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地獄の世界を僕らが行く!  作者: 三上 空
第一章 血族との決別
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第2話 暗殺者

 「それで、ぼくはなにを?」

 「ああ、しっかりと説明をする。がその前に、飯にしないか?」

 「やっぱりお腹すきました?」

 「ああ。死にそうだ」

 「ははは、それじゃあ、そうしましょうか。」

 

  改めて、僕は佐藤 俊介という。

 未踏の地に迷い込んでしまった僕は、一悶着ありながらも、男性と行動を共にすることにした。

  その男性は桜葉と名乗り、完全武装している。

  妙にスナイパーライフルが様になってる男性だ。

 

 「おい」

 「はい、ありがとうございます」

 

 あったかそうなスープを差し出される。

 匂いは香ばしく、食欲をとてもそそる。

 その味は、豚骨で出汁をとったような濃厚さと、昆布のようなあっさりとした出汁を感じさせ、からっぽだった胃の中を癒していく。

 とても染み渡るような味だ。

 

 「・・・お前はどこから来た。」

 「モグモグ、・・・・あそこの丘からですね。」 

 「あっちか?」

 

 桜庭さんが僕が来た方角に指を指す。


 「はい。」


 それを聞いた桜葉さんは訝しそうな顔をする。

 それと・・・・感心した表情もした。


 「記憶は?」

 「あることにはありますよ。」

 「ここに来た記憶がないようだな・・・」


 急に断定してきた。

 もしかして、というよりも僕の直感が当たっていたようだ。

 

 「桜葉さんもないようですね」

 「その通りだ。」


 さてどうしたものか。

 が、さっきの桜葉さんは警戒色が濃かった。

 その原因と武装の理由を結ぼうと思考を回す。


 「なんで武装しているのかと考えてるか。」


 そんなあからさまだったか、修行が足りなかったかな。

 

 「俺は殺し屋だ。善良な市民は殺さん。」

 「殺そうとしましたよね?」

 「それは警戒し過ぎていた。許してくれ。」

 「今は気にしてないですよ」

 

 それにしても、現実にいるだな。殺し屋はファンタジーか小説の中に限ると思ってたけれど・・・。桜葉さんは殺し屋か。けど武装し続ける理由にはならないとは思う。


 「質問の途中だったな。この世界は、人が死んだ末にゾンビになってうろついている。」

 「けど僕見たことないですよ」

 「肉体が腐敗して、体の原形をとどめていればゾンビなる可能性が高い。」

 「だからこそ火葬する?」

 「そういうことになるようだ。」

 「・・・・桜葉さんは、ここを根城としている感じですね」

 「そうだ。」

 「食料はどのような感じで?」

 「なんか動物っぽいの射殺してる」

 

 サバイバルか。なんか頼りないような気もするが。

 まぁ、居候の身だ。贅沢も言っていられないだろう。



 「動物っぽいのというのは?」


 「ウサギに牙つけてみたり、牛に翼生えてたり・・・」


 「あっ、もういいです。」




 結構、ファンタジーだな。まあそれはさておき、



 「この後どうします?」

 「まずはお前の戦闘訓練」




 よし、真意が読めない。

 残っていたスープを飲み干した桜葉さんに聞く。



 「戦闘訓練ってなにするんですか?」

 「多少の自衛戦闘位は心得といて損はないだろう。ついでをいえば、ここを出るにしても、侵略されても俺一人じゃ心許ない戸いうのが正直なところだ。」

 「ある程度の基礎はあると思います」

 

 祖父に、柔術、剣術、空手などは教わってきた。

 

 「わかった。強引だが3日ですべてとは言わないが吸収してもらう。それは覚悟しておけ」

 「了解しました」

 「明日がある、今日は寝ろ。そこの麻布を使え」

 「はい。」


 外を見れば真っ赤な空にいやに黄色い月が二つあった。

 だがそんなことに突っ込む前に、急に瞼が重たくなり景色が横倒しになった。


はい、恒例で申し訳ないですが、広告下の☆の評価なにとぞお願いします。

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