第10話 狙いの先
「どうしたものか・・・」
正直僕の中でこの世界の全貌・・・・とまでは行かないにしても仮説が現実になりつつあった。
「ねぇ、俊君」
「うん、なに?」
「なんで、武器持ってるの?」
「さっきのゾンビを倒すため」
刀に触れながら瑠香に微笑む。
すると、瑠香は僕の指をとり・・・・パクッと咥えた。
「・・・!?」
後に聞いた話だと、刀かナイフで切ってしまっいたらしく、それを思わず咥えてしまったという事だった。
うん、何をしてるの!?
「うん、なにをしてるの!?」
うん、僕もかなり動揺していたらしく思ったことをそのまま言ってしまった。
少し落ち着いて来た頃合いを見て声をかける。
「・・・それでは、行きましょうか。桜葉さん、瑠香」
「・・え?私?」
「え?って。君一人だと危ないだろう?僕らは一応これでも戦えるし・・・」
「俊介、俺は別にいいが彼女を庇っての戦闘になるかもしれないんだぞ?」
「あー・・何とかします」
「ならいい」
「あ、っと・・・」
「行こう?瑠香」
「・・・うん、わかった!」
一夜明け、朝食の席で今後の行動について話すことになった。
「僕は、どうしたらいいんでしょう」
「お前がどこに行きたいじゃない、俺らがいくべき場所だ。」
「あー。それならここに居続けるのは危ないですね」
「なぜそう思う?」
「貴方が、殺し屋だから」
「・・・それはどういう意味だ?」
「いえ、別に貴方を疑ってるわけではないんですが、殺し屋でありながら僕のことを庇護してるのにもそれなりの理由があると見るのが普通でしょう?」
「お前は俺のターゲットだ」
「・・・じゃあ、なんで俺を殺さないんです」
「お前にゾンビの説明をしたのを覚えているか?」
「はい?おぼえてます」
「ゾンビになった人々は、謎の病気にかかった。それは、脳内で繁殖する。それによって、人々は、動ける屍となった。というのがわかっているところだ」
「空が赤いのは?」
「そもそもウイルスは、科学者がバラまいた。それの影響何だろう」
「じゃあ、僕たちが動けるのは?」
「わからない」
分からないと来たもんだ。僕も分からない。
というより質問の答えになってないではないか・・・
「クライアントが死んだのさ。今更依頼を遂行する必要はない。ただそれだけだ」
「それは誰ですか?ああ、守秘義務ありますよね。やっぱりや・・・」
「佐藤 竜騎。お前の従兄弟にあたるはずだ」
「はぁ・・・」
やめておきますと言おうとして僕の口を閉ざさせた名前。
それは、確かに僕の従兄弟だ。
だがとうの昔に、祖父に勘当されていたと思う。
なんでいまさら聞くのだろう。というより、
「どうかしたか?」
「あいつは・・・まだ死んでない」
「そんなはずはない。俺はこの目で見たぞ」
「あいつが死ぬところを?」
「いや、だがあいつの死体なら、ゾンビならいたぞ」
「僕には、竜騎と同い年で似ている、祐介がいます。多分それは僕の兄だと思います」
「ならあいつは?」
「多分今も、狙っています。僕と、桜葉さんの命も」




