第31話 ドラゴンもどきと死神
こんなにも警備の緩い根城があったものだろうか?
ここまで先の戦闘以降、まったくと言っていいほどに敵と遭遇しない。
と思っていたのだが、
「おおーそこのカレシ?僕と遊んでかない?」
「ごめん、ナンパは受けない」
「へー、戦闘ならいいんだ」
そういうと取り出したのは、モーニングスターと呼ばれる棘のついた鈍器。
まっすぐに振り下ろされたそれは、僕と同じ年の頃の体から出された力では無いことは一目瞭然。
武器に振り回されている。
元来、鈍器とはその重みから繰り出される打重撃を、操ってこそ、使い手と言えるであろう。
が、彼の場合は、その重みに振り回され、自分の力を使えていない。
肉付きからして、彼はテクニシャンタイプ。軽いが、決して弱いわけでもなく、マイナー武器に向いている。
顔からは汗が滲み、辛そうなのは自他共に感じているだろう。
「ほらほら!来ないのか!おらおらおら!」
そんな今にも崩れそうなほどに歪んだ口から発せられる声音はやせ我慢であろう。
「いいよ、終わらせよう」
「・・・・ッフン!!」
ナイフだけを引き抜き、腰を落とす。
彼は、すぐに振り下ろす。
僕は、身体を倒してそれを回避。
そのまま、ナイフを突きつけるように見せかけ、近づき、組み合う。
後ろに飛び退るが、もう遅い。
胸を軽く押し、後ろへよろけさせる。そこから、彼の左腕を掴み、左足を僕の左足で刈り上げる。
いわゆる大外刈り。
きれいな一連の動きに呆然とするその数秒を見極め、素早く後ろに回り腕を抱え、手首を捻る。
「どうする?降参か、抗って死ぬか」
「・・・こーさん、あの人も無理なこと言うよねー」
「わかった、それじゃぁ、君にはその人を裏切ってもらいます!」
「笑顔でそういうことは言うもんじゃないと思うよ?俊介・・・くん?」
「ほぼほぼタメでしょ?呼び捨てでいいよ、むしろ名前教えてよ」
「神無水栞士。16だ。よろしく」
「ああ、じいちゃん」
「いいのかのう?」
「もう遅いと思うぜ、竜介さん」
「情報はしっかりしとるな」
ぼくも祖父も、見知った外見で少し油断したが中はとても改造されており元の家の見る影もない。
不幸中の幸いと言えば聞こえがいいが、こちらには中の出入りを出来ていた、栞士に先導をしてもらい、攻略していく。
そして、大仰な扉が見える。
さぁ、ラスボス戦だ。
まってろ、竜騎め。
今日の分終了!




