッ!っと。


今日は3話行けるかなぁ~?って感じです。

広告下の☆の評価、お願いしますっ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ