第13話 日常という異常
「こ、こうかな?」
「そうだね、ここをこうして内臓と剥離させるんだ」
僕は今、瑠香にゾンビの死体を使って人体の構造や機能の説明をしている。
もともとがゾンビだったため、腐っているか損傷が激しいモノかに偏ってしまうが、彼女の覚えの良さから考えれば問題ないだろう。
「それじゃあ、僕は行ってくる」
「はーい、いってらっしゃい!」
「・・・うん」
毎回これを言われるとどうしてもムズかゆくなる。
これではまるで新こ・・・いや、これは言ってはなるまい。
僕は、いつものように徒歩30キロ以内の、未だ行っていない街に向かう。
物資はもちろん、竜騎の痕跡やその他生存者を探すためだ。
ゾンビの右ストレートを刀を添えるようにして軌道を反らす。
その刀をそのまま振り下ろす。
ゾンビの脳天から股下まで斬り裂け、数秒後、風によってぐしゃりと倒れる。
その刀を横に捻り足を払うように一閃。囲まれないような立ち回りは当然心がけ、攻撃は喰らってはいけない。
ピッ!シュッ!ズパァッ!グギャァァァ!グシャッ!バキッ!ドンッ!ズゥンッ!スパァン!
こんな戦闘が日常になってくるとゾーン無しでもそこそこ強くなってることを自覚できる。
めぼしい物資は頂いた後、いつもの山に行き、兎熊の首筋を一閃。
一分ほど動き攻撃してきたが全て避け、失血し、前のめりに倒れた。
こうすることによって、肉の臭みが少なくなり、血抜きの作業も楽になる。
桜葉さんは基本ヘッドショットをするので、それ以外の外傷ゼロで死ぬので血抜きの作業に手間取り臭みが増してしまう。
その点僕は刀を持っているのでそう言ったところの都合がよかった。ので最近は僕が食料調達員となっている。
死体を持ってすぐ近くの川に行き、足を上流側に向けて持つ。
水流の圧によって血は足先、手足から四肢を渡り大動脈から流れていく。
その後は内臓をすべて掻き出した後、土に埋める。
それをまた洗い直し、持ち帰る。
「食料狩ってきたよ」
「あ、お帰り。それはそこの大きい草の上に置いておいて?」
「わかった、僕も手伝うよ」
「ふふ、ありがとう!」
こんな殺伐とした世界の中で彼女たちは僕を支えてくれている。
僕にとってこの世界は新たな道の一つだ。
この現状の始まりはすべて桜葉さんのおかげだ。
ファーストコンタクトに関していえば最悪ではあったがそんなことは気にならない位色々と教えてもらった。
「「「ごちそうさまでした」」」
「「お粗末様でした」」
食事を終え、夜風に当たる・・・と言っても、血と匂いが乗った風は決して気持ちのいい物ではないのだが。
「それでは、やりますか」
「そうだな、俊介」
そう、本来の目的はこっち、桜葉さんとの羅掌組手。
始めて桜葉さんとやった羅掌組手から今日で10日。
久し振りの羅掌組手のゴングは気色の悪い夜風の止まるその瞬間だった。
しんこ・・・・はい。
そんなのも描ければぁ?とは思ってますが・・・残念なことに恋愛の描写は苦手なもので‥‥
ま、そのうちはいるんじゃないですかね、恋愛イベント




